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クレオファス・コックジー (アメリカ)
【1982 ~     】



クレオファス・エマニュエル・コックジー・ジュニアは、1982年3月25日、アメリカ・アリゾナ州ツーソンで生まれた。


2001年、コックジーは共犯者3人と4人でバーを襲撃した。

すると、バーのマネージャーが反撃し、銃で共犯者の1人を撃ち射殺した。

その後、コックジーがマネージャーを殺害した。

裁判が行われると、コックジーは武装強盗と過失致死により有罪判決を受け刑務所に収監された。

マネージャーが共犯者の1人を殺害した後にコックジーが殺害した為、殺人が自衛と認められ、殺人罪ではなく過失致死となったのだった。


2017年7月、コックジーは釈放される。


同年11月27日、アリゾナ州フェニックスで、アルドリュー・レミラード (27歳♂) とパーカー・スミス (21歳♂) が車に乗っていた所を射殺される。

2人は深夜、駐車場にいた所を襲われた。


同年12月2日、フェニックスでサリム・リチャーズ (35歳♂) が撃たれる。

午後7時45分頃、警官が現場に到着した時、リチャーズはまだ息をしていた。

しかし、病院に搬送されて間もなく死亡した。


同年12月11日、イエス・ボニファシオ・レアル (25歳♂) が射殺される。


同年12月13日、グレンデールでラトーリー・ベックフォード (29歳♀) が殺害される。

ベックフォードは2回撃たれ、駐車場で発見された。


同年12月15日、グレンデールでクリストファー・キャメロン (21歳♂) が、畑で膝まずいた状態で発見される。

キャメロンは撃たれており、すぐに病院に運ばれたが、翌日に死亡した。


翌日の16日、フェニックスのサウス・サードアベニューで、マリア・ビリャヌエヴァ (43歳♀) が殺害される。

ビリャヌエヴァは前日の15日にアパートから拉致され、強姦され射殺された。


同年12月17日、フェニックスのイースト・ハイランドアベニューで、レネ (56歳♀) とエドワード・ナン (54歳♂) 夫妻が自宅で射殺される。

銃声を聞いた警官がすぐに駆けつけると、現場にいた犯人を逮捕する。

逮捕されたのはコックジーであり、実はレネはコックジーの実母で、エドワードは義父であった。

逮捕されたコックジーだったが、警察はこの3週間で発生した未解決の銃撃事件の犯人と考えていた。

そこで、DNA検査や現場のバクテリアの調査、盗難品等を調べると、少なくとも7人の殺害とコックジーが結び付いた。

リアル殺害については、コックジーの元ガールフレンドの兄弟であり、レネとエドワードは両親であった為、3人については怨恨ではないかとされた。

だが、他6人に関しては強盗や強姦目的ではないとされ不明であった (ビリャヌエヴァだけ強姦されている) 。


2018年3月1日、コックジーは8件の殺人、誘拐や強盗、等で起訴される。

だが、警察は他の未解決事件もコックジーによるものだと考え捜査を進めている。

余談だが、コックジーの祖父は黒人の市民権について戦ったロイ・コックジーであった。


最後にレアル殺害について聞かれたコックジーの発言について終りたいと思います。

「うん。ある事が起こった。ええ、覚えています」



《殺人数》
10人

《犯行期間》
2001年、2017年11月27日~同年12月17日



∽ 総評 ∽

両親や見知らぬ人など、わずか20日間程の間に9人を射殺したコックジー (他1人過失致死) 。

コックジーは典型的な犯罪者であるが、どのような幼少時代を送ってきたのか詳細がなくわからない。

また、コックジーの動機がよくわからない。

両親と元ガールフレンドの兄弟に関しては見知った人物なので、怨恨や金銭トラブルなどあったのかもしれないが、他の殺人がよくわからない。

金品を盗ったり強姦した例もあるのかもしれないが (1人は強姦されている) 、基本的にそれを目的として行われた節がない。

アメリカでは常時、30人前後のシリアルキラーが暗躍しているとされる。

その為、連続殺人というのは珍しい事ではないが、近年のシリアルキラーは少し変わってきている。

コックジーの殺害方法は射殺であったが、強盗殺人でもない限り、シリアルキラーの殺害方法で射殺というのは基本的に珍しい。

銃乱射事件が日常茶飯事のアメリカではあるが、そんなアメリカでもシリアルキラーたちは銃をほとんど使用しない。

しかし、近年、銃撃するアメリカのシリアルキラーが増えている。

『The Maryvale serial killer』と呼ばれ、2015年8月16日から2016年7月11日の間に9人殺害したアーロン・サウセド、2015年5月18日から同年7月5日の間に7人殺害したトッド・ウェスト、2017年7月8日から同年10月9日の間に3人を殺害したライアン・シャープ、2017年10月20日から同年10月27日の間に4人殺害したナサニエル・ペッドグレイブ、『Seminole Heights Killer』と呼ばれ、2017年10月9日から同年11月14日の間に4人を殺害したハウエル・ドナルドソン、2016年8月19日から2017年8月13日の間に白人ばかり6人殺害したフレデリック・スコット等、これまで掲載しただけでもこれだけいる。

殺害方法も現代の様々な変化同様変わってきているのだろうか。

コックジーは最初、武装強盗に押し入り、何故か過失致死となった為、15年程度で出て来てしまった。

自分達の意思で強盗に押し入っているにも関わらず、被害者に反撃されてその相手を殺害した事が自衛になり過失致死となるという理屈が全く理解出来ない。

そんな事が罷り通るなら、犯罪を犯して反撃され、抵抗したら全て自衛になってしまうという理不尽な理屈になってしまう。

自衛というのは被害者が犯罪者をやむを得ず殺害した場合の事を言い、犯罪者にはそもそも自衛なんてあり得ない。

その最初の殺人で殺人罪で死刑になっていたら、その後の被害は間違いなく防げた。

これまで同様の記事を何度も掲載してきたが、同じような事が何度も起こっているのに何故学ばないのかと疑問に思ってしまう。

コックジーの判決はまだ出ていないが、是非死刑判決が下されて欲しいものである。