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ラマリカス・デイビッドソン (アメリカ)
【1981 ~ 】



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ジョージ・トーマス (アメリカ)
【1983 ~ 】



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レタルヴィス・コビンズ (アメリカ)
【1982 ~ 】



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ヴァネッサ・コールマン (アメリカ)
【1988 ~ 】



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エリック・ボイド (アメリカ)
【1972 ~ 】



2007年1月6日夜、シャノン・ゲイル・クリスチャン (1985年4月29日生♀) は、友人のパーティーに向かう為、恋人のヒュー・クリストファー・ニューサム (1983年9月21日生♂) が車で迎えに来るのを待っていた。

クリスチャンはテキサス州ナコドチェス出身で、1997年に一家はルイジアナ州からテネシー州に移住した。

クリスチャンは2003年にファラガット高校を卒業後、ノックスビルにあるテネシー大学に通い、社会学を専攻した。

ニューサムはテネシー州ノックスビル出身で、ホール高校では野球に精を出し、卒業後は大工として働いた。

2人は周囲も羨む美男美女の白人カップルであった。

クリスチャンはニューサムの車に乗り友人の家に向かった。

そして、ある複合施設の駐車場で車を止めると、突如、ラマリカス・デヴァル・デイビッドソン (1981年6月13日生) と友人のエリック・デゥエイン・ボイドが、クリスチャンとニューサムに銃を向ける。

ボイドはクリスチャンとニューサムに目隠しし、車の後部座席に押しやり、デイビッドソンが車を運転した。

その後ろをデイビッドソンの弟レタルヴィス・ダーネル・コビンズ (1982年12月20日生) とコビンズの友人ジョージ・トーマス (1983年1月23日生) 、トーマスの彼女ヴァネッサ・コールマン (1988年6月29日生) が、車で追尾した。

デイビッドソンは車を自宅に止めると、アリバイの偽りの為にクリスチャンに自宅に電話を掛けさせた。

そして、コールマンにクリスチャンを見張らせ、デイビッドソンら男4人はニューサムを車に押し込み、車を走らせた。

その後、車を線路沿いの人気のない場所に移動させると、ニューサムの口の中に靴下を詰め込み、足をベルトで縛ると両手を腰に固定させた。

身動き取れなくなったニューサムに対し、肛門に異物を差し込み、その後、1人が強姦した (精液が残されてなかった為誰が強姦したか不明だがボイドだと言われている) 。

その為、肛門が裂けて傷がついた。

ニューサムの頭をシャツで覆い、裸足で線路を歩かされると途中でひざまづかせた。

そして、ニューサムの頭と首、背中の3ヶ所を撃った。

ニューサムは撃たれた衝撃で地面に倒れたが、まだ、動いていた為、最後の1発を撃ち込んで射殺した。

その後、ニューサムの死体を毛布で包み、ガソリンをかけて火を点けた。

ニューサムの死体は原形を留めない程、黒く焦げ燃え尽きた。

デイビッドソンらはニューサム殺害後、家に戻ったが、ボイドだけは別れて戻らなかった。

コールマンはクリスチャンを縛り寝室に押し込んでいた。

コビンズはクリスチャンのいる寝室に向かった。

そこでクリスチャンに

「俺のぺニスをしゃぶれば自由にしてやる」

と言って無理矢理クリスチャンの口の中に陰茎を押し込んだ。

その為、クリスチャンの口の中は裂傷を負った。

コビンズがクリスチャンの口の中に陰茎を押し込んでいる間、デイビッドソンがクリスチャンを満足するまで何度も強姦した。

その後、トーマスも加わりクリスチャンをよってたかって輪姦し、肛門姦も行った。

デイビッドソンらはクリスチャンの口や膣、肛門あらゆる場所を何度も犯し、凌辱の限りを尽くす。

唯一女性のコールマンもこの暴行に加わり、クリスチャンの性器を力一杯蹴った。

その為、クリスチャンの膣内から血が流れた。

満足したデイビッドソンらは、瀕死のクリスチャンの始末を考え、リビングで漂白剤を持ち出し、証拠を残さないようにクリスチャンの口に漂白剤を流し込んだ。

そして、クリスチャンの頭部にビニール袋を被せるとゴミ袋に入れ、ゴミ箱に押し込んだ。

その後、クリスチャンは死亡するが、死因はビニール袋を被せられた事による窒息死であった。

クリスチャンの両親は娘との連絡が取れない事を心配し、携帯電話会社に問い合わせた。


同年1月8日、警察がニューサムの捨てられた車を発見し、車からデイビッドソンの指紋が発見された。


翌日の9日、警察がデイビッドソンの家に行くと、キッチンのゴミ箱の中にクリスチャンの死体を発見する。

クリスチャンの死体はカーテンと寝具の紐で縛られていた。

そして、すぐに鉄道線路近くでニューサムの死体が発見された。

クリスチャンとニューサムの死体を検死すると、そのあまりの惨状に愕然とする。

その惨状はニューサムの黒焦げの死体を見た検察官の助手がショックで倒れる程であった。

また、クリスチャンの頬には涙が流れた跡があった。

デイビッドソンらはすぐに逮捕された。

逮捕されたデイビッドソンは起訴されるが、それぞれ過去の犯歴が判明する。

デイビッドソンはクリスチャンとニューサムに対する殺人や誘拐、強姦や強盗の罪47件で起訴されたが、2006年8月5日にテネシー州でカージャックと強盗で懲役5年が言い渡されていた。

デイビッドソンの弟コビンズは、クリスチャンとニューサムへの46件の罪で起訴されたが、2003年にニューヨークで3度の強盗罪で有罪判決を受けていた。

また、裁判中にコビンズは刑務官に暴行を働いた。

ボイドもカージャックで有罪判決が下された過去があり、クリスチャンとニューサム殺害だけではなく、ニューサムへの強姦でも訴追された。

トーマスとコールマンは過去の犯歴がなく (ここでいう犯歴というのは有罪判決を受けたか受けてないかという事) 、クリスチャンとニューサムの殺人で起訴された。


デイビッドソンらの裁判は2008年2月から同年8月の間に設定され、個別で行われる事となった。

そもそも、事件の発端はデイビッドソンが恋人に振られ、鬱憤が溜まっており、そこでボイドとカージャックしようとなり、クリスチャンとニューサムがたまたま標的となったのだった。


同年4月16日、裁判でボイドは有罪判決を受け、懲役18年を言い渡された。


2009年8月25日、裁判でコビンズに有罪判決が下された。

当初は死刑の可能性も十分にあったが、翌日の26日、仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡された。


同年10月28日、デイビッドソンは強姦や殺人に4件で有罪判決が下され、死刑が言い渡された。


同年12月8日、トーマスはいくつかの件で無罪とされたものの、複数の罪で有罪判決が下され、コビンズ同様仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡された。


2010年5月13日、最後に残ったコールマンは、第一級謀殺では無罪となったが、他の暴行等の罪で有罪判決となり、同年7月30日、懲役53年が言い渡された。

判決を受けた全ての被告がすぐに控訴した。


2012年6月、テネシー州最高裁判所は最終的にデイビッドソン、コビンズ、トーマスの控訴を棄却した。


同年11月20日、コールマンはニューサムへの殺害は認められず、2013年2月1日、懲役35年を宣告された。


2014年10月16日、コールマンが最初の仮釈放の対象となり、同年12月、仮釈放の聴聞会はコールマンの仮釈放を拒否した。

コールマンの次回の仮釈放検討日は2020年12月に設定された。

コビンズとトーマスは2012年に開設されたブレッドソー郡矯正施設に移された。

ボイドは2022年に釈放される予定である。

この事件は白人カップルが黒人5人に無惨に殺害された事から、当初、人種差別によるヘイトクライム (憎悪犯罪) だとされた。

また、事件発生当初はクリスチャンの死体はバラバラにされたという嘘の情報も流れた。

しかし、今回の事件は人種差別とは全く関係なく、警察は
「憎悪犯罪の証拠はなく、ランダムに行われた暴力行為である」
と発表した。

ただ、ニューサムの母親は
「これが憎悪犯罪でなければ犯罪を定義する方法が理解出来ない」
と語り、更に
「最初は憎悪犯罪ではなかったのかもしれないが、相手が白人カップルだったから襲った。もし、相手が黒人カップルであれば彼らは同じ事をしたとは思えません」
と述べた。

また、この事件は白人優越主義の人々から注目を集め、2007年5月27日、アレックス・リンダー率いる約30人の白人優越主義者が、事件の抗議の為にノックスビルのダウンタウンで集まった。

だが、コラムニストのレオナルド・ピッツは
「黒人とラテン系の人々は、犯罪の被害者としては報道では過小に扱われ、加害者の場合過度に報道される」
と発言した (ただし、ピッツ自身は黒人) 。



《殺人数》
2人


《犯行期間》
2007年1月6日




∽ 総評 ∽

白人カップルを襲い、陰惨な犯行後、殺害に至ったデイビッドソンら5人。

これまで黒人集団による犯行は何組も紹介してきたが、中でもこの事件は陰惨な方であろう。

この事件は、日本で起きた『名古屋アベック殺人事件』と非常に酷似しており、その残虐さは両者共にひけをとらない。

こういう事件が起こると「黒人だから」と白人側が言いそうなものだが、もちろん白人でも残虐な事件は多く起こしている。

ただ、黒人集団による白人女性への陰惨な凌辱行為は多いが、白人集団による黒人女性への同様の行為はほとんどみられない。

あくまで個人的意見だが、そこが「黒人だから」といわれる所以だと思われる。

個人的には白人だから黒人だからとか関係ないと思うが、差別が根強く残るアメリカにおいてはそうはいかないだろう。

黒人のコラムニストが言うように、確かに黒人の場合は過度に事件が強調されたり、被害者の場合はまるで被害者の黒人に落ち度があるかのような報道になる事はあるかもしれない。

だが、白人だろうが黒人だろうが行った犯行は残虐であり、それ相応の刑に処すのは当然の事だ。

ただ、こういった集団での犯行の場合、犯行の大小で罪の重さが変わるのが納得いかない。

全員死刑以外の選択肢は皆無であり、犯行での役割なんてどうだっていい。

犯行に加わっている時点で、全員同罪なのである。



* 追伸 *

この記事が2017年最後の記事となりました。

今年最後ですが、かなり陰惨な事件の掲載となりました。

来年もよろしくお願い致します。