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ジョシュア・コーベット (アメリカ)
【1975 ~     】



2014年6月8日午前1時頃、女優のサンドラ・ブロックは、自宅で奇妙な物音に気付く。

ブロックは音が聞こえた方に向かうと、見知らぬ男性が自宅の屋根裏に向かっている姿を目撃する。

驚いたブロックは急いでクローゼットに隠れ、911に連絡した。

ブロックが911に電話したのが午前6時半頃であり、ブロックは約5時間もの間、クローゼットで怯えながら過ごしていた事がわかった。

ブロックの電話を受けてから4分後、警察がブロックの家に駆けつけ、家の外に逃げようとしていた男性を取り押さえた。

男性の名前は、ジョシュア・ジェームズ・コーベットという39歳の男性であった。

ブロックは電話の向こうの通信係に涙ながらに礼を述べた。

逮捕された際、コーベットはブロックへの性的暴行の詳細を綴ったノートと写真の切り抜きを所持していた。

コーベットはブロックの熱烈なファンであり、毎日欠かさずブロックについての日記をつけていた事がわかった。

コーベットはブロックの家に侵入した際は所持していなかったが、警察がコーベットの自宅を捜査した所、マシンガンやアサルトライフル、爆破装置等24もの銃器を発見した。

ブロックにはルイス (4歳♂) という養子がいたのだが、事件の日はベビーシッターの所に泊まっていた為、事なきを得た。

コーベットを尋問した所、実はコーベットは犯行の前日にもブロックの家を訪れていた事がわかった。


裁判が始まると、コーベットの弁護士はコーベットがブロックと結婚していると幻想を抱いており、ただ、ラブレターを渡しに行っただけだと主張した。

警察とのやり取りで、コーベット本人も

「彼女を傷つけるつもりで行ってなんかいない。彼女が十分守られていないと思ったからだ」

と話していた。


2017年5月、コーベットにはブロックへの10年間に渡る200ヤード (約180m) の接近禁止命令 (2022年6月まで)と、精神病院における継続的な治療を裁判官に命じられた。


コーベットは双極性統合失調症と診断され、最長6ヶ月間は精神病院に入院する予定であったのだが、翌月の6月に医師団の同意の元、退院した。

退院した事をブロックは知らされていなかったとして、ブロックの弁護士は抗議を示し、コーベットには更に5年間の保護観察が命じられた。


最後に警官に取り押さえられた際、ブロックに言ったコーベットの言葉で終わりたいと思います。

「ごめんね。愛しているよサンディ」



《殺人数》
0人

《犯行期間》
2014年6月8日



∽ 総評 ∽

熱烈なファンである女優の家に侵入したコーベット。

有名人へのストーカー行為は、人気商売だけに大なり小なりどうしても起こってしまう。

有名人へのストーカー事件で特に有名なのは女優のジョディ・フォスターに行われたもので、フォスターは女優業を引退しようと考えた程であった。

現代はツイッターやフェイスブック、インスタグラム等のネット環境により、有名人との距離が縮まり身近になったと錯覚しやすく、特に起き易くなっているように思える。

これまでストーカーによる事件をいくつか紹介してきたが、大抵が初めはそれほどでなくても次第に暴走に至ってしまう。

コーベットもブロックに性的暴行を加えるつもりだったのは明白で、陰湿で恐ろしく全く擁護出来ない。

弁護士はコーベットがブロックと結婚していると幻想を抱いた為、ラブレターを渡しに行っただけだと述べたが、結婚しているのならラブレターを渡す必要はない。

弁護士の主張は無理があり、結局、弁護士は罪を軽くする為に無理やりな弁護をしているだけに過ぎない。

唯一の救いは、ブロックや子供に被害がなかった事であろう。