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ドナルド・ボーダーズ (アメリカ)
【1950 ~ 】



ドナルド・ユージーン・ボーダーズは、高校を卒業した後、1977年に結婚した。

ボーダーズは繊維工場で働いており、2人の子供に恵まれた。


しかし、1990代、ボーダーズは犯罪に手を染め始め、窃盗や強盗、暴行を繰り返し、何度も逮捕された。


2001年、ボーダーズは国境に接近し、無断で入国しようとして拘束され、州刑務所に収監された。


2003年1月、釈放されたボーダーズはノースカロライナ州シェルビーの通りで、ホームレスとして生活を送るようになる。

ロッティ・レッドフォード (85歳♀) はシェルビーの低所得地域に1人で住んでいた。

レッドフォードは若い頃はシェルビーの繊維工場で働いており、すでに一線を退いていた。


同年8月23日、レッドフォードの親戚が家を訪ねると、ベッドで横たわって死んでいるレッドフォードを見つけた。

警察は捜査を進めるが、レッドフォードの年齢を考え、他殺ではなく高齢による自然死だと判断する。

実際、レッドフォードの検死を行うと、心臓発作である事がわかった。

レッドフォードの甥ボビー・フィッシャーは、レッドフォードが殺害されたと信じていた。

フィッシャーはレッドフォードの顔や腕に傷がある事を知っていた。

また、レッドフォードの知人で未亡人のバーバラ・アン (♀) は、記者会見で
「2本の指で鼻を挟まれ口が裂けてるように見えた」
とレッドフォードを見た時にそう感じたと話した。

フィッシャーは殺人として捜査を進めてくれと警察に訴えたが、警察はフィッシャーの訴えを無視した。


同年9月20日、マーガレット・テッシーナ (79歳♀) の娘と孫が午前10時に家を訪ねた。

リビングにあるベッドでテッシーナは仰向けで横たわって死んでいた。

テッシーナは顔や腕、足に打撲痕があり、電話回線は何故か抜かれていた。

テッシーナの検死を行うと、テッシーナは強姦されていた事がわかった。

ただ、死因はわからなかった。


同年11月10日、リリアン・ムリナックス (87歳♀) が、ベッドで横たわって死んでいるのを隣人が発見する。

ムリナックスの体は全身傷だらけであり、正面玄関のドアは開いていた。

また、電話線は切られており、死因は同様わからなかった。

警察はシェルビーで立て続けに発生している老婆殺人を連続殺人として捜査を開始した。


2004年、捜査を進めていくと、警察はボーダーズを容疑者として疑い始める。


そして、同年3月20日、3人の老婆殺害で逮捕された。

警察はボーダーズを拘留する前に、ボーダーズに煙草を与え、吸い終わって捨てた吸い殻を拾い、DNA鑑定に回した。


同年8月、強姦されていたテッシーナの下着から精液を採取し、それをボーダーズが捨てた煙草の吸い殻のDNAと一致するか検査に回した。

しかし、何故か検査の結果が出るまで実に5年の歳月を費やす事となった。


2009年12月28日、テッシーナに対する強姦と殺人でボーダーズは起訴された。


2013年1月28日、3時間の審理の末、ボーダーズには仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡された。



《殺人数》
3人
(他犯罪多数)

《犯行期間》
2003年8月23日~同年11月10日




∽ 総評 ∽

老婆ばかり3人を殺害したボーダーズ。

ボーダーズのような老婆ばかりを襲う殺人鬼は意外に多く、珍しいという事はない。

ただ、ボーダーズが異質なのは、通常、老婆を襲う殺人鬼は強姦が当たり前だが、ボーダーズは1人しか強姦していない。

また、ボーダーズは電話の回線を抜いているが、コードを首を絞めるのに利用したわけでもなく、その理由がよくわからない。

ボーダーズの詳しい経歴はわからないが、普通に働いて普通に結婚しているので、それまではまともな人間のように思える。

1990年代に犯罪を犯し始める所をみると、ここからは想像の域をでないが、離婚が原因ではなかったかと思う。

離婚し、家族に見捨てられた事で自暴自棄になって犯行に及んだのではないだろうか。