マルコム・ベイカー (オーストラリア)
【1947 ~ 】
マルコム・ジョージ・ベイカーは、1947年8月13日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の州都シドニーで生まれた。
ベイカーは10代で結婚し、デイヴィッドという息子が生まれるが、後に離婚した。
ベイカーは1980年代後半にケリー・ギャノンという名の女性と交際するようになる。
ケリーはベイカーと交際を始めた時、まだ10代後半であった。
しかし、1992年9月、ベイカーとケリーは別れる事となった。
同年10月27日、銃で武装したベイカーはニューサウスウェールズ州テリガルにあるケリー (この時23歳) の住むアパートへ向かった。
この時、ケリーは妹のリサ (18歳) と一緒に住んでいた。
ベイカーは部屋に侵入すると、ケリーとリサを立て続けに撃って射殺した (リサはこの時、妊娠しており、同年12月に出産予定であったがお腹の胎児も死亡した) 。
そして、数日前からたまたまアパートを訪れていた姉妹の父親トーマス (43歳) は、この銃撃に驚き、通りに逃げたが、ベイカーに撃たれ死亡した。
また、姉妹の友人クリストファー・ゴール (22歳♂) も顔に銃弾を浴び、重傷を負った (おそらく遊びに来ていた) 。
その後、ベイカーはバトーベイにあるリゾート地へ向かい、10分後に到着した。
バトーベイには自身の息子であるデイヴィッド (27歳) が住んでおり、デイヴィッドは結婚し、生まれて間もない赤ん坊がいた。
ベイカーは家に侵入すると裏庭でデイヴィッドを撃って射殺した。
デイヴィッド殺害後、ベイカーは一旦家に戻る。
その後、ベイカーはワイオングのバトー湾へ向かい、午後10時頃到着した。
そこで、ベイカーはロス・スミス (35歳♂) とレズリー・リード (25歳♀) の家に侵入し、2人を撃った。
スミスは即死したが、リードはまだ息があり病院に運ばれた。
しかし、リードは病院に運ばれて2時間後に死亡した。
実はスミスとベイカーは顔見知りであり、2年程前にある事で対立し、仲が悪い状態が続いていた。
スミスとリードを撃った後、午後11時頃、ベイカーは自ら警察署へ赴き自首した。
ベイカーは6件の殺人と1件の殺人未遂で起訴され、1993年8月6日、裁判でベイカーには終身刑が言い渡された。
∽ 総評 ∽
『The Central Coast Killer』と呼ばれ、6人を殺害したベイカー。
ベイカーのような短期間に複数ヶ所で犯行に及ぶ者をスプリー・キラーと呼ぶが、ベイカーの場合少し異なる。
通常、スプリー・キラーは日頃に鬱憤が爆発し、目に見える者を無差別に襲撃するのが基本だが、ベイカーが標的としたのはほとんどが家族や知人であった。
ベイカーは標的とする相手をしっかり定め、躊躇なく殺害したが、これは恨みによるもので間違いないだろう。
ただ、元ガールフレンドを恨むのはわからないでもないが、実の息子を殺害した理由がわからない。
しかも、息子だけで妻や孫を殺害していない所をみると、完全に息子だけを標的にしている。
互いの関係性は詳しくわからない為、何故これほどの凶行に出る程、憎んでいたのかはわからない。
だが、恐らくベイカーの身勝手な恨みだったのではと思う。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 6人 (胎児と他負傷者1人)
《犯行期間:1992年10月27日》
コメント
コメント一覧 (7)
写真がやけに若かったので、「え、息子27歳?」と混乱しました。離婚してから、犯行に及ぶまではかなり時間があいているのですね。
最初から、憎んでいる人全員を殺して自首すると決めていたのでしょうか。それとも良心の呵責から自首しようと思い立ったのでしょうか。ぜひ後者の考えであって欲しいのですが、個人的には良心の呵責というよりも捕まるよりは自首するという考え方ではなかったかと思えます。
その空いている期間に色々あったんでしょうね。
仰る通りいい歳してって感じですよ。
恋に年齢は関係ないという事でしょうか。
>悪趣味レディさん
いえ、不謹慎ではないと思います。
私も実際そう思います。
そんな異常者と知り合ってしまい関係を築いてしまった事は少なからず本人の意向であり、誰のせいでもありません。
私もそうだと思いますね。
初めから自首するつもりだったんだと思います。
それは良心の呵責なんて殊勝な心掛けなんかではないと思いますね。
ただ、息子だけでなくその家族もだから違う類か。
関係ないけれども強制収用所ねたを以前に見ましたけどチェチェンで同姓愛者用のが作られたらしいですね。
まあ、やりそうな国だと思ってたけどそこまでするなんて、北朝鮮と変わんないですよ。
すいません、関係ない話で。
日本を含め世界でも同じような事件は起きてますね。
ただ、この事件は少し異質な気がします。
同性愛者用の収容施設ですか、凄い話しですね。
いえ、ためになりました。
元カノ殺してから一気に火がついたのですかね、息子まで殺さなくてもいいようだけど。
あまりにスピードが早い。
恨みほど根深いものはないですね。
また、恨むというのは誰でも容易に簡単に出来ますし、もの凄いパワーを有しますからね。
全てがどうでもよくなって殺害に至ったのか、当初から殺害する予定だったのか、真相は本人にしかわからないですね。