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デレン・ミラード (カナダ)
【1985 ~     】



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マーク・スミッチ (カナダ)
【1987 ~     】



デレン・ミラードは、1985年8月30日、ウェインとマドレーヌ (旧姓バーンズ) のミラード夫妻の唯一の子として生まれた。

ウェインはパイロットとして働いており、ウェインの勤める航空会社はウェインの父カールによって創設された。

マドレーヌはその航空会社で乗務員として働いており、ミラードはトロントで育った。

そんな家庭は大変裕福で、家族はエトビコに120万ドル (約1億3000万円) 相当の家を持ち、 50万ドル (約5000万円) のマンションを含むいくつかのマンションを所有し、200万ドル (約2億2000万円) の住宅用賃貸物件、100エーカーの農場にトロントにいくつかの不動産を所有していた。


また、2013年5月にはトロントで62万7000ドル (約6300万円) のコンドミニアムを購入した。


マーク・スミッチは、1987年8月13日、中流家庭の家に生まれた。

スミッチは成長するにつれ常習的な犯罪者となっていき、薬物所持や無免許運転、迷惑行為等様々な犯罪を行った。

スミッチは生活する為に薬やタバコを売り、時折ミラードの元で怪しい仕事を行った。


ミラードとスミッチは2006年頃に出会った。

友人によると、スミッチが一方的にミラードを崇拝していたが、ミラードはスミッチを嫌っていたという。


2011年、ミラードとスミッチの仲が急速に深まり、2012年にはスミッチとそのガールフレンド、マリーナ・メネセスがミラードの家の地下室に住む事になった。

そして、ミラードとスミッチは夜な夜な芝刈機や建設機械等を盗みに出掛けた。

ミラードはそれを「ミッション」と呼んでいた。

ミラードからすればそれらを購入するお金は十分持っていたので、窃盗はスリルの為だけに行った。


2012年、ローラ・バブコック (24歳♀) はミラードと出会う。

バブコックは薬物依存で精神に問題を抱えていたが、ミラードに夢中になる。


同年7月3日、バブコックは家出し、ミラードが地下鉄でバブコックを拾って自宅に連れ帰った。

その後、バブコックを殺害し、ワーテルロー国際空港のミラードの格納庫に遺体を運び、焼却炉 (ミラードはこの焼却炉を「エリミネーター」と呼んでいた) で遺体を焼却した。


2013年5月6日、オンタリオ州ハミルトンに住むティム・ボースマ (32歳♂) は、ピックアップトラックに試乗したいとミラードに電話した。

ミラードとスミッチはボースマと合流し、その後、ボースマは行方不明となる。

ボースマは妻にすぐに戻ると言っていたが、戻って来なかった為、数時間後に警察に通報した。


ハミルトン警察は捜査を始め、同年5月9日、オンタリオ州ブラントフォード西側にある工業地域でボースマの携帯電話を見つけた。

警察はボースマの携帯電話の通話記録から、他にも2人が同じ携帯電話先に連絡している事が判明した。

その2人は時間に到着しなかった為、問題はなかったが、ボースマが行方不明になった前日にピックアップトラックにテストドライブした男性が、ミラードの手首に「ambition (野心) 」と刻まれたタトゥーを目にする。


同年5月10日、警察に通報が入り、ミラードの手首に同じタトゥーがあるという情報がトロントの男性から入り、翌日の11日、ミラードは逮捕された。


同年5月22日、スミッチも逮捕された。

裁判が行われると、ボースマは試乗中に撃たれて殺害されたのだが、その時、スミッチはミラードとボースマが乗るトラックの後方から車でついて来ており、射撃には直接参加していない事がわかった。


2016年6月17日、ミラードとスミッチはボースマ殺害で有罪判決が下され、最低25年は仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡された。


2017年12月、ミラードとスミッチはバブコック殺害でも有罪判決が下され、2018年2月26日、最低50年は仮釈放の可能性がない終身刑が追加された。

だが、ミラードとスミッチによる犯行はボースマとバブコックだけではなかった。

2012年12月29日、ミラードの父親ウェインが左目を撃たれて死亡していたのだが、当時、警察は自殺と判断し、処理していた。

しかし、実はミラードとウェインは家族経営について意見の不一致があった事が判明し、警察が追及した所、ウェイン殺害を認めた。


同年6月、裁判が行われるがミラードは何も証言しなかった。

弁護士は一貫してウェインの死は自殺だったと主張した。

だが、ミラードが凶器を購入し、携帯電話で父親が家に滞在している事を確認している事がわかった。


同年9月24日、ミラードにはウェイン殺害で有罪判決が下された。

裁判官は
「眠っている父親の左目を撃って満足している彼に、私は無実と一致する理論を見つける事は出来ない」
と述べた。



《殺人数》
3人

《犯行期間》
2012年7月3日~2013年5月6日



∽ 総評 ∽

実の父親を含む3人を殺害したミラードとスミッチ。

実の父親は意見の不一致で殺害したが、他の2人はまるで暇潰しかのように殺害する非情振りであった。

おそらく、父親もミラードの普段の放蕩振りに嫌気がさしており、もしかしたらこれ以上援助しない等と言ったのかもしれない。

ミラードの家は多くの不動産を抱える超がつく程の大金持ちであった。

貧困で犯行に及んだり、虐待されて犯行に及んだりと悲惨な家庭環境で育った人間が犯罪に走るのは理解出来るが、何不自由なく育った人間が犯行に及ぶというのは普通は理解出来ない。

ただ、『ウクライナ21』の3人もそうだが、裕福な家庭に生まれてきた人間による犯罪というのも意外に多い。

2014年に起きた『佐世保女子高生殺害事件』の加害者少女も、父親が有名な弁護士で家庭はかなり裕福であった。

何でも言う事は聞いてもらい、言えば何でも手に入るという生活を送れば、我が儘で自制心の効かない性格になってもおかしくない。

また、何でも手に入る為にちょっとした事での喜びや感動がなくなり、更に過激に刺激を求めたくなる。

刺激のない毎日に嫌気がさし、退屈しのぎや新たな刺激を追及する事でそれが犯罪に繋がるのかもしれないが、とても許されない事である。