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セリーヌ・ルサージュ (フランス)
【 1971 ~      】



2007年10月16日、ルーク・マルグリットは、自身が住むアパートの地下室から臭う悪臭に気付く。

そして、調べるとゴミ袋に入れられた6人の遺体を発見する。

発見された6人とも生まれて間もない新生児であった。


マルグリットはすぐに警察に通報し、2日後の18日に犯人として逮捕されたのはセリーヌ・ルサージュという女性であった。

ルサージュはマルグリットのガールフレンドであり、遺体が発見されたアパートはルサージュとの共有アパートであった。

実はこの6人の新生児は全てルサージュが産んだ子供であり、1人はマルグリットとの間に産まれた子供であった。

残る5人は離婚した夫パスカル・キャサリーンとの子供であった。

ルサージュはその日の内に起訴された。

拘留されている間、ルサージュはこれまでの犯行を認め、それは2000年8月から2007年9月の7年間で行われた事がわかった。

また、ルサージュは6人の内、4人を直接手で首を絞めて窒息させ、残り2人はコードで首を絞めたと話し、その方法を捜査官を使って示した。

肝心のルサージュの動機だが、本人が語らず不明であった。

幼児殺害を専門とする心理学者は
「常に妊娠し続けようとする無意識な欲求であり、出産を予想せず子供を人間と考えていなかった」
と考え、更に
「これは世界的にみても非常に稀な幼児殺害事件であり、彼女は異形の母親である」
と述べた。


裁判では前夫のパスカルは証人として出廷し、
「私達は2006年春に別れたが、彼女は私の人生を破壊した」
と話し、更に
「私は全く知らなかった。彼女にとって子供達はモルモットに過ぎなかった」
と供述した。

法廷でのルサージュは酷く落胆し、パスカルの証言を聞くと涙を流した。

ルサージュには最低18年は仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡される可能性があったが、結局懲役15年が言い渡された。



《殺人数》
6人

《犯行期間》
2000年8月~2007年9月



∽ 総評 ∽

自ら産んだ子供を次から次へと6人殺害したルサージュ。

ルサージュのようにお腹を痛めて産んだ我が子を次から次へと殺害する母親は意外に多い。

ただ、理由は保険金殺人か「代理ミュンヒハウゼン症候群」という事が多い。

だが、ルサージュはそのどちらでもない。

心理学者が「妊娠し続けようとする無意識な欲求」と言ったが、正直、意味がわからない。

常に妊娠したいのなら別に子供をわざわざ殺す必要はないのではと思う (ただ妊娠したいだけで子供には全く興味がなく邪魔なだけだと思ったのかもしれないが) 。

似たような事件に、以前紹介した同じフランスのドミニク・コットレがいる。

コットレも次々と子供を産んでは殺害したが、理由は「すでに2人いてこれ以上子供はいらない」という理由であった。

ルサージュの真の動機はわからないが、もし、専門家の言った通りなら、確かに世界的にみても稀だといえよう。