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フランツ・フックス (オーストリア)
【1949 ~ 2000】



フランツ・フックスは、1949年12月12日、オーストリア・グララで生まれた。

フックスの両親は南スティリアで農場を営んでおり、そこで兄と共に育った。


フックスは子供の頃から物を作るのに興味を示し、技術的な才能に優れていた。

その為、教師はフックスの両親に助言し、フックスの才能をより伸ばす事の出来るライプニッツの学校への転入を薦めた。

そこで、フックスは数学と物理学で優れた才能を発揮した。

しかし、フックスは同級生に方言をバカにされ、いじめられた。

また、生徒だけでなく先生からも方言を指摘され、直すよう厳しく言われた。


卒業後、フックスはグラーツ大学に入学し、そこで物理学を学び、核の物理学者になる事を目標とした。

しかし、フックスは学校側とのトラブルにより退学を余儀なくされ、労働者としてドイツへ渡った。

フックスは初めドイツのフォルクスワーゲンで働き、その後、ヴォルフスベルクにあるダイムラー・ベンツで働いた。


1976年8月、オーストリアに戻ったフックス自殺未遂を図った。

病院に搬送されたフックスは何とか一命を取り留めたが、その後、2ヶ月間、入院する事となる。


退院したフックスだったが、その後、父親に促され精神病院に通院する事となった。


1977年、フックスの元同級生が経営している土木事務所に働き始め、そこで測量を行った。

事務所の同僚によると、フックスは仕事に忠実であったが、完璧主義で仕事に一切妥協がなかったという。

しかし、後にフックスは解雇されてしまい実家へ戻った。


1993年12月5日、フックスは3つの宛先に爆弾を入れた手紙を送る。

この手紙爆弾の最初の犠牲者は牧師のオーガスト・ヤーニッシュ (♂) とシルヴァーナ・マイクスナー (♀) であった。

2人は爆発により負傷はしたものの、命に別状はなかった。

オーストリア放送協会では数人が負傷し、オーストリアの首都ウィーン市長ヘルムート・ツィルク (♂) は爆発により左手の2本の指を失った。

この他数人が爆発によって負傷した。


1994年8月24日、警官テオ・ケルツ (♂) がバイリンガル学校で即興の爆破装置を見つける。

ケルツは爆弾を解除しようと試みるが、爆発してしまい、ケルツは両手を失ってしまう (しかし、ケルツは両手の移植手術を行ったが、これはオーストリアで初めての移植となり、その後、ケルツは回復している) 。


同年10月、フックスは4つの爆弾を仕掛けるが、これはどれも不発に終わってしまう。


1995年2月4日、フックスはオーバーウォルト記念館にパイプ爆弾を郵送し、この爆発によりピーター・サルコジ (♂) 、ヨゼフ・サイモン (♂) 、カール・ホルバート (♂) とアーウィン・ホルバート (♀) の4人が死亡した。


1995年6月、アラベラ・キースバウアー (♀) とディートリッヒ・スザミート (♂) 、そして、リューベックの副市長のもとに手紙爆弾が送られた。

キースバウアーとスザミートは自ら手紙を開いて負傷し、副市長に送られた物は開封した従業員が負傷した。


続いてSPDグループのCEO (最高責任者) と議会のメンバーに手紙爆弾が送られ、トーマス・ローター (♂) は右手の4本の指を失った。

また、この爆発で左手を負傷した人もいた。


同年10月、2人の外国人医師とマリア・ローリー (♀) が爆弾により負傷した。


同年12月11日、4つの手紙爆弾の内、2つが爆発し、アンジェラ・レセタリツ (♀) と母ルーク、ウィリとピーターの家族4人が負傷した。


1996年、フックスは内務大臣の継母キャスパー・アイネムに手紙爆弾を送るが、事前に警察が取り上げ事なきを得た。


1997年10月1日、警察官が不審な男性を目撃する。

その男性はフックスであり、フックスはその瞬間持っていたパイプ爆弾に火を点けて自殺を図った。

しかし、自殺は未遂に終わりフックスは逮捕されたが、爆発により両手を失い、警官は負傷した。


1999年3月10日、裁判でフックスは終身刑が言い渡された。


2000年2月26日、フックスは刑務所で電気カミソリのケーブルにより首を吊って自殺した。

享年50歳。



∽ 総評 ∽

『The Austrian Unabomber (オーストリアのユナボマー) 』と呼ばれ、6回に及び爆弾を送りつけて4人を殺害し、15人を負傷させたフックス。

爆弾魔というのは『ユナボマー』ことセオドア・カジンスキーを筆頭にそれなりに存在はするが、毒殺魔同様基本的にシリアルキラーの中では特殊な部類に属する。

爆弾魔は爆弾を作る頭脳と技術が必要な為、賢い人物ばかりだが、カジンスキーもそうだが、賢さが歪んだ方向に進み、暴走の一途を辿る事が多い。

フックスは若い頃は優秀で、将来を嘱望されていた。

それがちょっとしたきっかけでフックスの性格は歪んでしまい、フックスは世の中に対する恨みを抱くようになった。

フックスは26歳の時に自殺を試みており、その理由はよくわからないが、この時にはすでにフックスの精神状態は破綻したと言える。

フックスは逮捕の際、爆死を試みて両手を失った。

その様子をネットで確認出来るが、かつての将来を嘱望された人物とは思えぬ情けない姿である。

正直、見ていて哀れとしか思えず、首を吊って自殺した事は意味良かったと思う。

 

【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★☆☆☆
・殺人数 4人
(他負傷者15人)
《犯行期間:1993年12月5日~1996年》