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ノーシーボ効果 (オランダ)
【1920】



1920年、政治犯として捕らえられ、死刑判決を受けたブアメードの死刑が執行される事となった。

しかし、ブアメードは医師から
「医学の進歩の為に実験に協力してくれ。もし、生還出来たなら釈放を約束しよう」
と提案を持ち掛けられる。

どちらにせよ死刑が執行される身だったブアメードにとって願ってもない話であり、すぐに了承した。

その実験内容というのは
「目隠しして座らされ、手足を固定された状態で手首と足首を切り、体重の10%の血液を流しても死なないか」
というものであった (通常は約8%で死に至るとされている) 。

しかし、これは表向きの話であり、実際は釈放するつもりなどなく、別の実験の材料として利用するのだった。

それは「ノーシーボ効果 (特に偽薬によって望まない副作用が現れること) 」といい、人間というのは思い込みによるストレスで死ぬ事が出来るのかという実験であった。

実験方法はブアメードを目隠した状態で、手首と足首をメスで切った振りをし、血が出ているように感じさせる為に切った振りをした場所にホースから少量の水をかけ続ける。

足下には桶が用意され、ブアメードは自身の血だと勘違いしている水が肌を伝う感覚、そして、桶に落ちる水滴の音を感じ続けさせられるというものだった。

実験を始める際は、目隠しした状態のブアメードのすぐ傍で医師達が実験について話しをした。

そして、切った振りをして血の代わりに水を流し、ポタポタと落ちる水滴をブアメードは聞いた。

途中途中で医師達は時間の経過と出血した血の量を報告した。

ブアメードの情報は耳のみであり、時々喋る医師達の会話、滴る水の音、手や足に伝わる水の感覚だけを感じる事が出来た。

すると、ブアメードは次第に顔色が悪くなり、息づかいも荒くなっていく。

そして、出血量の増加と共に顔が真っ青になり、最後に医師が
「出血が致死量を超えました」
と言うと、ブアメードはその場で絶命した。

ただし、この実験は都市伝説ともいわれており、実際、いくら極度のストレス状態に陥っても死ぬ事はあり得ないともいわれている。



《実験犠牲者数》
1人

《実験期間》
1920年



∽ 総評 ∽

実際は血が出ていないにも関わらず、ストレスや精神状態で絶命に追い込んだ「ノーシーボ効果」。

ノーシーボとは逆のプラシーボというのがあるが、これは本来人体に何の影響も効果もない薬を「これを飲めば治る」と言って飲ませ、信じる事によって何らかの効果を与える方法である。

確かに人間は精神状態が人体に影響を及ぼす事は多々あり、妊娠していない女性が妊娠していると思い込んだ結果、生理が止まったり実際に妊娠している時の症状が出る事がある。

その為、プラシーボ効果のように本来は何の効果もない飲み物を体に効くと言われ飲む事で、症状が改善されるという事があっても不思議ではない。

この実験の重要な所は、相手に目隠しをして情報だけを与え、触覚と聴覚のみにたよらざるを得ない所だ。

人間は感覚の中でも視覚が最も重要で、それを失うというのはそれだけでもかなりの恐怖心である。

目に見えなければ切った振りも実際に切られたと思うし、流れる水も血だと思うだろう。

そして、途中途中で何リットルに到達したと言われ、肌を水が伝う感覚、ポタポタと聞こえる音、これらの状態が続いてまともな精神状態でいられる方が不思議である。

ただ、個人的にも実際血が流れていないにも関わらず本当に死ぬまでに至るのかと思う。

確かにまともな精神状態ではいられず、発狂したり精神的におかしくなる事はあるかもしれないが、それで死ぬのかというと疑問が残る。

私は医者のような専門家でもなんでもないのでわからないが、もしかしたら極度の緊張感により心臓発作など併発するのかもしれない。