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シェリー・ブルックス (アメリカ)
【1969 ~ 】



2001年8月、ミシガン州デトロイトのセント・ポールで、サンドラ・デイビス (53歳♀) の死体が発見される。

デイビスは強姦され頭を何度も殴られた後、クローゼットの中に押し込まれていた。


2002年1月22日、デトロイトでパメラ・グリーア (33歳♀) の死体が発見される。

グリーアは強姦されており、死体はデイビスと同じ建物で見つかった。


同年4月14日、デトロイトでマリオン・ウッズ・ダニエルズ (36歳♀) の死体が発見される。

ダニエルズは強姦されており、頭はレンガによって叩き割られていた。


同年4月22日、デトロイトでロンダ・マイルズ (45歳♀) の死体が空き地で見つかった。

マイルズは強姦されており、木製の椅子の脚で殴られ殺害された。


同年11月5日、ミシガン州ホルコムでテルマ・ジョンソン (30歳♀) が殺害される。

ジョンソンは強姦されており、死因は撲殺であった。


2005年10月18日、セント・チャルマースとセント・フランダースの間にあるガレージで、メリッサ・トストン (38歳♀) が死体で発見される。

トストンは強姦されており、硬化したセメントで殴られた事で殺害された。


2006年6月5日、身元不明な女性の死体が発見される。

女性は強姦されており、死因は頭部を鈍器で殴られ、その後、首を絞められた事によるものだった。

警察はこの5年間で起こった未解決の殺人事件の捜査を進めていた。

そして、早い段階で同一犯による連続殺人だと判断していた。

それは被害者が全員黒人で、年齢も比較的中年の女性であり、しかも、薬物中毒の売春婦であったからだった。

また、犠牲者は全員鈍器で殴られており、全裸にされた上に服で覆われ、足を広く開かれていた。


同年7月26日、45歳の売春婦がリンハーストの近くで襲撃される。

売春婦は強姦され、殴られて重傷を負ったが一命を取り留めた。

売春婦が警察に襲撃者について説明すると、それがシェリー・アンドレ・ブルックス (1969年1月22日生まれ) という男性である事が判明する。


同年7月30日、警察はブルックスを強姦と暴行の罪で逮捕した。

そして、すぐにブルックスのDNAを採取すると、これまで殺害された内の4人の体内に残されていたDNAと一致した。

肝心のブルックスの動機だが、警察はブルックスが困難な幼少期を過ごした為 (詳細不明) 、連続殺人に繋がったと見解を示した。


2007年3月7日、裁判でブルックスは一連の殺人で有罪判決が下され、同年3月27日、仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡された。



《殺人数》
8人
(他被害者多数)

《犯行期間》
2001年8月~2006年6月5日




∽ 総評 ∽

売春婦ばかり強姦して殺害したブルックス。

警察はブルックスが幼少時代、あまり恵まれた生活を送っていなかった為、このような異常な行為に及んだと供述した。

詳細はないが、おそらくそうであるのは間違いなく、肉体的精神的虐待を受けていた可能性は高いだろう。

ブルックスのように売春婦を標的とするのはシリアルキラーにとっては定番であり、容易に調達する事が出来るのがその要因であろう。

また、アメリカの売春婦は基本的に人生をドロップアウトしている人物が多く、行方不明になってもそれほど珍しい事ではない為、警察もまともな捜査を行わない事が多い。

その為、必然的に被害者が増え、しかも、解決しない事が多い。

ブルックスは2002年11月に殺人を行って以降、2005年10月に次の殺人を行うまで約3年間、殺人を行っていない。

理由はよくわからないが、おそらく微罪で捕まり刑務所に収監されていたのではないだろうか。

ブルックスが主に殺人を行ったデトロイトは、以前、ベンジャミン・アトキンズの時にも言ったが自動車の街として有名な傍ら、犯罪が増し、全米屈指の犯罪率を誇る。

1960年代には約150万人もいた人口が、現在約70万程に激減するという全米でもっとも荒廃の進む街であった。

こんな50年足らずで大都市の人口が半分以下になるという現象は日本ではとても考えられない。

そんな街では必然的にこのブルックスやアトキンズのような犯罪者が増えるのは当然で、ブルックスの存在はある意味当然と言えば当然なのかもしれない。