キャロライン・グリルズ (オーストラリア)
【1890 ~ 1960】
1953年5月11日、1人の女性が逮捕される。
逮捕されたのはキャロライン・グリルズという50代半ばの女性であった。
容疑は家族の殺害であった。
グリルズは1947年から家族を殺害し始めたとされ、殺害されたのはグリルズの継母クリティーン・ミケルソン (87歳♀) 、親族のジョン・ランドバーグ (♂) 、アンジェリーナ・トーマス (84歳♀) 、義理の姉妹メアリー・アン・ミケルソン (60歳♀) の4人であった。
また、グリルズは1953年4月13日に、更に2人の家族クリスティーン・ダウニー (♀) とジョン・ダウニー (♂) を殺害しようとした事も判明した (2人の体内からタリウムが検出された) 。
更に、クリスティーン・ダウニーの母エブリン・ランドバーグも殺害しようとしていた事がわかった。
同年10月、グリルズは4件の殺人と3件の殺人未遂で起訴された。
同年10月15日、裁判でグリルズには有罪判決が下され、死刑が言い渡された。
しかし、後に終身刑に変更された。
グリルズはシドニーにあるロング・ベイ刑務所に収監されたが、他の囚人たちから『Aunt Thally (サリーおばさん) 』と愛情を込めて呼ばれた。
1960年10月6日、胃潰瘍により腹膜炎を併発し、刑務所内の病院で死去した。
享年69か70歳であった。
《殺人数》
4人 (他殺人未遂3人)
《犯行期間》
1947年~1953年
∽ 総評 ∽
親族を次々と葬ったグリルズ。
グリルズの殺害方法は毒殺であったが、これは非力な女性には最もポピュラーな方法であった。
通常、グリルズのように家族を殺害する場合は、大抵が保険金目当てによる殺人であるが、詳細がないという事もあるがグリルズはそうではなかった。
その為、グリルズの動機が全くわからない。
また、グリルズは1947年から殺人を行ったとされるが、その時すでに60近い年齢になっており、そんな歳で殺人を始めるというのもかなり珍しい。
グリルズは少し古い時代の殺人鬼なので謎が多いが、ただの快楽殺人鬼なのかもしれない。
コメント
コメント一覧 (10)
老齢になり全く"刺激的"な事が無くなり、漫然とした老後で何もする事が無かったのが発端な気がします。
退屈な老後生活を脱する為に家族を病気にして世話を焼き看病する事にしたような・・・・・・代理ミュンヒハウゼン症候群であったのではないかと推測します。
【理由】タリウムは劇薬であり、量が多いと摂取した直後に症状が出てしまい如何な親族と云えども"毒物"と判断してしまう・・・・・・微量であれば倦怠感・発熱・間接痛や嘔吐で病気を装う事が可能です。
刑務所で"サリーおばさん"と呼ばれたのも面倒見が良い世話好きな性格(推測)が親しまれたと思います。
困った事にミュンヒハウゼン症候群は"虚構を装う事を認識していない"つまり「毒を盛ったのは自分じゃ無い」と証言します。
※全く淀み無く答え、挙動に不審な処が表れないそうです。
だからこそ死刑判決が終身刑になったのだと推測します。
※日本でも未成年がタリウムで事件を起こしていますがアレは毒物投与効果興味であってミュンヒハウゼン症候群は無関係。
指物の毒殺婦も胃潰瘍から腹膜炎を併発して、さぞかし激痛を伴って死んだ事でしょう。
ある意味、天罰と言えるかも知れませんね。
なるほど、きっかけがそういう場合はあり得ますね。
ある殺人鬼が「1度殺人の快感を知ったら抜け出せない」と言っていましたが、このグリルズも1度知ってしまい抜け出せなくなったのかもしれませんね。
代理ミュンヒハウゼン症候群の可能性も否定出来ませんね。
天罰ですね。
ただ、女性の殺人鬼は業者のように淡々と行うのが異様に恐ろしく感じます。
>悪趣味レディさん
タリウムとヒ素は定番の毒殺道具として有名ですが、昔は現在よりも間違いなく手に入れ易かったと思います。
国内外問わず、殺人事件は都市部が多いですが、
この事件は閉鎖的な村で起こったエンジェル・メーカー事件を連想させます。
ゲイシーの言葉を借りるなら、この犯人が異常だったというよりも、
「罰せられずに済むなら何でも許される」状況なら、
老若男女、どのような行動に出るか分からない怖さを感じます。
昔テレビで観たのですが、
女が恋人と結託して家族3人を殺害した事件は御存じでしょうか?
女の父親は交際に反対し、恋人に暴行を加えたそうです。
それを恨んだ恋人は女の両親を殺害。
女は何故か、幼い弟を刃物で滅多刺しにして惨殺したそうです。
動機は、弟が両親の愛情を独占した事への嫉妬だったらしいです。
恋人は二回りくらい年上で、女は恋人に父性を求めていたようです。
2人には3人を殺害した罪で、懲役300年が下った筈です。
女性が起こした事件としては、かなり執拗で残忍な部類です。
調べても見付けられないので、よかったら掲載お願いしたいです。
そうですね。
世界各国で起こってます。
似たような事件は過去に掲載しましたが、仰る事件は恐らく違うと思います。
今度調べてみます。
>名無しさん
まさにオーストラリアですね。
仰る通りさっさと駆除すべきでしたね。
結局、天寿を真っ当してますし。
沢山ありますね。
家族はもっとも標的とし易い相手なので、どうしようもないですね。
本当に欧米の凶悪犯罪者への名前の付け方はフランクで覚えやすいですね。
地名に殺し方を組み合わせたものや、経歴や見た目で名前をつけたり。
ただ、あまりに安直な名前の付け方は考えものです。
確かに覚え易いかもしれませんね。
安直なのは仕方ないですね。