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ルラブル・サイツ (アメリカ)
【2002 ~     】



2018年6月2日、アメリカ・カリフォルニア州ペタルマにあるペタルマ高校で、優秀な成績を修めたルラブル・サイツは卒業生代表のスピーチに選ばれた。

実はサイツはスピーチで言いたい事があった。

サイツは学校のキャンパス内で性的暴行を受けた過去があり、その事をスピーチで語り始めた。

「私たちは声を上げるのに若過ぎません。夢を見て変化を起こすのに若過ぎません。だからこそ、このキャンパスである人達が・・・」

と話し始めた途端、学校側はサイツのマイクを切ってしまう。

実は学校側はサイツのスピーチの原稿を事前にチェックしており、余計な事を喋った場合、マイクを切ると何度も警告していた。

サイツはスピーチを諦めようと思った事もあったが、卒業式前夜に見たキング牧師のスピーチに励まされ、スピーチを決心した。

マイクを切られた瞬間、サイツは動揺するが (後にその時の事を「愕然とした」と述べている) 、めげずに喋り続けた。

すると、その姿を見ていた同級生たちが立ち上がり、
「彼女に話をさせて!」
と叫び、大きな拍手を送った。

サイツは2017年秋に性的暴行を受け、その事を学校に報告したのだが、学校側は何の措置も講じなかったと語った。

サイツは自分が声を上げなければ同じような犠牲者が出るかもしれないと考え、自分のような悲劇を2度と繰り返させない為にスピーチを強行した。

サイツに性的暴行を加えた男子生徒は処罰されなかったばかりかこの日の卒業式にも何食わぬ顔で出席していた。

サイツのこのスピーチはメディアでも取り上げられた。

サイツはNBCニュースで、

「こんなこと女の子たちにとって公平ではありません」

と語り、CBSニュースでは

「変化を起こす為に自分に出来る事があるはずだと思ったんです。他の女の子たちに同じ事が起きてはいけないと思いました」

と語った。

SNS上では「被害を受けた人の口封じしないで」「性的暴行を受けた被害者たちはこれ以上沈黙させられるべきじゃないとわからないのだろうか」など、サイツを応援する声が多く上がっていた。

マイクを切った事について学校側は
「学校が場を提供している以上、そこで伝えられるメッセージを学校はコントロール出来る」
と述べている。

サイツは卒業後、スタンフォード大学への進学が決まっている。


最後に卒業式の後、サイツがスピーチで話す予定であった内容をYouTubeに投稿した言葉で終わりたいと思います。

「ペタルマ高校の経営者は、私の言論の自由を奪いました。学校の経営者たちはスピーチで学校を批判しようとする私を何週間に渡って脅しました。でも正しい事が何かわかっている時には脅迫に屈せずに正しいと思う事をやらなければいけないと思います」



《被害時期》
2017年秋



∽ 総評 ∽

性的暴行の事実をスピーチしようとしてマイクを切られたサイツ。

学校側は自分達がサイツから性的暴行の事実を聞かされたにも関わらず、何もしなかった事を暴露される事を恐れての行動だろう。

すでに対処を怠っているので、今更発言されても迷惑であり、学校側とすれば当然の行動と言えば当然の行動と言える。

そもそも何故サイツの性的暴行について学校側は対処しなかったのだろうかと思われるが、おそらく性的暴行の事実を公に発表し、学校の品位が下がるのを恐れての行動だと思われる。

しかし、それは私利私欲の為に犯罪を隠蔽したに過ぎず、とても許される事ではない。

また、サイツが学校ではなく何故警察に言わなかったのかという疑問も抱くが、おそらく、取り敢えず学校に相談したが「卒業したいのなら口外するな」と言って脅しでもしたのだろう。

学校側は「場を提供しているのは俺達なんだから好きにコントロール出来る」という発言を述べたが、これは勘違いも甚だしく、傲慢以外の何物でもない。

学校の主役は生徒であり教師や経営者ではない。

よくいじめられた子供が自殺した際、学校側は「いじめられたとは知らなかった」とか「そんな事実はない」など責任逃れに終始するが、この事件も同様だといえる。