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高 承勇 (ガオ・チョンヨン 中国)
【1964 ~ 2019】



高 承勇は、1964年11月10日、中国・甘粛省蘭州市楡中県青城町河村で生まれた。

高の家は村で最も成功した裕福な家庭であった。

高は8人兄妹の末っ子で、兄の1人は高がまだ子供だった頃、川で溺れて亡くなった。


1984年、高は高校に通っており、大学にはいかなかった。

高はパイロットを目指すが、結局挫折してしまう。

その後、高は結婚し、子供が生まれた。


1980年代、高の父親は死亡するが、死亡する数年前から麻痺となり寝たきりになっていた。

高はそんな父親の面倒をみており、下の世話等行った。

高は甘粛省白銀市で学校の食堂を手伝っていたが、隣人によると、高は大人しく内向的な性格であり、趣味といえばダンスくらいであった。


1988年5月26日、白銀市で白某 (23歳♀。某とは名前を隠す際に使用され、一般的には小白鞋という名で伝わる。「小白鞋」とは小さい靴という意味) が自宅で殺害される。

白は白銀市で働く会社員で、首が切られほとんど切断されていた。

そして、切られた頭部は乳房の方に押し付けられ、上半身には26ヶ所も切られた痕があった。

また、下半身は裸であり、左足の内側に白の血で書かれた文字があった。

その血文字は右の人差し指の指紋が鮮明に残されており、警察は犯行時、犯人は非常に冷静であったと述べた。

事件は「88・5・26事件」と呼ばれ、未解決事件となった。


1994年7月27日午後2時50分頃、白銀市で派遣労働者の女性 (19歳) が独身宿舎で殺害される。

女性は首を切られ、上半身に36ヶ所の切り傷があった (「94・7・27事件」) 。


1997年3月28日午後8時頃、内モンゴル自治区包頭市で、若い女性がベッドで死んでいるのを発見される。

女性はロープで縛られており、下半身は裸であった (「97・3・28事件」) 。


1998年1月13日午後4時、白銀市で楊某 (29歳♀) が自宅で殺害される。

楊の遺体は同年1月16日に発見されたが全裸であった。

また、首を切られ上半身には16ヶ所の傷があり、両耳が欠損していた (「98・1・16事件」) 。


同年1月19日午後4時頃、白銀市に住んでいた女性 (25歳) が自宅で殺害された。

女性は上半身に8ヶ所の傷があり、首が切り刻まれていた (「98・1・19事件」) 。


同年7月30日午後2時頃、白銀市の電力供給局で働く曽某の娘姚某 (8歳) が、自宅で殺害される。

姚某は全裸であり、首には軍用ベルトが巻き付けられていた。

幼い性器は引き裂かれ、遺体はクローゼットの中に押し込まれていた (「98・7・30事件」) 。


同年11月30日午前10時頃、白銀市で崔某という若い女性労働者が殺害される。

崔某は上半身に22ヶ所の切り傷があり、下半身は裸であった。

また、手が切り取られ性器が切り刻まれていた (「98・11・30事件」) 。


2000年11月20日午前10時頃、白銀市の紡績工場で働く羅某 (28歳) という女性が殺害される。

羅某は首を切られ、手は切り取られ欠損していた (「00・11・20事件」) 。


2001年5月22日午前9時頃、白銀市で看護師の張某 (28歳) という女性が殺害される。

張某は強姦され、首には16ヶ所の傷があった (「01・5・22事件」) 。


翌日の23日午前11時頃、白銀市のホテルで常某という女性が殺害される。

常某はロープで縛られており、ナイフで切り刻まれていた (「01・5・23事件」) 。


2002年2月5日午前10時頃、白銀市で朱某 (25歳) という女性が殺害される。

朱某の遺体は2月9日に発見され、朱某は首を切られ全裸であり強姦されていた (「02・2・9事件」) 。

警察は一連の事件解決の為、特別調査隊を設立して捜査にあたった。

特別調査隊は独身宿舎で殺害された女性、姚某、崔某、張某の4人が殺害された現場にあった指紋が一致している事を発見する。

また、姚某、張某、朱某の3人から採取された精液のDNAが同一人物のものだと断定された。

そして、特別調査隊は、犯人の特徴について、
「容疑者は1964年から1971年の間に生まれた33歳から40歳くらい。身長は168cmから176cmくらいで、恐らく白銀市に永住している。また、女性に対して断続的な性的障害、異常心理学より深刻な物理的な欠陥があり、非常に強い憎しみを抱いている」
と分析した。

また、
「内向的な性格で鬱病傾向にあり、何に対しても無関心で典型的なコミュニケーション不足。偏心で偏屈、一匹狼を好み2つの人格を持ち自身の心を非常に巧みに隠す」
と述べた。

特別調査隊は、犯人はドアをノックする事で侵入し、また、被害者の就業時間を把握していたと考えた。


2004年、白銀市公安局は、この『白銀市連続殺人事件』の有力な情報提供者には報酬として20万元 (約250万円) 支払うと発表した。

しかし、犯人逮捕に至る事はなかった。


2016年4月、白銀市公安局は一連の殺人事件の再調査を行う事を決定した。

そして、慎重な捜査と分析の結果、高を犯人だと判断する。

その後、警察は高の指紋を入手し、調べた所、姚某ら4人の犯行現場で見つかった指紋と一致するした。


また、血液のサンプルを採取するが、高の家族も同様の結果が出てしまい、最終的に高を逮捕するのは同年8月26日であった。

最初の犯行から実に28年もの歳月が流れていた。

逮捕された高はこれまでの犯行を認めた。

また、高は他に包頭市で1人女性を殺害したと述べた。

高は日中に犯行に及び、女性を吟味し、強姦して殺害したのだが、一部屍姦も行ったと述べた。


2017年4月24日、高は起訴され、2018年3月30日、裁判で高は死刑が言い渡された。


2019年1月3日、高の死刑が執行された。

享年54歳。



《殺人数》
11人

《犯行期間》
1988年5月26日~2002年2月5日



∽ 総評 ∽

14年に渡り11人の少女や女性を殺害した高。

高は強姦して殺害し、死体を切り刻んだり分解したりした。

また、屍姦も行っており、典型的な異常快楽殺人鬼であった。

高が何故これ程の犯行を犯したのか理由がよくわからない。

こういった凶悪な犯行を犯す人間は、メアリーベルや「バルガー事件」の2人の少年のように幼少の頃からすでに精神が破綻している事が多いが、生い立ちを見る限り高はそうではないように思える。

パイロットの挫折、親の看護等が精神を追い詰めたのかもしれないが、それにしても凄惨な犯行だといえる。