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細菌散布実験 (アメリカ)
【1950 ~ 1975】



1943年、『第二次世界大戦』の真っ只中、当時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトは、生物兵器の開発プロジェクトを極秘裏に始動させる。

研究は炭疽菌やボツリヌス菌等7種に及び、生物兵器として備蓄されていた。


1950年9月20日、カリフォルニア州サンフランシスコで、アメリカ海軍が1週間に渡り、海岸の船から巨大ホースで2種類のバクテリアを街に向けて散布する。

サンフランシスコは霧の街として有名であり、その霧に乗じてバクテリアを密かに散布したのだった。

当時、サンフランシスコには約80万人が住んでおり、80万人もの住民がそのバクテリアによってどのような影響を受けるのか試したのだった。

この散布によって多くの住民が肺炎のような症状を訴え、病院に駆け込んだ。

また、中でも11人が重症な尿路感染症で入院した。


1952年4月から5月にかけて、サウスカロライナ州とジョージア州の沖で同じくバクテリアを散布した。

正確な被害者数は不明だが、多数の被害を出した。


1953年、ミネソタ州ミネアポリスの4つの地域で硫化亜鉛カドミウムを61回も放出する。

硫化亜鉛カドミウムを吸い込むと、肺を損傷し、急性腎炎等を引き起こす。

この実験による被害者数も不明であった。


同年、ミズーリ州セントルイスで、再び硫化亜鉛カドミウムが放出される。

場所はセントルイスの住宅地域や商業地域、ダウンタウン等に35回放たれた。

この放出による被害の詳細は不明であった。


1955年、フロリダ州タンパ湾上空でCIAが百日咳の病原菌を散布する。

この散布により、前年が339件だった百日咳の報告件数が、1080件と3倍に急増し、死亡者も12人となった。


1956年、フロリダ州にあるキーウエスト、エイボンパーク、パナマシティの3都市で、低所得者のアフリカ系アメリカ人が多く定住する地域を選び、デング熱を保有する蚊を放つ実験が行われた (蚊は自力で飛べる範囲はせいぜい1km程度とされる) 。

デング熱は熱帯性の感染症で、死亡率は治療を受けない場合でも1~5%と致死率はそれほど高くはない。

アメリカ軍はそんな蚊を地面に衝突した際に開くように設計された紙袋におよそ1000匹ずつ詰め込み、600袋、約60万匹を上空から放った。

サンフランシスコの住人は次々とデング熱にかかり、罹患者が続出する。

そして、その内、最低でもデング熱により6人が死亡した。


1965年、ペンシルベニア州フィラデルフィアにある刑務所で、受刑者に対しダイオキシン (発ガン性物質とされているが、人体には無害との説もある。ただ、この時代は有害とされていた) を投与する。

対象者は21歳から49歳までの黒人受刑者70人で、量を変えて投与し経過を観察した。

結局、被験者たちにどんな症状が現れたのか詳細は不明だが、おそらく多くの受刑者に被害があったと思われる。


1966年6月6日朝、ニューヨーク州ニューヨークのマンハッタンの地下鉄各駅で、通勤客を装った軍の関係者が線路やホームの通風口に電球を投げつけた。

電球はぶつかった衝撃で割れ、中から黒い煙が発生したが、すぐに消えた。

朝のラッシュアワーで地下鉄は大変混雑しており、職場に向かう乗客たちは男たちの行動に誰も気づかなかった。

この黒い煙の正体は、実は炭疽菌に酷似したバクテリアであった。

このバクテリア散布の狙いは、実際細菌が地下鉄に放たれた際、どのように細菌が広がりをみせるか調べる事だった。

バクテリアは駅のホーム全体に広がり、わずか40分後には街全体へと拡大していった。

この時点では結果は公表されなかったが、14年後の1980年に公開された調査報告書には、実験は6日から5日連続で行われ、約100万人以上 (この時、ニューヨークの人口は約770万人だった) がバクテリアを吸い込んだ。

この吸い込んだ100万人のその後の症状については詳細は不明だが、この時期、多くの病院で経験した事のない細菌感染者が急増したという記録が残されている。


その後、アメリカ政府は1975年に『生物兵器プログラム』の終了宣言を正式に発表している。



《被害者数》
不明


《実験期間》
1950年~1975年




∽ 総評 ∽

数々の実験を極秘裏に行ってきたアメリカ政府。

上に挙げたのはもちろん全部という事ではなく、もっと行っているのは間違いない。

国家というのは大なり小なりこういった事はどこの国もやっているだろう。

ただ、アメリカのように80万人が住む大都市丸ごと行うというのはあまりに規模が大きく、それを国家が平然と行う辺りに恐ろしさを感じる。

だが、このような実験には黒人が標的となっている事が多く、差別が根深いアメリカならではとも思える。

こういった話を聞くと、世の中というのは選ばれたごく一部のエリート階層の人間で回され、支配されている事がわかる。

そんな人達からすれば普通の一般人なんかゴミ同然の扱いなのだろう。

国家は国民の為とよく政治家は口にするが、自分達の為なのがまず前提であり、緊急時には国民の事などどうでもよくなるのは明白と言える。