image











清州復讐事件 (韓国)
【2017】



2017年2月、韓国・清州で衝撃的な事件が起こる。

46歳のキムという女性が、娘 (高校3年生) の通う高校の教師を殺害したのだ。

殺害した理由は娘がその教師に猥褻行為をされたからであった。

事件当日、キムは教師からの猥褻行為を聞き、その復讐の晴らすべく娘の就職相談を理由に教師を近所のカフェに呼び出し、持参した凶器で滅多刺しにして殺害したのだった。

キムはすぐに逮捕され起訴される。

キムの裁判は韓国全土が注目するものとなった。


同年6月2日、キムは素直に犯行を認めるが、裁判官は娘が被害に遭った事を考慮しつつも、殺害するつもりで凶器を持参し、呼びつけた事で犯行が計画的であると非難した。

また、猥褻した犯罪者の遺族とのレッテルが貼られ、復讐された教師の遺族が地元に居られなくなり転居を余儀なくされたが、キムは遺族に対する二次被害 (名誉毀損や転居) について一切謝罪する意思を示さなかった事が裁判官の心象を悪くした。

そして、私的な復讐は容認出来ないとして
「厳重な処罰をする」
と述べ、懲役10年が言い渡された。

この判決に多くの韓国国民が非難した。

メディアもこの判決を「厳罰にして重刑」と報じ、ネットでも「この判決はない」「飲酒運転で死なせてもここまで重くない」「執行猶予が何故つかないのか」「懲役3ヶ月くらいが妥当」「そもそも被害者が猥褻行為をしなければこんな事にはならなかった」「教師は殺害されても仕方ない人間だ」など多くのコメントが寄せられた。

このようにコメントのほとんどがキムに対する同情のものであった。

また、この判決に非難が殺到したのは別に理由もあり、近年、韓国で同居女性に暴行を加えて殺害し、遺体をコンクリート詰めにして逮捕された39歳男性が、控訴した結果、懲役3年を言い渡された事と比較され、「男が女を殺害し埋めても3年なのにキムの判決は重過ぎる」「性別によって刑が変わるのか」「一体何を基準に量刑を決めているのだ」「誰の為の法律かわかったものじゃない。加害者 (教師) が軽い刑になる事がわかってたから自ら手を下したんだ」「そもそもこの国に期待もしない」等という厳しい声も聞こえた。



《殺人数》
1人


《犯行期間》
2017年2月




∽ 総評 ∽

娘に猥褻行為を行った教師を呼び出し殺害した母親。

韓国では復讐した母親に対する刑が重過ぎるとして批判の的となった。

ただ、日本の感覚でいえば、人を殺してしかも復讐で懲役10年ならかなり軽い方である。

もちろん猥褻行為を行った教師も悪く、思春期の少女からすれば信頼していた先生にそんな事をされるのは相当なショックだったであろう。

復讐というのは国が基本的に容認する事はもちろんないが、これまで紹介してきた復讐の事件同様、復讐した側が非難される事はほとんどなかった。

『善悪の屑』という漫画があるのだが、これは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者や遺族が、復讐屋という復讐を代行してくれる業者に頼み復讐を遂げるという内容だ。

内容も素晴らしいが、特に素晴らしいと思える所が、数々の描かれる犯罪が日本で実際に起きた凶悪犯罪と酷似して描かれている所だ (ただし、明記はされてはいない。また、描かれる加害者も意図的に実際の犯人と似せて描いているようにみえる) 。

この漫画自体は「残酷だ」とか「復讐を容認している」等と賛否両論を呼び (主に否だが) 、不健全図書に指定されたが、内容をみる限り個人的にはあってもいいと思える程、犯罪者の鬼畜振りはかなりのものであった。

国が復讐を容認してはダメだと思うが、納得のいかない判決や遺族が復讐したくなるような凄惨な事件を起こした加害者はもちろん多くいる。

あくまでも個人的にだが、この漫画で描かれるような屑の犯人を極秘裏に始末する復讐屋というのはあっていいと思っている (もちろん間違いはあってはいけないが) 。

ただ、別の事件で女性を殺害してコンクリート詰めにして遺棄した犯人が控訴の結果、懲役3年になったいう事に驚きを隠せない。

今回のこの母親による復讐劇を皆さんはどう感じたであろうか?

これまで掲載してきた復讐の記事は、復讐された加害者はこれでもかという屑であり、復讐されても仕方ないような鬼畜であった。

今回の教師が普段から他の生徒にも猥褻行為を繰り返すような屑だったのか、今回初めて犯したのか詳細がなくわからない。

猥褻行為を聞き、その日の内に復讐している所に性急で少し疑問が残る (日頃から猥褻行為を繰り返し行われていたのかもしれないが) 。