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アナ・ソロキン (アメリカ)
【 1991 ~      】



アナ・ソロキンは、1991年1月23日、ロシアで生まれた。


2007年、ソロキン16歳の時、一家はドイツに移住した。

そして、ベルギーやオランダの国境から程近いエシュヴァイラー高校に通った。


2011年、高校卒業後、美術学校へ通う為、イギリスの首都ロンドンに引っ越すが、中退してドイツに戻った。

その後、フランスのファッションや芸術、文化の雑誌「Purple」の教育実習生となるべくパリへ引っ越し、そこで「アンナ・デルビー」に名前を変更する。


2017年、ソロキンはアメリカ・ニューヨークで、裕福なビジネスマンやいくつかのホテルに対しての詐欺行為や重窃盗罪の6件の罪で逮捕される。

ソロキンによる犯罪は2016年11月から2017年8月の間に行われ、ソロキンはドイツの億万長者の相続人だと名乗り、純資産は6000万ドル (約60億円) 近くあると話し多くの人を騙した。

元友人のレイチェル・ウィリアムズに対しては、6万2000ドル (約700万円) を騙し取った。

検事によるとその被害総額は38万5000 (約4200万円) ドルに達する可能性があるとされた。

ソロキンは社交界など高い水準の生活を望み、それを送る為に必要な金銭を得る為、騙していた事がわかった。


2018年12月18日、ソロキンはニューヨークの裁判所に出頭する。

裁判所はソロキンに対し、2019年初頭に拘置所から釈放され、ドイツに強制送還されるという申し立てを行うが、ソロキンはその申し立てを拒否する。

その為、ソロキンはアメリカで裁判が行われる事となり、裁判は3月中旬に設定された。


2019年3月27日、ソロキンは襟ぐりの深い黒のドレスとチョーカー姿で法廷に出廷した。

午後にはベージュ色のセーターに着替えて法廷に現れた。


翌日の28日、ソロキンはブランドのブラウスとパンツ姿で出廷した。

ソロキンが法廷で着飾って出廷している事に対し、弁護士は
「彼女が相応しい服装で裁判に臨むのは不可欠であり、陪審員には彼女の側面を見てもらいたい。裁判に相応しい衣装を選ぶ為にスタイリストを雇った」
と答えた。


同年3月29日、ソロキンは裁判に出廷する予定だったが、汗をかいた為、出廷したくないと述べた。

また、裁判所で用意された黄褐色の服 (女性囚人が着ている服) を着たくないと述べた。

ソロキンは弁護士に、「刑務所職員が服を着れないように妨害した」と話した。

マンハッタン最高裁判所のダイアン・キーゼルは、ソロキンの弁護士を呼び、ソロキンを法廷に出廷させるよう指示した。

だが、弁護士はソロキンが涙を流し吐き気を訴えていると述べた。

すると、キーゼルは、
「これは裁判です。彼女は刑事事件の被告人です。服が彼女の基準に合わないのは申し訳ないが、彼女を呼んで頂きたい」
と弁護士に語った。

時間が経った後、矯正局の好意によりしわくちゃな白いシャツを提供され、ソロキンはその服を着てようやく出廷した。

出廷したソロキンは、自身が「病気」だと供述した。



《詐欺期間》
2016年11月~2017年8月



∽ 総評 ∽

社交界などの上流階級の生活に憧れ、その為に多くの人を騙して金銭を強奪したソロキン。

きらびやかで高水準な生活というのは魅力的であり、女性なら誰でも憧れるのかもしれない。

だが、ソロキンが何故、そのような生活を求めるようになったのかはわからない。

大抵が子供の頃、家庭が非常に貧乏で、その影響でお金に執着するという事が多いが、ソロキンの家庭は不明だ。

ただ、美術学校に通う為にロンドンに行ったり、パリに教育実習生として行ったりしている所をみるとそれなりの家庭だったと思われる。

人を騙すというのは言葉巧みでなければいけないが、ソロキンがそうだったのかはわからない。

もしかしたら自身の容姿に自信があり、それで誘惑したのかもしれない (もしそうだとしたら騙される男性も大概だが) 。

ソロキンは着飾って法廷に現れ、服を着れなくなると出廷したくないとまるで子供のようにだだをこねた。

裁判官はかなり気の遣った発言をしているが、そんな我が儘を通す理由が全く理解出来ない。

裁判に臨む気がないなら弁護や弁解を放棄したとみなし、即刻重罪に処すべきだろう。

ソロキンは容姿端麗で綺麗な服を着て見た目には社交界に相応しい人間なのかもしれないが、中身が全く伴っておらず、殺された人がいないのが唯一の救いといえる。