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ナスラ・アル=エネジ (クウェート)
【1986 ~ 】



2009年8月15日、クウェート・ジャフラで結婚式が行われていた。

結婚式場にはいくつかのテントが建てられ、その中で行われており、多くの女性や子供が結婚を祝っていた。

しかし、その最中、各テントで火の手が上がる。

火は瞬く間に広がりわずか3分足らずで燃え広がった。

結婚式に参列していた人々はパニックとなり、一斉に出口に向かって逃げ始めた。

だが、テントは出入口が1つしかなく (この出口1ヶ所というのは防火規則違反であった) 、ほとんどの人がテントから出る事が出来ず炎に包み込まれた。

結局、この火事による犠牲者は少なくとも57人となり、90人が負傷するという大惨事となった。


翌日、火事は意図的に放たれた放火によるものだとわかり、犯人が逮捕される。

逮捕されたのは、ナスラ・ユセフ・ムハンマド・アル=エネジという23歳の女性であった。

ナスラは結婚式当日、10トンものガソリンを用意し、それを撒いて火を放った。

肝心のナスラの動機だが、実は結婚式を上げていた男性はナスラの元夫であり、再婚を恨んでの犯行だという事がわかった。


裁判が開かれると、炎に包まれたテント内は摂氏500度は優に超え、930度に達していたのではと専門家が答えた。

ナスラは犯行は突発的であり計画的でないと述べ、また、ナスラには2人の知的障害の子供がおり、酌量を求めた。


しかし、2010年3月30日、ナスラには死刑が言い渡された。

余談だがこのナスラによる57人という犠牲者の数は、クウェートにおける民間人による事件としては過去40年で最悪の災害であった。

また、クウェートで40年以上前から死刑が導入されてからナスラは73人目となった (しかし、実際は2007年以降死刑は行われていない) 。



∽ 総評 ∽

『The 2009 Kuwait wedding fire』と呼ばれ、元夫が再婚する結婚式場にガソリンを撒いて火を放ったナスラ。

その時の様子は専門家が語る通り凄まじく、幸せとは真逆の出来事が起こってしまった。

ナスラと元夫がどのような結婚生活を送り、どのような経緯で別れたのか詳しくはわからないが、これほどの凶行に出るくらいなのでよっぽど恨んでいたのだろう。

もしかしたら元夫の浮気による離婚だったのかもしれない。

基本的にナスラはマス・マーダラーと呼べるだろうが、仮に瞬間大量殺人とした場合、歴代3位となる犠牲者の数となる (歴代2位の禹範坤も57人なので、実際は2位タイ。ただ、禹範坤は61人とも56人とも言われている) 。

また、女性が犯したあらゆる殺人 (連続殺人や瞬間大量殺人等) の中ではトップクラスの犠牲者数である。

クウェートという国柄なのか、犯人が女性だったからなのかはわからないが、ナスラの目にはモザイクが入っている。

事件の衝撃の凄まじさなのからかもしれないが、女性は事件当時23歳であり、モザイクを入れる理由がわからない (個人的には未成年でも関係ないと思うが) 。

ただ、ナスラが元夫を恨むのは勝手だが、それなら元夫だけを刺すなり何なりして殺せばよく、他の全く関係ない人を巻き添えにするのは、身勝手でとても許される事ではない。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★★☆
・残虐度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 57人
(他負傷者90人)
《犯行期間:2009年8月15日》