トニー・アブレス (アメリカ)
【1954 ~ 】
トニー・アルヴィン・アブレスは、1954年12月28日、アメリカで生まれた。
アブレスは7人兄弟であった。
一家はフロリダ州セントピーターズバーグに移住し、アブレスはそこで育った。
しかし、1960年代、アブレスの母親は夫や子供を捨てた。
後に父親は母親がいなくなってから子供たちに緊張が張り詰めるようになったと語っている。
アブレスは成長するとヴァイオリンを演奏するようになり、才能もあって上達した。
また、明るく誰に対してもフレンドリーな性格であった。
アブレス13歳の時、しばしば家出するようになり、何ヵ月も家を空ける事があった。
1971年、アブレス16歳の時、初めての殺人を行い、逮捕され第一級謀殺で有罪判決が下された (どのような経緯で誰を殺害したのかは不明) 。
アブレスは刑期を12年務め、1983年に釈放された。
アブレスが釈放されてから5ヶ月後、警察はアパートで未亡人のアデリーン・マクラフリン (84歳♀) の死体を発見する。
検死を行うと、マクラフリンは強姦されており、死因は枕を顔にあてられた事による窒息死である事がわかった。
1987年、ローザ・パーク近くの森で遊んでいた子供たちが、精神病患者のデボラ・キソール (31歳♀) の死体を見つける。
キソールの死体の一部は布に包まれており、検死の結果、キソールは強姦されており、死因は首を絞められた事による絞殺であった。
このマクラフリンとキソール殺害は捜査を進めるも犯人逮捕に至らず、長らく未解決事件となった。
1990年、アブレスは当時交際していたマーレーン・バーンズ (♀) を殺害したとして逮捕された。
1992年、アブレスは有罪判決が下され、刑務所に収監された。
逮捕後、アブレスはDNAを採取されていたが、当時はまだ技術が進歩しておらず、結局マクラフリンとキソール殺害の有力な証拠とはならなかった。
しかし、2006年、DNA技術の進歩により、マクラフリンとキソールの体内からアブレスの精液が確認され、アブレスは未解決事件の犯人と断定された。
そして、アブレスを問い詰めるとマクラフリンとキソール殺害を認めた。
すでに逮捕され、有罪判決が下されて刑務所に服役していたアブレスだったが、マクラフリンとキソール殺害で終身刑が言い渡された。
∽ 総評 ∽
4人の女性を殺害したアブレス。
アブレスが異常になったのは母親の育児放棄と失踪にあると思われるが、父親は後に状況を語っている所から普通にいたと思われる。
アブレスは老婆や30代の女性と、強姦殺人というのは同じだが、相手に特にこだわりがなかった。
また、詳細はわからないが、16歳の時に初めて殺人を犯しており、その早熟振りもかなりのものだった。
アブレスはマクラフリンとキソールを殺害したが、当時、DNA鑑定の不正確さにより犯人と見なされず、後に技術の進歩により犯人と断定された。
この技術の進歩は良い事しかなく、今後、過去の未解決事件の真犯人が判明する事も増えると思われる。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・殺人数 4人
《犯行期間:1971年~1990年》
コメント
コメント一覧 (6)
大事ですね。
研究者からすると、基本的に父親はそれほど重要ではないそうですが、母親は相当大事ですね。
まあ自分のお腹で育てて生まれてくるので当然と言えば当然ですが。
まさにそのとうりです。
ただ管理人さんもご存じかとは思いますが、欧米ではその技術を使って切り裂きジャック事件やらブラックダリア事件の犯人を特定しようなんて人も出てきて、結構な無茶をやっているようです。
中には事件と同時代の某有名画家を犯人と決めつけて、貴重な遺作の絵を解体してDNA検査にかけてしまったパトリシアコーンウェルみたいな人もいるようで…(笑)
それはさすがに無茶ですね。
仮にDNAを採取したとしてそれが誰とも一致しなければそれば無意味な事ですし。
子供は親に (特に母親) 見捨てられる事ほど辛い事はないですからね。
何せ見捨てられてしまうと生きていけないので、嫌でも親にすがるしかない。
刑期って受刑者の更生の為にあるのであって、更生してないけど決まった刑期を過ごしたから釈放というのは違うと思います。