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犯人A (韓国)
【1999 ~     】



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犯人B (韓国)
【1997 ~     】



2017年3月29日、韓国・仁川広域市延寿区に住む小学2年の少女 (8歳) が失踪する。

少女は午前中に授業が終わり、12時過ぎには帰宅する予定であった。

だが、下校時間が過ぎても少女は帰宅しなかった。

その事に心配した少女の母親が、自宅近くを探し始めるが、自宅近くの公園で少女の鞄を見つけるのが精一杯であった。
 
人見知りの少女が見知らぬ人について行くとは考え難く、誘拐の可能性が高いと思われた。

母親は警察に通報し、警察や近隣住民たちによる大規模な捜索が始まった。

その後、監視カメラの映像や聞き込みにより少女の足取りが明らかとなる。

少女は同級生によると12時過ぎに自宅に向かい、途中、公園で中年の女性から携帯電話を借りようとしてそのまま行方不明となった事がわかった。

目撃した同級生によると、少女とその女性は面識があるように見えたという。

周辺に設置された監視カメラの映像では、少女は黒いキャリーバックを引いた中年女性に連れられ、自宅近くのマンションのエレベーターに乗り、13階で降りた所まで判明する。

早速警察はマンションの捜索を行い、マンション屋上の水道タンク室の上からビニールに包まれた少女の遺体が発見された。

遺体は切断されており無惨な状態であった。

警察はマンションの住人で中年の女性が犯人だと考え、捜査を進める。

特に確認された13階を中心に捜査を進めた。

すると、15階の一室から少女の所持品が発見され、その日 (3月31日) の内に犯人は逮捕された。

だが、犯人は中年女性ではなく、17歳の少女であった (以下「犯人A」と称す) 。

事件が明るみになると、付近住民に大きな衝撃を与えた。

犯人Aは事件当日、サングラスを着用し、母親の服を着て旅行用のキャリーバックを引いて出掛けた。

これは目撃者が感じたように中年の女性に見せる為だった。

犯人Aは公園で下校途中の小学生を待ち伏せし、携帯電話を貸して欲しいと頼んできた少女を自宅に連れ込んだ。

犯人Aは自室で少女を殺害後、浴室で遺体を解体した。

部屋には他に同居している家族がいたが、殺人や解体について全く気づかなかった。

ただ、動機についてはわからなかった。


すると、同年4月13日、事件は急展開を迎える。

犯人Aの単独犯行だと思われていた事件は、共犯者 (以下「犯人B」と称す) がいた事が判明した。

その犯人Bというのは19歳の女性であった。

犯人Aと犯人Bは犯行の2ヶ月前、SNSを通じて知り合った。

その後は頻繁に連絡を取り合う仲になった。

犯人Aは少女殺害後、出掛けたのだが、これは犯人Bに会いに行く為だった。

しかも、切断した遺体の一部を包装紙に包み、犯人Bと会うとそれを渡した。

ただ、犯人Bは、

「受け取った物が遺体の一部だとは思わなかった。中身を見て驚き捨てた」

と供述した。

だが、犯人Aによると、犯行の最中に様子について犯人Bに逐一報告しており、遺体の事は知っているはずだと供述した。

犯人Aは高校進学後、不登校気味になり結局中退し、フリースクールに通うがわずか6ヶ月でやめてしまう。

その後、引きこもりとなった犯人Aは「自作キャラクター (略称、ジャケ) 」というインターネットコミュニティ (参加者が定められた世界観に合わせてストーリーを進行させていき、登場人物になりきるというもの) に没頭する。

犯人Aはそこで「Gore (ゴア、流血) 」というジャンルに特に没頭する。

この「Gore」は傷害や殺人など過激であり、未成年は参加出来なかった。

だが、犯人Aは年齢を偽り「Gore」に参加していた。

犯人Bもこの「Gore」に参加しており、ここで2人は知り合ったのだった。


裁判が始まるが、はっきりとした動機は明らかにならなかった。

それは犯人Aの供述がころころと変わったのと、審理が犯人Bの事件への関与の度合いについてに集中したからだった。

犯人Bは関与を否定した。


同年9月22日、仁川地方裁判所は、犯人Aに懲役20年、犯人Bに無期懲役が言い渡された。

実行犯の犯人Aより犯人Bの方が罪が重いのは、18歳未満に対して無期懲役が言い渡せないからだった。


最後に殺害動機を聞かれた際の犯人Aの発言で終わりたいと思います。

「思い出せない」



《殺人数》
1人

《犯行期間》
2017年3月29日



∽ 総評 ∽

8歳の少女を殺害し、解体してその一部を持ち出した事件。

主犯の少女は学校生活から逃げ出し、過激な描写のコミュニティにはまり、実際に犯行に及んだ。

ただ、こういった異常者にはよくあるありがちなパターンともいえる。

共犯者の女性は犯行を否認したが、いくらなんでも何も知らないというのは無理があるだろう。

納得いかないのは実行犯の少女は懲役20年で、共犯者の女性が無期懲役という所だ。

理由は18歳未満だからだが、17歳の実行犯が懲役20年で、19歳の遺体の一部を受け取っただけの方が無期懲役という判決に納得いく人がいるのだろうか。

主犯の少女はわざと中年の女性にみえるよう工作する周到さを見せており、その犯行の陰湿さはかなりのものといえる。

現在、韓国は死刑を事実上廃止状態なので、この程度の刑が限界なのだろうが、この年齢でのこの犯行内容なので、更生は不可能であり、死刑以外の選択肢はないと思う。