image


















ドミトリー・バクシェーエフ (ロシア)
【1982 ~ 】



image
















ナタリア・バクシェーエフ (ロシア)
【1975 ~ 】



2017年9月25日、衝撃的事件がロシア全土を震撼させた。

それは1999年から2017年の18年間で、実に30人を殺害して死体の一部を食べるというショッキングな事件であった。

しかも、逮捕されたのはドミトリー・バクシェーエフとその妻ナタリアの夫婦であった。

事件が発覚したきっかけは、ロシア南部クラスノダールで1台の携帯電話が拾われた事であった。

携帯電話の中を確認すると、人間の遺体の一部と見られるものと一緒にポーズを取る男性の写真が複数保存されていた。

その男性がドミトリーであった。

また、同じ頃、クラスノダールにある士官学校の近隣で、女性の遺体の一部分が発見されており、この2つの出来事により容疑者として浮かび上がったのが士官学校の校内の寄宿舎で生活をしていたバクシェーエフ夫妻であった。

携帯電話に映し出されていた女性の遺体は、翌日、付近に捨てられた鞄の中から発見された。

早速、警察は遺体と一緒に映っていたドミトリーに話を聞いた。

当初、ドミトリーは女性の殺害を否定し、遺体を見つけて一緒に撮影しただけだと述べた。

その直後に携帯電話をなくしたと主張した。

しかし、警察の厳しい取り調べにドミトリーは写真に一緒に映っていた女性と2012年に別の女性2人を殺害した事を認めた。

写真の女性は9月8日に、クラスノダール地方で知り合い、喧嘩となって殺害した。

殺害後、ドミトリーは女性の死体をバラバラにし、携帯電話で女性の顔写真や切断された手首等を撮影した。

警察は他にも余罪があるとみて家宅捜査を行う。

すると、冷凍庫の中から7つの人体の一部が見つかり、ガラス瓶に入れられ塩漬けされた手首等が発見された。

また、室内から遺体から剥がされた皮膚19点が見つかった。

皿にはオレンジと共に盛り付けられた人間の生首や人間の手を口にくわえさせられた男性、凄惨な様子が映し出された多くの写真があった。

更に、「カニバルの為のビデオレッスン」と題されたDVDも見つかった (内容は明かされていない) 。

それら全部を合わせると少なくとも30人に及んだ。

警察は犠牲者の内、7人までの身元を特定出来たが、他多くの犠牲者の身元がわからなかった。

ドミトリーはロシア空軍士官学校に勤め、ナタリアは看護師であった。

ドミトリーとナタリアは、コーバルールという鎮静剤を飲ませ、相手を眠らせてから殺害したと自供した。

近隣住民によると、ナタリアは周囲とのトラブルが絶えず、家には絶対に誰も入れなかったという。

同じ寄宿舎に住む住人は彼らの部屋から薬品の匂いが漏れていたと話し、寄宿舎の職員が部屋に入ろうとすると、泣き叫んで抵抗したと話した。

ナタリアには精神鑑定が行われ、異常なしと診断された。

今後、裁判が行われ、事件の詳細が明るみになっていくと思われる。



【殺人数】
30人以上


【犯行期間】
1999年~2017年




∽ 総評 ∽

30人以上を殺害し、その一部を食べたとされるバクシェーエフ夫妻。

夫婦やカップルによる殺人というのは珍しくはないが、食人という事になると非常に珍しい。

この事件は近年発覚した事件の中でもかなり衝撃的な部類に入るだろう。

夫妻が犯行を行っていた期間、ロシアでは他にアレクサンドル・ピチュシキン (1992年~2006年) やミハイル・ポプコフ (1995年~2012年) 、イリーナ・ガイダマチュク (2002年~2010年) にアレキサンダー・ビシュコフ (2009年~2012年) 、タマラ・サムソノバ (?~2015年) 等が暗躍しており、バクシェーエフ夫妻は同じ時期に発覚する事なく食人を続けた。

2人の出会いや生い立ちについてはよくわからないが、ナタリアはドミトリーより年上で、近隣住民によるとかなり危険な女性であったらしい。

通常、夫婦やカップルで犯行に及ぶ場合、男性が主体となって女性が従うというパターンが多いが、今回のこの事件はナタリアが主体となっているように思える。

ナタリアが看護師であった為、薬の調達も可能で、薬の知識があったのでそれを遺憾なく発揮したのだろう。

ロシアはアンドレイ・チカチーロを代表とするカニバリズムを得意とするシリアルキラーが多く、このバクシェーエフもその例に漏れなかった。

ロシアは冬が長く環境が厳しい。

ロシアのシリアルキラーに食人が多いのは環境のせいもあるのかもしれない。