タマラ・アイヴァンユティーナ (ウクライナ)
【 1941 ~ 1987 】
タマラ・アントノブナ・アイヴァンユティーナ (旧姓マスレンコ) は、1941年、ウクライナ (当時はソ連) で生まれた。
アイヴァンユティーナは6人兄弟の大家族で、両親から人生を送る上で肉体的に強くならなければいけないと教えられて育った。
しかし、成長するにつれ傲慢で自己中心的な性格となっていき、化学の教師からは忍耐や規律の欠如が顕著であると指摘された。
1987年3月17日から18日にかけてウクライナの首都キエフのとある学校で、数人の生徒と従業員11人が食中毒の症状を訴え入院となった。
その内、生徒のセルゲイ・パニブラット (♂) とアンドレイ・クズメンコ (♂) の2人が死亡し、残る9人が集中治療室で治療を受けた。
当初、医師はインフルエンザや腸の感染症を疑ったが、髪の毛が抜け始めた被害者が現れた為、それらの病気ではないと判断した。
警察は捜査チームを設立し、調査を始めると、被害者たちは前日に学校のカフェテリアで、昼食の際にカシャ (中央や東ヨーロッパで食べられるお粥) と肝臓を食べた後に気分が悪くなった事が判明した。
学校食堂の品質管理に問題が生じた場合の責任者はナタリア・クカレンコ (♀) という女性であった。
しかし、クカレンコはすでに心臓病で死んでいる事がわかり、捜査チームはクカレンコの死に疑問を抱き、遺体を調べる事にした。
すると、体内から大量のタリウムが検出された。
その後、警察は学校のダイニングルームで食器洗い係として働いていたアイヴァンユティーナを含む関係者全ての調査を行った。
すると、アイヴァンユティーナの家から何かが入った重い瓶が見つかり、調べると中身はクレリチ溶液 (強い毒性と腐食性がある溶液)
これを受けアイヴァンユティーナは逮捕され、同年3月16日に毒物を混入した事を認めた。
犯行動機について問われると、食堂で食事をした6年生の生徒が、テーブルを運ぶ事を拒否した為、罰を与える為に行ったと述べた。
だが、後にアイヴァンユティーナは捜査官の圧力によって言わされたとして証言を撤回した。
警察はアイヴァンユティーナは他にも余罪があると考え、調査を続けた。
すると、アイヴァンユティーナの人生が想像を絶するものだと判明する。
まず、1976年以降、アイヴァンユティーナの姉ニーナや両親と結託して、11年に及び犯行に及んでいた事が判明した。
アイヴァンユティーナは地質研究所で働いた知人からネズミを殺す為に必要だと話し、タリウムを手に入れていた。
知人は15年の間に少なくとも9回はタリウムを求められたと供述した。
アイヴァンユティーナの犯行は、まず、最初の夫を毒殺し、アパートを手に入れた事から始まった。
初めの夫殺害後、再婚するが、義理の両親を2日おきに殺害。
その後、再婚した夫に少しずつタリウムを混入し殺害した。
そして、夫やその両親の土地を手に入れた。
1986年9月から学校での食器洗いの仕事を始め、学校の経営者エカテリーナ・アーセンティエワナ・スチャラバン (♀) と化学教師を毒殺した。
また、アイヴァンユティーナはニーナと協力し、ニーナの夫を毒殺し、アパートを手に入れた。
更に、共同アパートの隣人と従兄弟を毒殺する。
アイヴァンユティーナは9件の殺人と20件の殺人未遂で起訴され、姉ニーナや両親も起訴された。
そして、アイヴァンユティーナには死刑が、ニーナには懲役15年、両親には懲役10年がそれぞれ言い渡された。
アイヴァンユティーナは「お金なら沢山ある」と調査官に対して賄賂を持ち掛けていた事が判明した。
1987年、銃殺による死刑が執行された。
《殺人数》
9人 (他負傷者多数)
《犯行期間》
1976年~1987年3月18日
∽ 総評 ∽
『The Kiev Poisoner (キエフの毒殺魔) 』と呼ばれ、少なくとも9人を毒殺したアイヴァンユティーナ。
毒殺というのは非力な女性による殺害方法としては、もっとも効果的で有効的な方法といえ、その為、利用する女性は多い。
アイヴァンユティーナの犯行は基本的に家を奪うといった強盗であったが、学校での犯行は戒めの為というものだった。
ただ、アイヴァンユティーナの犯行は姉や両親と一緒に行われている所もあり、家族ぐるみの犯行ともいえる。
毒殺で夫やその家族を毒殺する場合は、大抵が保険金目当ての犯行であり、アパートや家を奪う為というのは珍しい。
再婚も初めから土地を奪うのが目的で行われたといえ、また、姉の夫や隣人、従兄弟を毒殺するなど、こういった毒殺魔の中でもかなり非情なレベルと思われる。
また、アイヴァンユティーナは調査官を賄賂で釣ろうとする強かさであり、こんな女性は生かしておいても恐ろしいだけなので、さっさと処刑されて本当に良かったと思う。
コメント
コメント一覧 (10)
また、今年初めての複数での犯行の記事ですね。
処刑は当然で朝からすっきりしましたが、その他の共犯が逃げていることはいい気分になりませんでした。
戒めのために毒を入れたと言うのも警察が作ったうそでしょう。
強欲を満たすためもうそでそもそもそんなのどうでもいい快楽殺人と私は思います。
その他の共犯の罰の詳細がないことからこの女以外はわいろを警察にあげてもみ消させたのではと思います。
今回の記事のウクライナ警察も本当に腐っていますね。
先日の活動家暗殺事件の記事も被害者が厳罰を唱えていますが、腐った警察組織じゃわいろなどで結局厳罰にはできないでしょう。
デニス・テンさん襲撃事件の強盗3人の判決が出ましたね。
主犯のクダイベルゲノフとキヤソフは禁固20年、従犯の女性には禁固4年が言い渡されたようです。
強盗殺人で禁固20年は軽すぎますね。
カザフ司法の腐れ加減にはあんぐりしました。
掲載していただけたら幸いです。
昨年末にコンビやカップルによる犯行を1週間掲載したので、複数というのは今年初めてになりましたね。
ただ、姉や両親についてはそれほど触れないようにしました。
家族は懲役刑であったので今はもう死んでるか出て来て普通の生活を送っているでしょう。
強盗事件ですね。
今度調べてみます。
恐らくは忍耐や規律の欠如と云うのも両親からの凶悪鬼畜的な英才教育の賜物なのでしょう。
一族諸共、絶滅させた方が良い気がする位にイカれた一族です!
毒殺して奪ったクセに自らの資産のように振る舞っていたらしく、外道中の外道一族ですね。
こんなクソムシを育てた両親が更に過去が気になります・・・・・・絶対に山程の未解決な余罪があるように思えます。
凶悪鬼畜女クソムシは死刑執行は非常に喜ばしいのですが、現在ではヨーロッパ全域でクソムシの為に別荘(刑務所)の建設ラッシュ!
税金も満足に納めてないクソムシ共の為に税金で別荘を建てて衣料品や食料品や医療を税金で賄うのが「完全なる民主主義国家の在り方」と豪語するEUって狂っているとしか私には思えません!!
人権と云う言葉を履き違えているとしか・・・!!
かなり異常な家族ですね。
確かに両親の過去が気になりますね。
おそらくまともな人生を送ってはいないでしょう。
別荘という表現はなかなか言い得て妙でふね。
EUが人権を履き違えているのは間違いないですね。
女1人だけが処刑されていますが、全員主犯でしょう。
わいろやなすり付けで女1人だけのせいになっているように思えてなりません。
当然の処刑なのですが、その他の一族が言い逃れできたのはとても悔しいし、現在は凶悪犯罪者の飼育施設がたくさんできているのは納得いきませんね。
償う気持ちも償う能力もまったくないのに、1億円も税金を払ってまで飼育する意義はあるのでしょうか?
本当に凶悪犯罪者に賠償をさせるなら、資産をすべて差し押さえ、地雷原の草刈りなどの強制労働を24時間365日死ぬまでさせるべきでしょう。
全員処刑でいいですね。
意義はないですね。
さっさと処分してしまえば1億円の税金を支払わずに済みます。
人生、生きているあいだに絶対に遭遇したくない
人の皮を被った悪魔共です!
絶対関わりたくないですね。
ただ、自分は大丈夫だと思っても家族や知人が接してしまい巻き添えをくう可能性はありますね。
え〜?ホント〜?人殺してんじゃないの〜?って疑わないのかな
そうですね。
1回2回ならばおかしくないのですが、それほどの回数になると普通疑ってもおかしくないですね。