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ステファン・レター (ドイツ)
【1978 ~      】



ステファン・レターは、1978年9月17日、ドイツ・ヘルデッケで生まれた。


2003年1月、レターは高齢者を扱う病院に看護師として働き始める。

レターが2004年7月まで同病院で働く間に、80人以上の高齢者が不審な死を遂げる。

警察はレターが働いていた1年6ヶ月の間に亡くなった患者の遺体の内、40体以上を掘り起こし調べたが、他の38体はすでに火葬されている為、調べる事が出来なかった。

遺体を調べると、体内から大量の筋肉弛緩薬スキサメトニウムが検出される。

すると、病院からスキサメトニウムが大量に無くなった事を知り、その事でレターが容疑者として浮上した。

そして、警察がレターのアパートを調べると、大量のスキサメトニウムが入っていた小瓶を見つける。

これを受けレターは逮捕された。


2006年2月、レターは確実な29人の患者の殺害で起訴される。

犠牲者はほとんどが75歳以上で、40歳から94歳までであった。

また、2003年の秋頃から負傷して入院していた22歳の兵士 (♀) にも不適切な薬の注射を行っていた事がわかった。

兵士は一時、意識を失い昏睡状態であったが、後に回復した。

レターは一部殺人を認めたが、肝心の動機は病気に苦しむ患者を楽にさせて上げたいというものであった。

しかし、検察は患者の一部は安定した状態にあり、退院する予定であったと述べた。


同年11月20日、レターには終身刑が言い渡された。

レターによる犠牲者は確実な者で29人であるが、警察は同時期に不審な死を遂げた80人以上を殺害したとみている。

尚、この29人というのは確実に判明している数としては、第二次世界大戦以降、ドイツにおいて最悪の殺害数とされている。



《殺人数》
29人 (80人以上の可能性あり)

《犯行期間》
2003年1月~2004年7月



∽ 総評 ∽

最低でも29人、80人以上を殺害した可能性が高いレター。

レターは殺害動機が「苦しみからの解放」であり、これは「死の天使」の動機としてはよくあるものであった。

レターの29人という数字は、わかっている範囲では第二次世界大戦以降、ドイツでは最悪の数字と言われている。

ドイツでは近年、同じく「死の天使」としてニールス・ヘーゲルが、1999年から2005年の間に260人を殺害したと告白し、少なくとも84人は殺害したとされるが、これは確実な数ではない。

レターが何故このような犯行に及んだのか子供の頃の詳細がなくよくわからない。

ただ、これまで「死の天使」を何人も紹介してきているが、同様の理由で犯行に及ぶ者は非常に多い。

おそらく、人間の生死を握っているという考えの下、自分が神になったと錯覚でもしているのだろう。

病院というのは患者側は当然知識がなく、治療に関しては全て医師や看護師に委ねる為、こういった犯罪というのは余程冷酷だと思う。