ジョン・バーグ (アメリカ)
【1947 ~ 】
ジョン・バーグは、1947年12月20日、アメリカ・イリノイ州シカゴで生まれた。
父をフロイド、母をエセルといい、バーグは夫妻の2番目の子供で長男であった。
フロイドは北欧のノルウェー出身で、服飾の職人であり、エセルは作家であった。
バーグはボーエン高校に通い、そこでジュニア予備役将校訓練課程 (通称、JROTC) に参加した。
そこで、軍事訓練やリーダーシップについて学び、また、軍事の歴史についても勉強した。
バーグはミズーリ大学に入学するが、すぐに脱落し、1966年、シカゴに戻りスーパーマーケットチェーンで働いた。
同年6月、バーグは軍の予備軍として入隊し、以降、4年間は予備役として、2年間は現役の軍人として過ごした。
バーグはジョージア州の軍事警察学校で8週間過ごしたが、フォートヘニングで訓練を受け、この時、尋問の技術を学んだ。
1968年6月18日、バーグはベトナム戦争に歩兵部隊として従軍し、キャンプ基地の警備員として任務に就いた。
この時、バーグはベトナムの捕虜に尋問を行ったが、拷問や残虐行為を行った (後に本人は否定している) 。
バーグは軍人として数々の賞を授与した。
1969年8月25日、バーグは軍を名誉除隊した。
1970年3月、バーグはシカゴに戻り、警察官になった。
1972年5月、バーグは強盗の多い地域を担当した。
1982年2月、シカゴ南部で警察官が襲われる事件が相次ぎ、クック郡の保安官2名が銃撃され負傷する。
同年2月5日、新人の警察官が射殺され、同年2月9日には2人の警察官が射殺されるが、1人はバーグのパートナーであった。
パートナーが殺害された地域はバーグの管轄区域であり、バーグはパートナーが殺害された事と、自身の管轄で発生した事件であった為、犯人逮捕に躍起になる。
同年2月14日、連続警察官死傷事件の犯人として逮捕したのは、アンドリューとジャッキーのウィルソン兄弟であった。
逮捕の理由は警官殺害の日にウィルソン兄弟が強盗を行っていたからであり、殺人に関しては兄弟による犯行だと裏付ける確実な証拠は一切なかった。
兄弟は強盗自体は認めたものの、警官殺しなどしていないと主張する。
しかし、ウィルソン兄弟を犯人だと決めつけていたバーグは、犯行を否認する2人に対し自白させる為に執拗な拷問を行う。
この拷問により、顔や胸、太股に熱傷と頭部を含む体の至る所に裂傷を負った (後にバーグは電話のワイヤーを露出させた手作り通電機器で拷問を行っていた事がわかった) 。
あまりの激しさに兄弟は病院に運ばれたが、アンドリューを診察した医師はその様子をメモに書いて送り、これを受けクック郡の検事が警察による虐待行為があったか調査するよう促すが、調査が実際に行われる事はなかった。
1986年、バーグは爆弾を処理するチームの指揮官を任せられるようになる。
20年警察官として働いたバーグは、法務省から13もの表彰を受けた。
1991年、内部調査の結果、バーグの拷問が明らかとなり、1993年に警察官を解雇される。
解雇された後、バーグは1972年から1991年までの間、容疑者に対して数々の拷問を行っていた事が判明する。
その数は少なくとも200人以上に及んだ。
2002年、4年間の審査の末、バーグに対して起訴可能ないくつかの証拠が提示された。
バーグの不正は明らかであったが、法律上それらの罪に対する起訴が失効していた為、バーグが訴えられる事はなかった。
ただ、数人の受刑者の判決が覆り、2003年には4人の死刑囚が赦免された。
また、167人の死刑囚が、減刑となり懲役刑となった。
受刑者らは民事訴訟を起こし、2007年12月、1980万ドル (約22億円) で和解となった。
2010年6月28日、バーグは全ての犯罪で有罪判決を受け、2011年1月21日、連邦裁判所により懲役4年6ヶ月を言い渡された。
2014年10月、バーグは刑期を終え解放されている。
《拷問被害》
200人以上
《拷問期間》
1972年~1991年
∽ 総評 ∽
警察官として犯罪を自白させる為に容疑者に拷問を繰り返したバーグ。
バーグは尋問と称し、数々の拷問を犯人と思われる容疑者に行ってきた。
無罪の人間に拷問を行い無理やり自白を強要するのはもっての他で当然あってはならない。
ただ、個人的には犯罪者に対してある程度の拷問は仕方ないと思う。
尋問の際に弁護士を呼ぶまで何も話さないとか黙秘を貫いたり人権を主張して偉そうな態度の犯人を見て手も出したくなるのが心情である。
被害者や遺族であればそれくらいやってくれて当然と思っても不思議ではない。
一見、拷問を行われて可哀想な被害者のように思われるが、全くやっていない冤罪以外の犯罪者は犯罪を行ったのは間違いない。
実際、ウィルソン兄弟も強盗を行っており、その事実にかわりはない。
そもそも強盗を働いたのなら死刑は当然であり、拷問の事実で減刑となるのは話が違うと思う。
まあ人権派からすれば私の意見はとても容認出来ないと思いますが、被害者や遺族からすればバーグの拷問は自分達の代わりに復讐してくれたと思っているのかもしれない。
コメント
コメント一覧 (10)
凶悪犯罪者が人権を奪われ拷問される。
そこまではいい気分でしたが、人権侵害とほざいたその他の凶悪犯罪者のせいで悪者になっているのは辛かったです。
昨日も今日も本当に犯罪者の人権が重視されている記事だったので本当に悲しくなりました。
何億人と犠牲になったら犯罪者に人権はないことが分かるのでしょうか?
そうですね。
やはり世間的には悪者になってしまうでしょう。
ヨーロッパのような凶悪犯の人権を守る事が文明の進化ならば、そんな文明進化しないほうがいいですね。
馬鹿げた事に凶悪犯罪者を憎んで自らが犯罪者となってしまった愚かで憐れな男と云う、少し悲しくなる記事でした。
現在アメリカでは220万人~230万人が服役しているそうですが、その内9%が終身刑なのだそうで約20万人!
それがあと平均40年生きるとすると、どれだけ膨大な予算が必要なのでしょうか!?
凶悪犯罪者を終身刑にするとは国家破綻を狙った国家転覆罪に匹敵する悪行だと思えてきました。
自称・凶悪犯罪者の人権擁護団体は言う!
「(凶悪犯罪者の)人命は何物にも換え難い尊いもの・・・」
私は思います「だったら、テメエの金でやりやがれ!!」
そうですね。
正義という名のもと何をしてもいいという考え方なのかもしれません。
完全な冤罪はもっての他ですが、凶悪犯に対して強引な尋問はある程度仕方のない事だと私は思います。
終身刑の囚人が20万人ですか。
仰る通りその囚人たちの一生を面倒見る費用というのは莫大過ぎて想像出来ないですね。
国民全員が豊かなら話しもわかりますが、汗水流して少ない給料で生活している一般市民に対する侮辱と言えますね。
別に偽善的と言われそうな理由からばかりではなく、冤罪の温床になる可能性が高い・後々の司法での裁きに影響が出る事などの理由があります。
冤罪事件などは強引な取調べがあると、かえって事実が判らなくなり時間が経って真犯人が不明のまま未解決になる事も多いですし。
松本サリン事件など、警察が「被疑者が所持していた薬品ではサリンは作れない」という基本的・科学的な事実を確認していれば、もっと早く真の犯人探しが出来たでしょう。
取調べの厳格な適法化と可視化は、捜査側がつまらない批判を受けるのを避けるためにも必要だと思います。
また人間は環境や役割で容易に立場や態度・心情が変わるものなのは、有名なスタンフォード監獄実験でも明らかです。
ただし日本の刑期が軽い・被害者に無関係な情状酌量や何でも心神喪失・違法薬物使用時にまで責任能力なしなどがおかしいというのはもちろん、北欧などの優雅な刑務所はどうかしてるんじゃないかとも思います。
「子供が生まれるから情状酌量」って犯罪事実と関係無いだろう、生まれる子供のケアは親の犯罪とはまったく別の問題じゃないかとか。
冤罪の可能性がある場合はもちろんダメです。
私も尋問で拷問はありだとは思いません。
本当に犯人であり、人権を主張するような凶悪犯には手を出したくなる気持ちがわかるなというだけです。
この警官は、ヒーロー気取りの拷問マニアだと思います。
警官としての才能には恵まれていたのかも知れませんが。
軍人を目指したのも、合法的に人を殺せるからでしょう。
悪事の発覚によって、無実の死刑囚4人が釈放されましたが、
遥かに多くの殺人の死刑囚が減刑されています。
しかも堂々と賠償金を受け取っています。
これは、警察の大敗北と言ってもいいでしょう。
僕も、人権を盾に何をしても許されると考えている犯罪者には
虫唾が走りますし、確かに横っ面を一発殴りたくはなります。
その可能性もありますね。
自分は悪人に対して厳しくしているという事で快楽を感じていたのかもしれません。
大敗北も大敗北ですね。
あくまでも個人的な考えであり、大抵の方や世論ではとても容認出来ないでしょう。
ただ、そういう気持ちにならなくはないと誰でも思います。
でも、私は悪人と言い切ることはできないと思います。
ウソつきで卑怯で恥知らずな凶悪犯罪者に被害者が味わった苦しみを味わわせることができたのですから。
この記事も警察や司法のみっともなさ、情けなさが鮮明ですね。
命はどれにも換え難い尊いものだと言いますが、それはまともに生活し、社会に危害を与えない人だけの特権だと思います。
(凶悪犯罪者の)命はどれにも換え難い尊いものであるとおっしゃる人もいるかもしれませんが、周囲や他人を危険にさらすことを喜び、自分に危険が迫った時には見苦しく命乞いをしたり平気で約束を破るような鬼畜の命が重いとは思えません。
犯罪者と犯罪者保護団体にはテメエらの罪をしっかり見つめてから人権侵害とほざけと言いたくなりました。
そういえば今日イランで銃乱射事件が発生して24人以上がなくなっています。
詳細が固まり次第掲載していただければ幸いです。
もちろんそうですね。
ただ、私も100%悪者とは思えないですね。
命は何事にもかえ難い尊いもので、その尊いものを奪った犯人は寛大な処遇となる。
どういう理屈なのか私には理解できません。
私は死刑反対や犯罪者の人権を主張していいのは被害者と遺族だけだと思います。
実際被害に遭った人やその家族が「死刑は反対」とか「死刑は残酷」というのなら何も言いません。
イランで乱射事件も珍しいですね。
今度調べてみます。