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ラウル・マロキン (メキシコ)
【1980 ~     】



ラウル・オシエル・マロキン・レイエスは、1980年9月1日、メキシコ・タマウリパス州タンピコで生まれた。


マロキンは軍医として1年程働き、1999年1月12日、故郷の第15歩兵大隊に入隊し、後に軍曹に昇進した。

マロキンは民兵組織と医学を学びたいと考えていたが、財政的に諦めるしかなかった。


2004年5月、マロキンは軍を除隊し、故郷に戻った。

故郷に戻ったマロキンは強盗や暴力で逮捕され、14ヶ月間刑務所に収監された。

マロキンは同性愛者を忌み嫌っており、排除しようと考える。


2005年10月21日、マロキンはフアン・カルロス・アルファロ・アルバ (♂) をホテルへ誘う。

そして、ホテルの一室に1週間拉致し、身体的肉体的拷問を繰り返した。

最後は意識がなくなるまで首を絞めた (殺してはいない) 。


同年10月27日、マロキンはゲイバーでジョナサン・レッツォ・アヤラ (♂) と出会い家に誘った。

そして、拘束すると拷問を加え、同年11月12日に殺害する。

マロキンはアヤラの家族に5万メキシコペソ (約50万円) 身代金を要求するが、アヤラの家族は身代金を支払う事はなかった。


同年11月30日、マロキンはリカルド・ロペス・ヘルナンデス (♂) と出会い、家に招待する。

そして、再び家族に2万8000メキシコペソ (約30万円) の身代金を要求する。

9日後の12日9日、ヘルナンデスを拷問の末、殺害する。


同年12月13日、マロキンはホセ・リカルド・ガリンド・バルデス (♂) を拉致すると、家族に身代金を要求する。

しかし、バルデスの母親が払いたくても払えないとマロキンに話し、バルデスを助けてくれるよう懇願した。

マロキンはバルデスに

「もし口外すれば殺す」

と脅し、バルデスを解放した。


同年12月16日、マロキンはアーモンド・リバス・ロペス (♂) を身代金を奪った後、殺害する。


同じ日、マロキンはヴィクター・エンジェル・アイヴァン・グティエレス・バルデラス (♂) を誘拐する。

そして、8300メキシコペソ (約9万円) の身代金を受け取った後、6日後の22日に殺害する。


2006年1月23日、マロキンは逮捕された。

マロキンは同性愛者の男性をゲイバー等で誘惑すると、アパートやホテルの部屋に誘い、拘束して身代金を要求した。

しかも、数日間監禁し、最後は拷問を加えて首を絞めて絞殺か窒息死させた。

拉致した人間は身代金を手にしようがしなかろうが初めから殺すつもりであった。

マロキンにはフアン・エンリケ・マドリードという共犯者がいた (2013年に逮捕されている) 。


2010年2月6日、マロキンに懲役280年が言い渡された。

マロキンは自身の犯行について

「後悔していない」

と述べた。

研究者はマロキンの犯行は『キラー・クラウン』ことジョン・ゲイシーの犯行に類似点が多いと述べた。

警察はマロキンが同性愛者を嫌っていたが、マロキン自身も同性愛者だと考えていた。

警察は共犯者のマドリードとは恋人関係であったと述べたが、マロキンはそれを否定した。

マロキンは同性愛者は社会に必要ないと考え、しかも、同性愛者は簡単に誘惑でき、標的にし易いと述べた。


最後に同性愛者殺害について語ったマロキンの言葉で終わりたいと思います。

「私は社会の為に何か良い事をしたかった。犠牲者の1人はHIV感染者で、ウイルスの感染を防ぐ為に殺した」



《殺人数》
4人 (他被害者2人)

《犯行期間》
2005年10月21日~同年12月16日



∽ 総評 ∽

『un angel exterminador (皆殺しの天使) 』と自称し、4人の同性愛者を身代金を要求して殺害したマロキン。

マロキンは軍医として働き、その後、医者になりたいと願ったが金銭的な理由で断念せざるを得なかった。

この事がマロキンの精神状態を破綻させた可能性は高い。

確かに医者になるには多額のお金が必要であり、貧乏故に断念してしまう事は無念であったろう。

そのせいでお金に執着するようになったのかもしれないが、別に医者の道が人生の全てではない。

結局、マロキンの人間性がその程度であったという事である。

マロキンは同性愛者を嫌い誘惑して監禁、身代金を要求して殺害した。

しかも、身代金が手に入ろうが入らなかろうが鼻から殺すつもりだという非情振りであった。

ただ、マロキンは同性愛者を嫌い社会の為だと思い排除したと述べたが、それなら同性愛者を殺害するだけで身代金をわざわざ要求する必要はない。

結局、金銭に執着したただの鬼畜に過ぎない。