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ドロシー・マタヒケ (アメリカ)
【1930 ~ ?】



1970年代、ドロシー・ジーン・マタヒケは、アメリカ・アイオワ州やネバダ州で看護師として働いていた。

マタヒケが看たのは高齢者であった。

しかし、マタヒケが看た患者の不審死が相次ぐ。


1973年9月5日、マタヒケは偽造の罪で逮捕され、懲役5年が言い渡された。 


しかし、1974年2月、マタヒケは脱獄し、1980年10月7日に再び逮捕された。


だが、1983年12月、マタヒケはわずか3年で仮釈放となり釈放された。

元々下された5年より早い釈放となった。

釈放されたマタヒケはアーカンソー州リトルロックに移動し、再び看護師として働き始めた。


1985年3月24日、マタヒケはポール・カルヴィン (72歳♂) とオパール・マリー (71歳♀) のキンゼイ夫妻の家に雇われる。

マタヒケは看護師兼家政婦として夫妻の面倒を看る事になり、夫妻に食事を提供したり、買い物に行ったりしていた。

しかし、マタヒケがキンゼイ夫妻の家に来てから、オパールの体調が悪化していく。

マタヒケは夫ポールにオパールが骨の病気にかかっていると話した。


同年4月5日、オパールは死去する。

オパールの死因は癌として処理された。

オパールの死後、ポールの健康は急速に悪化し始めた。


1986年9月9日、マタヒケはマリアン・ドイル (74歳♀) の世話をする事になった。

この時、すでにドイルは癌に冒されていた。


マタヒケがドイルの家に来てから9日後の18日、ドイルは死亡する。

警察はドイルの死を薬物の過剰摂取による自殺として処理した。

しかし、ドイルの遺産について遺言書を確認した警察は疑問を抱く。

遺言書にはわずか9日しか面倒を看ていなかったマタヒケに対し、いくつかの小切手を渡すよう書かれており、それは総額4000ドル (約100万円) に及んだ。

警察はドイルの遺体を再度調べる事にし、検視を行う。


同年10月8日、まだ検視の結果が出ていなかったが、警察はマタヒケを小切手の偽造やドイルの銀行口座強奪の罪等で逮捕した。


同年10月23日、ドイルの体内からヒ素が検出され、その量は死に至るに十分なものであった。

警察はマタヒケを尋問するが、マタヒケは犯行を否認する。

警察はオパールの遺体を調べる事にし、検視を行うと同じくヒ素が検出された。

また、警察がマタヒケの自宅を捜査した所、ヒ素の入った3つの瓶を発見する。


これを受け、同年11月24日、マタヒケはドイルとオパール殺害で起訴された。


また、この頃、ポールの体調は悪化し続けており、1987年2月20日、死亡した。

そして、マタヒケはポール殺害でも起訴された。


同年6月、マタヒケはポール殺害で有罪判決が下された。


同年8月、マタヒケはドイル殺害でも有罪判決となり、懲役60年が言い渡された。



《殺人数》
3人 (もっと殺害している可能性が高い)

《犯行期間》
1985年4月5日~1986年9月18日



∽ 総評 ∽

最低3人にヒ素を盛り、毒殺したマタヒケ。

マタヒケは金品を強奪するという女性殺人鬼の典型的な犯行であった。

マタヒケは偽造の罪で逮捕されたのが1973年であったが、この時、すでに40をこえていた。

それまでどのような人生を送ってきたのか詳細がなくわからないが、おそろく若い頃からお金に執着する女性だったと思われる。

ただ、マタヒケは看護師という立場を利用して高齢者の家に雇われる形で接近すると、遺言書を偽造し、殺害して遺産を強奪するという狡猾で陰惨な方法であった (ただしキンゼイ夫妻に関しては具体的にどのように金品を強奪しようとしたかは不明) 。

マタヒケは看護師であり、一見「死の天使」のように思えるが、実際は病院で殺害したわけではない。

ただ、1970年代に勤務していた病院の患者の不審死が相次ぎ、それらの犯行はマタヒケだとされており、そうであれば「死の天使」といえる。

ヒ素中毒は、症状がインフルエンザに似ており、一定期間少量のヒ素を与え続けると、一見自然死のように見えると言われている。

その為、年齢もあり当初は毒殺とはされなかったのだろう。

これまでマタヒケのような強欲な女性殺人鬼を何人も紹介してきた。

男性の場合、直接店舗を襲撃したり人を襲ったりするが、このマタヒケのように長期間かけて遺言書を改竄したりという事はほとんどなく、これは女性特有といえる。

女性シリアルキラー2つの特徴の1つ「サンテ・カイムズ型は冷淡で強欲、時間を掛けて相手を殺す」の典型といえるだろう。

マタヒケは刑務所に収監されてからの詳細がなく、現在、88歳になるので、もう死んでいる可能性も高い。

ただ、詳細がない事が怖く、もしかしたら出て来ているのではないかと思うと、恐ろしさを感じる。