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テルフォード事件 (イギリス)
【1980年代~     】



2018年3月、イギリスのサンデー・ミラー紙が、
「イギリス史上最悪の未成年者虐待スキャンダル」
として、シュロップシャー州テルフォードで過去40年に及び1000人以上の少女が強姦、拷問、売春や薬物摂取を強要される被害が発生していたと発表した。

実はテルフォードは「grooming gang
(グルーミング・ギャング) 」と呼ばれる集団が暗躍しており、テルフォードは少女に対する強姦事件が多発していた。

このギャングは少女を積極的に拉致するとギャング内で輪姦し、麻薬漬けにして売春を強要した。

事件の被害者の1人、ルーシー・ロウ (16歳♀) は、14歳に時に拉致され、拷問と虐待を受けた。

ルーシーは犯人であるタクシードライバー、アズハ・アリ・メヒムードの子供を産んだ。

また、メヒムードはルーシーが警察に通報する事を恐れ、ルーシーの家に火を放ちルーシーの他に母親と姉妹の計4人を殺害した。

メヒムードはこの家族殺害の罪で逮捕されたが、ルーシーに対する強姦の罪では起訴されなかった。


ルーシー殺害から2年後、麻薬を打たれ9人の男から強姦された被害者の少女は、ルーシー殺害は外部に通報しようとする少女たちへの警告の為に行われたと述べた。


ベッキー・ワトソンは11歳 (被害者の中で最も若い年齢であった) の頃からギャングたちによって強姦され続け、売春も強要された。

ワトソンは13歳の時に不可解な車の事故で死亡したが、イギリス当局はこの事故を「いたずら」と処理し、事件性はないとした。

だが、ワトソンは細かく日記をつけており、それによるとワトソンが多くの男に強姦された事が記されていた。

ワトソンの母親はその日記を持って何度も警察に行ったが、相手にされる事はなかった。

この事について後に母親は
「警察は助ける所か娘を犯罪者のように扱った。もし、この事件を警察が適切に対応していればもっと多くの少女を救えたはずです」
と述べている。


ヴィッキー・ラウンドは14歳の時にギャングに拉致され、ワトソン同様ギャングに売春を強要された。

ラウンドはワトソンと友人であり、麻薬中毒にされ、ドラッグの過剰摂取により20歳の時に死亡した。

これらの事件でギャングのメンバーであったムバラク・アリと弟のアーデルが、インド料理店の上の部屋で少女たちに売春を強要させ、客からお金を受け取ったとして性的虐待と人身売買の罪で懲役26年の判決を言い渡された。

実は事件は「Mirror」紙の18ヶ月に及ぶ調査で明らかになり、しかも、まだ多くの加害者が逮捕されておらず事件も未解決だと発表した。

2007年から2009年の間には100人の少女を強姦したとしてアジア系の容疑者7人を逮捕し、2013年には有罪判決が下されていた。

だが、「Mirror」紙によると警察当局が前述したワトソンの件にある通り、故意に捜査を遅らせ、国営メディアのBBCも報道を避けていると報じた。

また、何人かの住民がギャングの行為について警察に報告しても、取り合わなかった。

ギャングはゲームセンターやファストフード店、公園等で少女に話しかけ親しくなり携帯電話の番号を聞き出した。

その後、少女の家まで高級車で迎えに行き、更に物を買い与えたり酒を飲ませ親密になっていった。

完全に心を開かせる頃合いを見計らい、少女たちを強姦し、薬漬けにして売春を強要した。

薬漬けにされた少女たちは抵抗出来ず、また、別の少女を強姦している所を見せて心理的に追い詰めた。

もし、逃げ出したり警察に通報した場合は家族を殺すと脅した。

ソーシャルワーカーは1990年代からギャングによる少女たちへの虐待や売春強要を知っており、警察に何度も働きかけたが、警察が動き出すのに10年もかかった。

評議会議員らもギャングの少女たちへの行為を知っていたが、少女たちを売春婦としか考えていなかった。


テルフォードの保守党議員ルーシー・アラン議員は2016年4月に公的調査を求めた。

しかし、テルフォードの警察と評議員は捜査は必要ないと内務省のアンバー・ラッド内相に書面を送った。

だが、ラッド議員は調査をするよう指示した。

実は当局が捜査を積極的に行わなかった理由には、ギャングがイスラム系パキスタン人であった為、人種差別やイスラム教嫌悪との抗議を恐れた為ともいわれた。

そして、問題が大きくなれば、人種差別を煽り、反移民を掲げる更に過激な組織が生まれてしまうのではと警察や議員が懸念した為ともいわれている。


現在、このテルフォード事件はイギリスの国家犯罪対策庁 (NCA) の管轄となり、捜査が続いている。


最後に被害者の少女の1人が語った言葉で終わりたいと思います。

「私は家族がルーシーのように殺される事を恐れました。私さえ死ねば家族の身は安全だと思ったのです (と思い自殺を試みている) 」



《被害者数》
1000人以上

《犯行期間》
1980年代~現在



∽ 総評 ∽

1000人以上の少女を拉致し強姦して薬漬けにし、売春を強要したギャングたち。

この事件は見逃され続けたという事が何より酷い。

しかも、何度も警察に通報されたにも関わらずである。

その理由が犯人たちがイスラム系であった為、その後の対応を恐れてというものであった (とされる) 。

確かに暴動やテロが起こる可能性もあるが、だからといって見逃していいという話ではない。

やった犯行は非情であり、逮捕してしっかりと裁くのは当然である。

正確な人数は不明であるが、少なくとも1000人以上の少女が被害に遭い、ルーシーのように家族も殺されるケースも多々あった。

EUは人権尊重を掲げ、何も考えずに移民を受け入れてきた。

テロもそうだが、今回の事件も愚かに受け入れてきた為の弊害だといえよう。

先日のオウム信者への死刑執行に抗議する暇があるなら、自国の事をもっとしっかりとやって欲しいものである。