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昆明虐殺事件 (中国)
【2014】



2014年3月1日午後9時20分頃、中国雲南省昆明市の昆明駅広場で、黒い服に身を包んだ8人の武装した男女が通行人らを襲撃した。

男たちは次々と目につく人々に切りかかり、現場は一面血の海となり、悲鳴が飛び交うまさに地獄絵図と化した。

警察が現場に到着すると催涙ガスを使用して鉄道駅から追い払い、道路の交差点で4人 (♂3人♀1人) を射殺し、1人 (♀) を捕獲した。

逮捕された女性は肩を負傷していた為、治療の為病院に運ばれた。

他犯人の3人は逃走した。

この事件による犠牲者は警察5人、警備員2人を含む31人で、他に141人が負傷し、その内、40人が重傷という大惨事であった。

また、現場には300mに渡り血が広がり、被害に遭った大半の人がチケットを購入したオフィスに集中していた。


翌日の2日午前、中国政府は北京連合医科大学病院、北京大学第三病院、北京天壇病院、中国西部病院等から医師を現場に派遣し、昆明市内12ヶ所の病院で負傷者の治療にあたらせた。

当局は
「現場に残された状況から、犯人は新疆ウイグル自治区独立を目指し、東トルキスタン統一を目的とするテログループの犯行である」
と断定した。

犯人グループは月と星のロゴが印刷された服を着ていた (東トルキスタンの旗が青地に月と星が描かれている) 。


更に翌日の3日、逃亡していた残り3人が逮捕された。


同年9月12日、裁判が行われ、3人に死刑が、1人には無期懲役が言い渡された。

無期懲役が言い渡されたのは女性であったが、妊娠していたからだった。


2015年3月24日、3人の死刑が執行された。



《殺人数》
31人 (他負傷者141人)

《犯行期間》
2014年3月1日



∽ 総評 ∽

独立を掲げ駅で無差別に切りかかったテログループ。

通常、こういった事件は日本では通り魔事件と言われるが、この事件はテロによる犯行であった。

しかも、8人で切りかかった為、被害も甚大なものとなってしまった。

今回は中国に支配された地域が、独立を掲げた身勝手なテロ行為であった。

戦後の中国の強引な侵略戦争により統治された地域は多く、新疆ウイグル自治区やチベット、内モンゴル自治区など現在でも問題となっている。

独立したいと願う事は悪い事ではなく、特に中国のように元々独立していた地域なのに無理やり占領されてしまえば余計にそう考えて当然といえる。

だが、今回の場合は独立の為という名目におけるただの虐殺に過ぎない。

他のテロもそうだが、全く関係ない人間を標的にしている時点で、ただの殺人に過ぎず、何の大義名分も存在しない。

そもそもこんな事をやったくらいで中国政府が「わかった独立を認めよう」となるわけがなく、考え方の浅はかさと短慮さは救いようがないといえる。