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ディマーカス・ラルズ (アメリカ)
【1984 ~ 】



ラルズの母親は薬物依存症であり、そんな母親はラルズの育児を放棄した。

そんな家庭環境で育ったラルズは子供の頃から性格が歪み、暴力的で問題をよく起こすようになり、荒んだ生活を送るようになった。

その後、ラルズはカリフォルニア州オークランドにある『Nut Cases (狂人達) 』という名のギャングに入る。

このギャングはメンバーが6人で形成され、オークランドで最も暴力的だと言われていた。

また、ギャングメンバー6人の内、1人はラルズの兄であった。

ギャングの一員となったラルズは、メンバーと共に犯罪の限りを尽くしていく。

そして、次第にラルズはギャング内でも頭角を現していき、メンバーの中でも最も狂暴で暴力的だと言われるような存在となる。


2002年12月25日、ラルズはメンバーと共にダグラス・ワース (♂) とキース・マッキー=ハリス (♂) 、そして、ジェリー・ダックワース (♂) を射殺する。


2003年1月6日、ラルズはメンバーと共にサニー・タック (31歳♀) を射殺する。


そして、同年1月にラルズはメンバーと共に逮捕された。

肝心の4人殺害の理由だが、基本的には強盗目的ではあったが、ラルズは単純に殺人を行いたかっただけだと述べた。

また、ラルズは2002年10月に殺害されたジョセフ・メーブリー (♂) の殺害にも関与していたが、この殺人に関しては他のメンバーが主体であった為、裁かれる事はなかった。


ラルズを含む『Nut Cases』のメンバーは5つの殺人と20以上の強盗の罪で起訴された。

裁判で検察側は
「残酷で無慈悲な犯罪者」
とラルズの事を痛烈に避難し、検察側はラルズに死刑を求刑した。

だが、ラルズの弁護側は、ラルズの生い立ちを述べた後で
「彼は生活の中で (立ち直る) チャンスがなかった」
と語り、情状酌量を求めた。


2006年7月7日、裁判でラルズは仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡された。


最後に殺人について聞かれた際のラルズの言葉で終わりたいと思います。

「単にスリルを味わいたかっただけだ」



∽ 総評 ∽

ギャングの一員として5人を殺害したラルズ。

ラルズは殺人を行った時、18、9歳という若さであったが、ギャングなので年齢的には珍しくはない。

アメリカでは未成年によるギャング団はいくつも存在し、集団で犯罪を行い警察を悩ませている。

以前、掲載したバーナード・ゲッツも、ニューヨークの地下鉄で『サブウェイ・ヴィジランティ』というギャングの少年4人に襲われている。

日本で言う所の暴走族のようなものだが、このラルズのように殺人まで平気で起こしてしまうギャングの凶悪性はその比ではない。

ラルズは弁護側は生い立ちを理由に酌量を求めた。

確かに生い立ちは可哀想であるが、だからと言ってやった事が許される事はない。

弁護士は仕事だからしょうがないが、自分の妻や子供が殺されたとして「相手の生い立ちが悲惨だから許そう」となるのだろうか。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・殺人数 5人

《犯行期間:2002年10月~2003年1月6日》