リチャード・グリッソム (アメリカ)
【1960 ~ 】
1960年生まれ (月日は不詳) のリチャード・グリッソムは、その幼少時代はよくわかっていない。
1976年、グリッソム16歳の時、高齢の女性ヘーゼル・ミーカーを殺害する。
同年、グリソンはテリー・マネス (♀) を殺害する。
その後、逮捕されたグリッソムは、ミーカー殺害で起訴され (マネス殺害はこの時点ではグリッソムによるものだと判明しなかった) 、有罪判決が下され刑務所に収監された。
2年後、グリッソムは仮釈放された。
1989年6月18日、カンザス州でジョーン・バトラー (24歳♀) がオーバーランドパーク地区で友人の家に行く前に姿を消した。
警察が捜査を進めると、バトラーのアパートの部屋で着ていた服が見つかった。
その為、1度部屋に戻って来た事がわかった。
部屋には食べかけのトースト、1枚のコンタクトレンズがあり、バトラーは部屋の侵入者に驚いた様子がわかった。
また、バトラーの銀行口座からお金がなくなっており、バトラーが借りていた赤色のレンタカーもなくなっていた。
バトラーがATMでお金をおろす映像が同年6月26日夜、防犯カメラに映し出されていたが、バトラーの額には明らかな打撲の痕が見られた。
1週間後、カンザス州レネクサでバトラーの車が見つかる。
警察が現場に到着すると、車の近くで何かをしている不審な男性を見る。
警察が男性に話し掛けようとすると、男性は逃走した。
警察はすぐに追い掛けるが、男性を見失ってしまう。
また、6月26日に、テレサ・ブラウン (22歳♀) とクリティーン・ラッシュ (22歳♀) という2人の女性が行方不明となっている事がわかる。
2人共レネクサに住んでいたルームメイトであった。
2人は前日の25日に姿を確認されて以降、行方不明となっていた。
26日に警察がグリッソムの車 (バトラーの車) がブラウンとラッシュの家の近くで見つけていた。
この2人の殺害もグリッソムによるもので間違いないと警察は踏んでいた。
同年7月7日、テキサス州ダラスにあるフォートワース空港でグリッソムは逮捕される。
グリッソムは空港の拘置所で7時間拘留された後、刑務所に移送された。
バトラーの車を見つけて調べると、車内からグリッソムの指紋が多く検出され、レネクサで警察から逃走したのがグリッソムだと判明する。
また、グリッソムの家を家宅捜索すると、ブラウンとラッシュのIDとアパートの鍵を見つけた。
グリッソムはバトラー、ブラウンとラッシュ殺害を認めた。
警察はグリッソムをバトラー、ブラウンとラッシュ殺害で起訴するが、この時点では3人共に死体が発見されていなかった (死体が一切見つかっていない状態での起訴というのは基本的に珍しい) 。
裁判が開かれると、約100人の証人が出廷し、証言した。
死体が発見されていなかった為、グリッソムが間違いなく犯人だと断定するのは難しかった。
検察は陪審員にグリッソムが犯人だと確定してもらう為、多くの証拠の材料と証言を提示した。
これらにより陪審員はグリッソムを犯人だと確信し、グリッソムに有罪判決を下した。
1990年11月20日、裁判でグリッソムには終身刑が言い渡された。
《殺人数》
5人
《犯行期間》
1976年~1989年6月26日
∽ 総評 ∽
5人の女性を殺害したグリッソム。
グリッソムは16歳の時に初めて高齢の女性を殺害したが、どういういきさつで殺害したのか全くわかっていない。
その後は20代前半の女性を標的としているので、この高齢の女性殺害はよくわからない。
ただ、16歳という年齢で連続殺人を行うというのは、グリッソムの異常性がかなりのものだと言える。
しかし、いくら16歳という年齢といえ、人1人殺しておいてわずか2年で仮釈放というのは犠牲者や遺族が納得出来るはずもない。
この時に死刑や終身刑になっていれば、その後の被害はなかった。
バトラー、ブラウンとラッシュの死体は結局見つからなかったが、死体が発見されない状態で有罪判決が下されたがこれはアメリカでは極めて珍しい。
アメリカでは証拠が最も重要視され、証拠が何も無かった場合、無実になる事が多い。
「疑わしきは罰せず」という概念から言えば良い事だと思うが、証拠がなければ明らかに黒と思われる被告人も釈放される可能性がある。
アメリカは良くも悪くも証拠が全てであるという合理的な考え方の国柄といえる。
コメント
コメント一覧 (6)
しかし強姦殺人等はDNAが一致しても強姦は認められるが殺人を立件出来ない事例が数多あり「証拠第一」の意味が稀薄な気がします。
そして殺人を立件できても16歳だからなのか僅か2年で仮釈放されて凶悪化再犯しているので司法の在り方自体が問題と考えられます。
有期刑であろうが「再犯の怖れがある犯罪者」を釈放するのは社会的脅威以外の何者でもありません。
何度も述べていますが更生していない犯罪者は釈放されたら「次は捕まらないようにしよう」と思い「相手(や目撃者)を殺してしまえば良い」と志向し凶悪化してしまいます。
今回のクズ鬼畜は「死体が出ないと立件出来ない」事は熟知している!
司法の網が「如何に容易な抜け道」がある事を物語っています。
だからこその目撃情報を含む「状況証拠」で立件したのだと思われます。
殺人等の凶悪犯罪者は悪質悪辣になりますので初期段階で厳しく処罰(死刑が最も望ましい)すべきですね。
今回の記事でのアメリカ司法は最大限努力していると思えます。
死刑で無いのが非常に残念ですが・・・・・
私もそう思いますね。
本人が完全に否定していて状況証拠しかないというのならまだしも、それなりの条件が出揃っていれば問題は何もないと思います。
いくら16歳といえど2人殺しておいて2年で仮釈放はないですよね。
仰る通りそういった思考の凶悪犯罪者は非常に多い。
「次はへまをしない」という思考は異常にとって当然であり、それを改心させようというのは無理です。
犯罪は麻薬と一緒で、1度足を踏み入れるとそう簡単に抜け出せません。
民主主義ならば、多数決で決めるのが当然であり、凶悪犯罪者の更生する可能性と更生しない可能性であれば、更生しない可能性が圧倒的に高いので、それならば多数決で厳罰に処すべきです。
死刑が存在する州で何故このような判決になったのかは疑問が残りますが、いつも心のこもった長文のコメント、ありがとうございます。
軽過ぎますね。
仰る通りこうなったら囚人同士争って欲しいものです。
強姦もしている可能性は決して低くはないでしょう!
なのにたった2年で釈放するのは酷すぎます。
当然、この鬼畜はさらに凶悪化し、5人の犠牲者を出してしまったのです。
たった5人しか殺されていない様な書き方ですが
「もう次からは絶対へましないぞ」
と考え、証拠を隠していることも考えると、10人以上は被害者はいるでしょう。
なのに終身刑。
被害者、遺族の怒りはどこにぶつければいいのでしょうか?
こんなクズには性器を一切切断したうえで毎日24時間働かせて過労死状態にさせるか、アリゲーターのエサにさせたいです...
酷いですね。
被害者や遺族は涙を飲むしかないです。