_20181212_151919
ジェフリー・ダーマー (アメリカ)
【1960 ~ 1994】



1991年7月22日、ミルウォーキー警察のロバート・ラウスとルルフ・ミューラーの2人がパトロールしていると、大声で叫びながら黒人の男性が近付いて来た。

黒人男性はトレイシー・エドワーズといい、エドワーズは殺されそうになった為、逃げてきたと語った。

ラウスとミューラーは早速、現場に向かうが、アパート全体に立ち込める悪臭に気付く。

そして、部屋をノックすると、出てきたのがダーマーであった。

ダーマーがドアを開けると室内から腐敗臭が流れ出た。

ラウスが
「夜分に失礼します。少々お尋ねしたい事があるのですが」
と話し、自分達が警察官である事を告げた。

ダーマーは2人が警察官だとわかっても何1つ様子は変わる事なく、

「どうぞ」

と言ってラウスとミューラーを部屋の中に招き入れた。

「この酷い臭いは何ですか?」
と2人が尋ねるが、ダーマーは答える事なくソファーに座ってテレビを見た。

ラウスとミューラーはエドワーズが言っていた事を確かめる為、部屋の中を探索し始めた。

ミューラーがベッドルーム向かうと、数枚の写真がピンで留めてあり、それをよく見ると、死体が凌辱され、バラバラにされている写真であった。

ミューラーは思わず吐き気を催した。

また、ダーマーの人物照会を行うと、過去に少年を虐待した罪を犯している事を知った。

ミューラーはエドワーズが言っていた事を信じたが、ダーマーを捕まえる程の証拠がなかった。

また、令状もない為、これ以上捜査を続ける事も出来なかった。

そこで、ミューラーは
「署まで同行お願い出来ますか?」
と尋ねた。

ダーマーは、

「それは強制ですか?そうでないのならもう夜も遅いのでお断りします」

と答えた。

ラウスとミューラーはダーマー逮捕を諦め帰ろうとするが、ミューラーは喉が渇いた為、蛇口をひねり水を飲んだ。

すると、すぐ側にある大型の冷蔵庫に気付き、何か嫌な予感がしたミューラーは冷蔵庫を開けた。

そこには人間の首が並んでいた。

ミューラーは驚き、振り向き様に銃を抜いてダーマーに向け、
「お前を逮捕する!」
と叫んだ。

一瞬、驚いた表情を見せたダーマーだったが、すぐに笑みを浮かべ、両手を差し出した。

しかし、ミューラーが手錠を掛けようとすると、ダーマーは抵抗した為、その場で取り押さえられた。

そして、手錠を掛けると、

「ミャーオ、ミャーオ」

と猫の鳴き声を真似た。

ミューラーからの連絡により、すぐに鑑識課の職員が駆けつけたが、全員が厚手のゴム手袋と酸素マスク、黄色いゴム製のスーツという完全武装であった。

ミューラーが開けた冷凍庫からは、ラップに包まれた3つの生首と1つの心臓が見つかった。

下の冷蔵部分からは肺と肝臓、束になっているいくつかの腸が見つかった。

寝室には隠し扉があり、その奥には酸に満たされた57バレル (約9060リットル) の巨大な樽が置いてあった。

樽の中には首と手足のない半溶解した胴体が3体入っていた。

また、部屋にはクロロフォルムやホルマリン、塩酸にエチルアルコール、消毒スプレーや抗鬱剤等が大量に隠されていた。

他の部屋には手製の解体器具や3台のチェーンソーが発見された。

切断された指や皮膚が床にばら蒔かれており、ダンボールの中には人骨が詰め込まれていた。

ベッドの引き出しからは細かく刻まれた腕が見つかり、部屋の隅には眼球や内臓が無造作に捨てられていた。

ある籠は塩水で浸されていたのだが、そこには多くの男性器が出てきた。

キャビネットの奥からは5人分の頭蓋骨が見つかり、クローゼットの隅には更に2つの頭蓋骨が見つかった。

棚からは何本もの腕がぶら下げられていた。

キッチンは更に酷く、カウンターの引き出しにはフライパンが押し込まれており、中には人肉の食べ残しがあった。

スープ鍋にはトマトソースで煮た2つの脳があり、別の鍋には手足が入っていた。

家にはちょっとしたスナック菓子がある程度で、他に食材が一切見当たらなかった。

この事からダーマーは食事を人肉のみで賄っていた事が判明した。

現場検証と作業は実に48時間に及び、冷蔵庫や樽等は特別に手配された危険物運搬車によって運ばれた。

そして、最後に遺体や犠牲者が命乞いしている姿、殺害から解体の様子が記録された写真やビデオが大量に見つかった。

ミルウォーキー警察は被害者の人種は多岐に渡ると述べ、それは黒人11人、白人3人、ベトナム系、ヒスパニック、インディアンの合計17人と発表した。

同じアパートの住人は、以前からダーマーに臭いについて苦情を述べていた事がわかった。

ダーマーは肉を大量に買ったが冷蔵庫が壊れて台無しになった等という言い訳を繰り返していた。

ダーマーは殺害すると風呂場で解体し、食べられる部位と食べられない部位に分け、不要な部分は酸の樽に入れ、必要な部分はブロックに分けたと供述した。

事件が公になるとその犯行の凄惨さ残虐さから全米はおろか世界が震撼した。

また、警察の怠慢が明るみになり、被害者が同性愛者や黒人、ヒスパニック系だった事が捜査に影響を与えたと非難された。


⑤に続く