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ディミトリス・ヴァクリノス (ギリシャ)
【1962 ~ 1997】



ディミトリス・ヴァクリノスは、1962年、ギリシャ・アルカディア県ゴルティナで生まれた。

ヴァクリノスの家庭は農家であり、非常に貧しかった。

学生時代のヴァクリノスを知る村人によると、物静かで社交性に欠けていたという。

ヴァクリノスの父親はアルコール中毒であり、しばしば暴力を振るった。


1975年、ヴァクリノス13歳の時、首都アテネに行き居酒屋で働いた。

その後、ヴァクリノスは技術学校で溶接工として訓練を受け、「Elefsis Shipyard」という造船会社で働き始めた。


1987年8月6日、ヴァクリノスはペトロポリで、パナイオティス・ギャグリアス (43歳♂) が眠っている所を鉄の棒で殴り殺した。

ギャグリアス殺害理由は、ヴァクリノスがギャグリアスのショットガンを盗んだ事があり、ギャグリアスが警察に通報すると言ったからだった。

その後、遺体を高速道路から投げ捨てた。


1990年、ヴァクリノスは結婚するが、わずか14ヶ月で離婚した。

元妻がヴァクリノスを家から追い出した。

ヴァクリノスは元々家は自分の家族のものだと主張し、サラミス島にある元妻の家族のコテージに火を放ち復讐した。


1992年に「Elefsis Shipyard」を退社し、その後、タクシー運転手として働き始めた。


1993年3月14日、アンドレア・スビロス (18歳♂) とテオドロス・ビトウラス (16歳♂) が歩いていた所をヴァクリノスに撃たれる。

2人は負傷したものの、命に別状はなかった。


同年11月19日、ヴァクリノスはアナスタシア・シミッツ (28歳♀) という女性とナイトクラブに行き、シミッツが帰りたいと言った時、ヴァクリノスは性行為を強要した。

だが、シミッツが拒否した為、それに怒ったヴァクリノスはシミッツを連れ去ると、ガソリンをかけて生きたまま燃やした。

シミッツの遺体は翌日に発見された。


1994年1月9日、ヴァクリノスは同僚のタクシー運転手テオドロス・アンドレアディス (35歳♂) と数ヶ月前に喧嘩していた。

恨みを晴らそうと考えたヴァクリノスは、アンドレアディスが運転するタクシーに乗り込み、コリントスへ向かうよう頼んだ。

そして、途中で止めるよう指示し、車を止めるとアンドレアディスを撃って射殺した。

ヴァクリノスは時計を盗み、タクシーを運転してエレウシスまで行くと、そこでタクシーに火を放ち燃やした。

アンドレアディスの遺体は数時間後に発見された。


1995年12月4日、ヴァクリノスはニカイアにあるスーパーマーケットに強盗に入る。


同年12月10日、ヴァクリノスが車から物を盗もうとしている所をたまたま通りかかったジョージ・コーケス (23歳♂) とヴァシリス・ドゥーラ (23歳♀) が目撃する。

2人がヴァクリノスを止めようとすると、ヴァクリノスは2人に向かって発砲し、逃走した。

ドゥーラは軽傷であったが、コーケスは重傷を負い、その傷により障害が残った。


同年12月15日、ヴァクリノスはエガレオのスーパーマーケットに強盗に押し入る。


同年12月21日、アハルネスでコスタス (21歳♂) とアントニス (20歳♂) のスピロプーロス兄弟が家に戻ると、ヴァクリノスが車を盗んで逃走した。

兄弟も別の車で追い掛け、ガソリンスタンドで追い付いた。

兄弟がヴァクリノスに近付くと、銃で兄弟を撃って射殺した。


1996年3月20日、ヴァクリノスはエガレオのスーパーマーケットに強盗に押し入った。


同年5月31日、ヴァクリノスはニコス・アギアニディスの息子と個人的な争いがあり、家を訪れた。

ギアニディスはドアを開けずに警察に連絡した。

警官グリゴリス・マンモス (31歳♂) が家を訪れ、ギアニディスがドアを開けるとヴァクリノスが発砲した。

警官らは負傷したが命に別状はなかった。


同年6月、ヴァクリノスはニカイアのスーパーマーケットに強盗に押し入った。


同年8月、再婚してモスチャトに移った。


1997年4月9日、ヴァクリノスは逮捕された。

警察はヴァクリノスがこれ程の犯行に及んだ理由は、幼少期に関係していると考え、性的抑圧や自尊感情の低下が犯行に拍車を掛けたと推測した。

また、ヴァクリノスの衝動的な行動は、激しい怒りと過度の愛情の欠落、体格 (身長) の不足が要因とも考えた。


同年5月12日、ヴァクリノスは刑務所の病院のシャワーヘッドに靴紐をくくりつけ、首を吊って自殺した。



《殺人数》
5人 (他犯罪多数)

《犯行期間》
1987年8月6日~1995年12月21日



∽ 総評 ∽

復讐や強盗により数々の犯罪を行い、5人を殺害したヴァクリノス。

ヴァクリノスの犯行は些細な恨みを晴らしたり、自身の犯行の弊害となる相手を始末する等、身勝手でとても許されない。

元妻に対する復讐も (復讐というのもおかしいが) 本人にではなく、元妻の家族のコテージに火を放つという関係ない相手に向ける非情さであった。

ヴァクリノスは上述したとおり恨みや弊害となる相手を殺害するという普通の殺人鬼に比べてより危険性が高い犯行であり、生かしておいても百害あって一利もない鬼畜といえる。

警察はヴァクリノスがこれ程異常になったのは幼少期が関係していると考えた。

愛情の欠落や身長が低い等が犯行に駆り立てたと考えられたが、そんな人間は世の中に巨万とおり、とても許される事ではない。

ただ、多くのスーパーマーケットに強盗に入ったり、何人も発砲したり、警官にすら発砲するという数々の目立った犯行を繰り返していたにも関わらず、なかなか逮捕されなかった。

ギリシャ警察の無能さをまざまざと見せつけられた犯行といえる。

とにかくギリシャは死刑を廃止しているので、自殺してくれて本当に良かったと思う。