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ナンドール・エルデーイ (ハンガリー)
【 1971 ~      】



ナンドール・エルデーイは、1971年、ユーゴスラビアで生まれた。

その後、エルデーイはセルビアのノヴィ・サドに住んだ。


ユーゴスラビアが崩壊へ進むと、エルデーイは「Arkan Tigrisei」というセルビア武装勢力に加わった。

エルデーイは森林キャンプで訓練を受けた。

目撃者によると、エルデーイはユーゴスラビア崩壊に伴う内戦に参加し、多くの人間を殺害したという。


1993年、エルデーイはハンガリーに移住し、1994年には武装強盗等で有罪判決を受け、禁錮4年が言い渡された。


1997年12月23日、エルデーイは条件付きで釈放された。


1998年1月2日、首都ブダペストに行き、そこでブローニング・ピストルを購入する。


同年1月17日、エルデーイはスポーツ店を襲撃し、販売員を射殺する。

しかし、エルデーイは1300フォリント (約500円) しか見つける事が出来なかった。


同年2月3日、エルデーイは衣料品店を襲撃し、2人の販売員を射殺した。

その後、4000フォリント (約1600円) を奪って逃走した。


翌日の4日、今度は電気店を襲撃し、従業員を射殺する。

そして、5万フォリント (約7000円) を奪って逃走した。

その後、エルデーイはわざわざ警察署へ赴き、一連の強盗殺人事件について犯人を知っていると捜査官に知らせた。

その後、エルデーイは何度か警察署へ赴き、犯人逮捕に協力するという事を口実に犯罪についての警察の記録を見た。

その中で、警察が掴んでいた情報を除外しようと目論んだ。

この時、警察は犯人についてほとんど知らなかった。

ハンガリー警察はアメリカの専門家に応援を頼み、犯人についてのプロファイリングを行った。

プロファイルによると、犯人は30歳くらいの男性で、すでに警察官と接触しているというものだった。

その後、捜査の末、犯人はトランシルヴァニア人である事がわかり、過去に強盗で逮捕された事のあるエルデーイが容疑者と考えた。


同年3月4日、逃走しようとしたエルデーイを国境近くで逮捕した。


2000年11月、4件の殺人のうち衣料品店で殺害された2人のみの殺人が証明され、懲役23年が言い渡された。


その後、2003年に4件の殺人全てで有罪判決が下され、終身刑が言い渡された。

しかし、エルデーイは最短で2029年に仮釈放される可能性がある。



《殺人数》
4人

《犯行期間》
1998年1月17日~同年2月4日



∽ 総評 ∽

『Pine Kiier』または『Pine Murder』と呼ばれ、4人を強盗殺人で殺害したエルデーイ。

エルデーイは典型的な強盗殺人鬼であり、その犯行はお金があると思われる店舗を直接襲撃するという大胆不敵なものであった。

ただ、それらにより得られた金額は、罪に対するものとしてはあまりに低かった。

エルデーイは武装勢力に加入し、内戦にも参加しており、その射撃の腕は確かなものだったろう。

襲撃した店舗の従業員を確実に射殺している様子がその事を証明している。

こういった人間が殺人に走るというのは恐ろしさしかない。