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スティーブン・ホッブス (アメリカ)
【1970 ~ 】



2002年11月19日、アメリカ・テキサス州ハリス郡東部で、パトリシア・アン・ピアット (38歳♀) の死体が発見される。

ピアットは売春婦であり、旧バーモント高速道路の橋の下で見つかったのだが、死因は絞殺であった。

実はこのピアット殺害までハリス郡東部では、1996年以降、ピアットを含む6人の売春婦の女性が殺害、もしくは強姦されるという事件が発生していた。

警察は一連の売春婦殺害・強姦事件を同一犯によるものとみて捜査を進めるが、犯人逮捕には至らなかった。


2010年9月22日、同じくハリス郡東部でワンダ・トロフィー (57歳♀) のバラバラ死体が発見される。

トロフィーは同年7月から行方不明となっており、トロフィーも売春婦であった。


同年10月、ハリス郡クロスビー近くの森林地帯で、サラ・アネット・サンフォード (48歳♀) の死体が発見される。

サンフォードは全裸であり、手には手錠が掛けられていた。

サンフォードも売春婦であった。

そして、サンフォード殺害容疑で逮捕されたのは、テキサス州出身のスティーブン・アレクサンダー・ホッブスであった。

ホッブスは逮捕時、クロスビーで警備員として働いていた。

ホッブスはサンフォード殺害容疑で逮捕されたが、警察は1996年以降、ハリス郡東部で発生していた15件の未解決の殺人事件の犯人だと考える。

また、ハリス郡東部では強姦事件も多発しており、その犯人もホッブスではないかと考えた。

犠牲者や被害者は全員売春婦であった。


裁判でホッブスは無罪を主張する。

しかし、検察はピアットとサンフォードの遺体からホッブスのDNAを採取したと述べた。

また、ピアット殺害3ヶ月前の2002年8月に売春婦の女性がホッブスによって性的暴行を受けたと訴え、2010年6月に売春婦のダニエル・パーフィット (28歳♀) が同じく性的暴行を受けたと告発した。

更に、売春婦のサンドラ・ガンター (33歳♀) が性的暴行を受けたと訴えた。

だが、それでもホッブスは無実を主張した。

しかし、警察がトロフィーの死体が発見された近くの売春婦に聞き込みを行うと、1人の売春婦 (43歳♀) の女性が2010年6月に
「赤みを帯びたブロンド髪で眼鏡をかけた太った男性に買われた」
と語り、続けて
「モーテルの代わりにヒューストンの荒廃した場所に連れて行かれた。そこで銃で脅され腕と足を手錠で縛られ、モップのような物で殴られた。しかも、その男性は制服を着ており途中、携帯電話に出て雇用主と思われる相手と話をしていた」
と話した。

女性にホッブスの写真を見せると、女性は
「絶対に彼で間違いない」
と語った。

捜査官は生存した他の被害者たちから話を聞くと、全員が襲撃者は制服を着た背の高い恰幅の良い巨漢の男性で、赤毛の白人だと答えた。

そして、被害者にいくつかの写真のラインナップを見せると、全員がホッブスを選んだ。

ホッブスには犯罪歴がないと思われたが、2000年に軽微な犯罪を犯し、ハリス郡の刑務所に収監されていた事が判明し、その際DNAのサンプルを採取していなかった。

結局、ホッブスによる強姦被害者は10人に及び、捜査官はホッブスがこれまで少なくとも15人を殺害したと踏んでいた。

捜査官は
「スティーブン・ホッブスは少なくとも10年以上に渡り捕食者であった」
と語っている。

ホッブスの裁判は本人の無罪の主張や余罪の為、遅々として進んでおらず、2015年の段階で判決に至っていない (現在の様子は不明) 。



《殺人数》
最低3人
(15人殺害の可能性大)

《犯行期間》
2002年11月19日~2010年9月22日




∽ 総評 ∽

最低でも3人、15人殺害の可能性があるホッブス。

ホッブスが15人以上殺害したかはわからないが、実際、ハリス郡東部では多くの売春婦が殺害された事件が未解決であり、全員ではないにしろホッブスも何人かは殺害している可能性は極めて高いといえる。

ホッブスは売春婦を標的とする性犯罪者であり、その犠牲者は数知れずであった。

また、相手を徹底的に痛め付ける生粋のサディストでもあった。

ホッブスがどのような生い立ちだったのか詳細がないのでわからないが、仮に1996年から犯罪を行っているとすれば、26歳の頃であった。

ホッブスは無罪を主張しているが、DNA鑑定や被害者達の証言により犯人でまず間違いない。

往生際の悪さにより裁判は進んでおらず、もし、現在まで続いているとしたらそれはまさに税金の無駄遣いである。