_20180624_220354
ザカリー・バージェス (アメリカ)
【1993 ~     】



2013年9月21日早朝、アメリカ・ルイジアナ州バトンルージュで衝撃的な事件が起こる。

地元アーバン大学の学生でアクロス選手のザカリー・バージェスが、近くのバーへ向かった。

そこで、駐車場に停まっているピックアップトラックを見ると、丁度運転手が車から降りた。

トラックには他にモニーク・ジアルッソ (♀) が乗っていたのだが、バージェスは車に乗り込むと、ジアルッソを乗せたまま車を発進させた。

そして、バージェスは停まっている他の車に次々とピックアップトラックをぶつけて回った。

その台数は9台に及んだ。

車をぶつけている最中に、ジアルッソは車から飛び降り逃走した。

その後、バージェスは駐車場から数ヤードの所でピックアップトラックを放棄し、逃走しようとするが、事件を目撃した住民たちがバージェスを拘束した。

そして、警察が到着すると、そのままバージェスは逮捕された。

逮捕されたバージェスだったが、犯行動機を聞いた調査官はその理由に唖然とする。

バージェスはテレビゲーム「Grand Theft Auto Ⅴ (グランド・セフト・オート5、通称GTA5。事件の4日前に発売された) 」が非常に好きであり、それを現実世界でやってみたいと考え、犯行に及んだのだった。

バージェスは2012年にはラクロスの試合42試合に参加する程の選手であった。

バージェスは窃盗と誘拐等で起訴された。


翌日の22日、バージェスは保釈金8万ドル (約900万円) を支払い釈放された。

 
2015年11月24日、裁判でバージェスは有罪判決が下され、6ヶ月の執行猶予が言い渡された。



《殺人数》
0人

《犯行期間》
2013年9月21日



∽ 総評 ∽

ゲームに憧れそれを現実社会で実行に移したバージェス。

「グランド・セフト・オート」は、自身が犯罪者となって街中を駆け巡り、あらゆる犯罪を駆使するゲームで、人間を理由もなく容赦なく殺害する事が出来る。

バージェスは車を次々とぶつけて回ったが、これは実際ゲーム内でも同じ事が出来る。

「グランド・セフト・オート5」は、アクションの操作性、画質の綺麗さなど、特にシリーズの中でも傑作とされていた。

これまでゲームの影響で犯罪を起こしたり、世界各国で様々な犯罪が実際に起こっている。

特に「グランド・セフト・オート」はゲームの中でも残虐描写が際立ち、常に問題が唱えられ批判を受けていた。

また、残酷描写だけではなく、極度の性的描写も問題となっていた。

実際、このゲームの影響を受けた事件が数々起こっている。

ゲームをプレイした人ならわかるが、内容はかなり残酷でグロテスクであり、殺された人がいなかったのが唯一の救いだろう。

確かにゲームをプレイしてその影響を受けたのかもしれないが、ゲームをプレイした人間全員が同じ事をするわけではない。

ほとんどの人間が影響を受ける事はなく、結局ゲームが悪いのではなくプレイする人間の人間性が全てなのだ。

ただ、「バイオハザード」のような相手がゾンビや異形のクリーチャーであれば、たいした影響を受けないのだろうが、普通の人間を無惨に容赦なく殺していく「グランド・セフト・オート」は影響を受けてしまう人間が出てくるのは当然ともいえる。

私も昔、最初のシリーズをプレイした事があるが、無駄に残虐なだけで個人的にゲームとしては何も楽しくなかった。

バージェスはわずか6ヶ月の執行猶予という刑罰であった。

終身刑や死刑というのは重いように思えるが、それでもそれなりの刑罰にすべきである。