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キャリー・ムーア (アメリカ)
【1957 ~ 2018】



1979年8月22日、アメリカ・ネブラスカ州オマハで、キャリー・ディーン・ムーアは、タクシー運転手のロウエル・ユージン・ヴァン・ネス (47歳♂) を射殺する。


同年8月27日、同じくオマハでタクシー運転手メイナード・ヘルジランド (47歳♂) を拉致して殺害する。

殺害動機は強盗であったが、ムーアは相手を慎重に選んだ。

まず、タクシーを呼びつけ隠れて運転手を確認し、運転手が若ければ犯行に及ばなかった。

より簡単に犯行に及ぶ為に自身より年上の相手を標的とした。


逮捕されたムーアは、1980年に死刑を言い渡された。

死刑判決を言い渡されたムーアだったが、ネブラスカ州は元々死刑に消極的な州であった。

1976年にアメリカで死刑が復活して以降、1997年に執行されたのを最後にしばらく執行されておらず、また、2015年までわずか3人しか執行されていなかった。

これを受け、2015年、ネブラスカ州は死刑を一旦廃止する。

だが、州民が死刑廃止に異を唱え、実に60%以上の州民が死刑を支持した為、わずか1年で撤回し、2016年に死刑が復活した


2018年8月14日、ムーアの死刑が執行された。

ムーアの執行は全米初となるオピオイドによる執行であった。

元々ムーアは電気椅子による執行を選択していたが、抗けいれん薬ジアゼパム、神経遮断薬シサトラクリウム、心臓を止める塩化カリウムにオピオイドを混ぜて投与する方法であった。

しかし、執行前、使用する内の2つの薬を製造しているドイツの会社がネブラスカ州を訴えた。

そして、死刑執行を停止する命令を求めた。

訴えた理由はEU法ではドイツ企業が死刑に使用する薬品を供給する事を禁じていたからだった。

ムーアは薬剤の投与から23分後に死亡した。

死刑が執行された時、ムーアは約40年刑務所で過ごしたが、これは死刑が執行されるまで刑務所にいた期間が最長の死刑囚の1人とされた。

また、1976年に死刑が復活して以来、ネブラスカ州としては4人目であり、1997年以来、21年振りであった。

また、ネブラスカ州で死刑が復活して最初の執行者であり、そういった意味では歴史に名を刻んだ。



《殺人数》
2人

《犯行期間》
1979年8月22日、同年8月27日



∽ 総評 ∽

2人のタクシー運転手を殺害したムーア。

ムーアはネブラスカ州で死刑が復活して初めて執行された人物となったが、なんだかんだ復活以降、2年は執行されなかった事になる (ちなみにネブラスカ州は、現在12人の死刑囚がいる) 。

ネブラスカ州は2015年に一旦死刑が廃止されたが、州民の60%以上が死刑廃止に反対した事でわずか1年で復活した。

それ程これは素晴らしいとしか言い様がない。

通常、死刑が廃止されるとほぼ復活する事はないし、仮に復活するとしても何十年もかかったりするものだ。

それが、州民が反対した事で1年で復活するというこれぞ民主主義といえる判断だといえる。

世界の風潮とは異なり、国民というのは死刑を望んでいるのだ。

もし、ムーアが一旦死刑が廃止され「やった!これで死刑されない」と思っていたとしたらかなりの絶望感だったであろう。

そう考えると、犠牲者や遺族も少しは報われると思う。