_20190312_092823
ユージーン・マクウォーターズ (アメリカ)
【 1978 ~      



2004年3月31日、アメリカ・フロリダ州マーティン郡ポート・サレアノ地区で、ジャクリーン・ブラッドリー (43歳♀) の分解された遺体が発見される。

分解された部位は排水路に浮かんでいた。


翌日の4月1日、警察は捜査を始め、ブラッドリーはホームレス・キャンプの住人であり、「ジャクリーン・クラーク」という名前で知られていた事がわかった。

聞き込みを行うと、ブラッドリーがユージーン・ウェイマン・マクウォーターズという男性と1週間前の3月24日にキャンプを去ったという目撃情報を入手する。


同年4月2日、警察官がガーデンストリートで姉と一緒に住んでいたマクウォーターズを訪ねる。


同年4月15日、マクウォーターズは嘘発見器テストを受ける事となった。

テストを行った警察官が「ジャッキー・クラークの首を絞めたか?」という質問に対してマクウォーターズは「いいえ」と答えるが、反応はなかった。

また、「あなたはジャッキー・クラークの遺体を処分しましたか?」という質問にも何の反応を示さなかった。

ただ、質問した警察官は、マクウォーターズの受け答えが欺瞞的であったと語った。


同年6月2日、キャリー・コーギー (18歳♀) の遺体がポート・サレアノにある池の土手で発見された。

コーギーはTシャツが脇の下まで押し上げられていた半裸体姿であった。

コーギーは3日前の5月31日の早い時間にコーブ・ロードにあるコンビニの駐車場で姿を見られたのが最後であった。

目撃者によると、コーギーが歩いている所、男性が近づいていったという。


同年6月7日、コーギーの遺体が発見された場所からほど近いコーブ・ロードの森の中でクリスタル・ウィギンス (29歳♀) の遺体が発見される。

ウィギンスの友人3人によると、5月30日の夜に開かれたパーティーで会ったのが最後であった。

友人3人は薬のお金を手に入れる為にウィギンスを置いてその場を去り、パーティーに戻るとすでにウィギンスの姿はなかったと語った。

話を聞くとウィギンスはマクウォーターズと2人でその場を離れ、少し経ってマクウォーターズが1人で戻って来たという。


同年6月23日、マクウォーターズは逮捕された。

マクウォーターズはこれまでサレアノ地区での3人の女性への強姦殺人を認めた。


2006年9月28日、マクウォーターズは殺人と強姦で有罪判決が下され、同年12月4日、3つの死刑と3つの終身刑が言い渡された。

判決を言い渡されたマクウォーターズは涙を流した。

しかし、マクウォーターズは殺人を告白するよう捜査官に違法によって騙されたと主張し、上訴した。


2010年3月、フロリダ州最高裁判所は、マクウォーターズの上訴を棄却し、判決を支持した。


最後に殺人について語ったマクウォーターズの発言で終わりたいと思います。

「どうやったのか、何故したのかわからない。それは私自身の謎です」



《殺人数》
3人

《犯行期間》
2004年3月24日~同年5月31日



∽ 総評 ∽

『The Salerno Strangler (サレアノの絞殺魔)』と呼ばれ、3人の女性を強姦して殺害したマクウォーターズ。

マクウォーターズは犯行に及ぶまでどのような人生を送ってきたのか詳細がなくわからない。

ただ、姉と暮らしていたのでおそらく独身であったろう。

マクウォーターズは判決後に涙を流したが、泣きたいのは被害者や遺族である。

そのくせ違法に騙され自白させられたと上訴する。

反省どころかさも自分が被害者だと言わんばかりであり、殺人犯の中でも特に許されない鬼畜といえる。

マクウォーターズの死刑はいまだ執行されていないが、その間、刑務所の中で絵を描いている。

刑務所で絵を描く殺人鬼は意外に多く、有名なのは自身のピエロ姿を描いたジョン・ゲイシーだが、その絵は俳優ジョニー・デップが所持するなど非常に人気が高い。

ほとんどの絵が異常な自分自身を投影するかのようなおぞましいものばかりで、このマクウォーターズも骸骨の絵ばかりを描いており、その異常性が伺える。