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カルラ・ハシント (メキシコ)
【1992 ~ 】



カルラ・ハシントは12歳の時、車のセールスマンをしているという男性 (22歳) と恋に落ちる。

その男性は高級車を乗り回し、まだあどけない少女であったハシントはそんな紳士的な好青年である男性に惹かれたのだった。

男性はハシントに気に入られようと、ハシントに花束やチョコレート、ドレス等をプレゼントした。

そして、
「一生大事にする」
とハシントに約束する。

ハシントの家は貧しく、また、貧しい上に家庭は崩壊していた。

そんなハシントにとって男性はまさに救世主のような存在であった。

そして、ある時、男性はハシントに駆け落ちをしようと持ち掛ける。

ハシントに断る理由は何もなく、二つ返事で承諾した。

だが、紳士的に見えた男性は実はポン引きであった。

この男性はハシントのような少女たちに言葉巧みに接近し、贈り物や現金を渡して誘惑し、そのまま拉致して売春を強要していた。

また、時にはそのまま人身売買業者に売り飛ばす事を繰り返し行っていた。

男性はハシントを車に乗せると、メキシコで有数の人身売買の聖地と呼ばれるテナンシンゴへ連れて行く。

テナンシンゴに連れて行かれたハシントは、売春宿に置き去りにされ、売春を強要された。

この時、初めて事の重大さに気づいたハシントだったが、時すでに遅かった。

男性はハシントに殴る蹴るの暴行を加え、生きるには売春をするしかないと脅し、逃げられない事を告げた。

また、ハシントは逃げるにしても連れて来られた場所がどこなのかもわからず、逃げるに逃げられなかった。

その為、ハシントはわずか12歳して売春をさせられる事となる。

ハシントは毎日午前10時から深夜まで売春をさせられ、少なくとも1日20人以上の相手をさせられた。

当初は泣き叫んでいたハシントだったが、次第に何も感じないよう目を閉じ、ただ事が早く終わるよう願っていた。

そんなハシントを買っていたのは地元の警察官や牧師、政治家などであった。


ハシント15歳の時、この場に連れて来られた張本人の男性の子供を生んだ。

しかも、その男性は生まれて間もない子供を人質に取り、更なる売春を強要した。


そんな絶望的な生活が4年続いた2008年、16歳の時、転機が訪れる。

ハシントの相手をした客の1人が、ハシントの身の上話を聞き、そのあまりに酷い様子に同情し、逃走の手助けを買って出た。

その客によって売春宿から逃走する事が出来たハシントは、ボランティア団体が運営する施設に保護される事となった。

ハシントは4年間で約4万3200回 (1日約30回) にも及ぶ行為を行っていた事がわかった。


その後、ハシントは未成年者に対する強制的な売春や人身売買の撲滅を呼び掛ける運動を行う。

ハシントは世界の1人でも多くの人にこのメキシコ国内で行われている現実を知ってもらうと活動している。

ハシントはこれ以上自分のような被害者を生まない為に、積極的に多くの場で自身の経験を話し、1人でも多くの少年少女を救いたいと演説している。

このハシントの証言は、アメリカの性犯罪者登録制度である『HR515』成立にも多大な影響を与えた。

だが、このハシントの活動を快く思わない人間もメキシコには多数おり、ハシントは常に身の危険を感じつつ、活動を続けている。


最後に現在、ハシントが危険と隣合わせで生活しているのを如実に表した言葉で終わりたいと思います。

「朝起きて夜まで生きていられるかわからない」



《売春強要回数》
約43200回


《売春強要期間》
2004年~2008年
(12歳~16歳の時)



∽ 総評 ∽

12歳で誘拐され、16歳まで実に4年間売春を強要されたハシント。

何が酷いかというと、売春を強制させられた事もそうだが、わずか12歳から売春をさせられた事だ。

ただ、そんな12歳の少女を買おうと思う神経も理解出来ず、買う客にも問題があると言える (おそらく客はペドフィリアだったと思われる) 。

どういう経緯でハシントが男性と知り合ったのかわからないが、おそらくポン引きの男性が、売春の女性を物色し街を徘徊している時に可愛らしいハシントを目撃し、誘惑したのだろう。

ただ、このハシントのような少女や女性は巨万とおり、ハシントはごく一部でしかない。

また、ハシントを買った相手が警察官や牧師、政治家という所に個人的にヘドが出る。

ハシントも貧しく家族愛の欠落した家庭で育った為、そんな時に現れた男性はハシントにとってまさに白馬の王子にでも見えて当然かもしれない。

メキシコは麻薬だけでなく、人身売買や強制売春が非常に問題となっている。

メキシコと言えば『天使農場』のゴンザレス姉妹が有名だが、ゴンザレス姉妹も売春の為に女性を調達し、無理やり売春を強要し、使い物にならなくなったり脱走を試みた女性を殺害して埋めていた。

犠牲者は80人以上とも言われ、そうして莫大な利益を儲けていたが、このようにメキシコでは売春が非情に行われている。

そんな恐ろしい国でハシントは売春撲滅に貢献しており、今後も頑張って活動を続けて欲しいと願う。