ニコラ・ラドサブリエビチ (セルビア)
【1968 ~ 】
2007年7月27日午後5時、ニコラ・ラドサブリエビチは妻エレナと店で食事を摂っていた。
しかし、30分後、突然ラドサブリエビチがエレナの顔を殴った。
殴られた衝撃でエレナは倒れた。
そして、ラドサブリエビチは店を出て家に向かい、5分後、猟銃を持って通りに出た。
その後、ラドサブリエビチはたまたま通り掛かった通行人を次々と撃ち始めた。
この銃撃により9人 (男性5人、女性4人) が死亡、3人が負傷した。
銃撃が行われた場所は、ルーマニアとブルガリアの国境近く、ネゴチン郡ジャブコバクという村であった。
銃撃後、ラドサブリエビチは逃走するが、警察がすぐ捜索を始める。
警察はラドサブリエビチが逃走したと見られる墓地へ向かい、ヘリコプターでも追跡を始めた。
翌日の28日、警官がラドサブリエビチを発見した。
実はラドサブリエビチは墓地で自ら胸に4発撃って自殺を試みていた。
しかし、命に別状はなくその場で逮捕され、病院に運ばれ治療が行われた。
怪我の回復後、ラドサブリエビチはセルビアの首都ベオグラードに移送され、裁判にかけられた。
しかし、裁判でもラドサブリエビチの精神状態が異常であると判断され、死ぬまで刑務所内にある精神病院に入院させられる事となった。
肝心のラドサブリエビチの殺害動機は不明であったが、ラドサブリエビチは事件を起こす前、長らくオーストリアで働いており、セルビアに戻って来たばかりであった。
オーストリアでは犯罪歴もなく、普通に生活を送っていた。
しかし、ラドサブリエビチはオーストリアで黒魔術や呪術に魅了されており、それが原因ではないかと囁かれた。
事件後、当時のセルビアの内務大臣ドラガンは、
「今回の事件は非常に大きな悲劇です。我々は過去50年間、このような事件を見た事がありません。彼は犠牲者を選ばなかった。彼は老人や子供、邪魔な者を全て排除しました」
と述べた。
最後に逮捕後のラドサブリエビチの言葉で終わりたいと思います。
「私は家を出てランダムに殺した」
∽ 総評 ∽
『The Jabukovac Killer (ジャブコバクの殺人者) 』と呼ばれ、9人を射殺したラドサブリエビチ。
ラドサブリエビチのような銃撃事件はアメリカでは日常茶飯事であり珍しくもないが、内務大臣の言っている通り、セルビアでは珍しい。
ラドサブリエビチは妻を突然殴り、その勢いのまま銃を持ち出し銃撃を行ったが、その理由がいまいちわからない。
オーストリアにいた時に黒魔術に魅了され、その影響だと思われるが、ラドサブリエビチが元々興味があったのかオーストリアという異国の地でたまたま触れたのかはわからない。
自殺している所を見ると良心の呵責が少しはあったのかと思われるが、胸に4発撃って死んでいない所からあえて致命傷を避けるように撃った可能性も否定出来ない。
本人は未だ健在なので、いずれ本当の原因がわかる時が来るかもしれない。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・殺人数 9人 (他負傷者3人)
《犯行期間:2007年7月27日》
コメント
コメント一覧 (7)
もともと神経症を患っていたのかもしれませんが、だからといって許される事ではないですよね。
凶行が起きていつ死ぬかわからないし
仰る通りわけのわからない事件ですよ。
元々精神異常だった可能性はありますが、普通に結婚している所を見ると日頃はまともだったような気がしますし。
人間、何を考えているか本当の所はわからないという事ですね。
>名無しさん
いつ撃たれるかわからないというのは生きていくのはきついですね。
店にいても撃たれるかもしれない、歩いているだけで撃たれるかもしれない、そんな事考えたらまともに生きていけないですよ。
客観的に見て銃社会の国って生きづらそう
凶行が起きていつ死ぬかわからないし
それはあるかもしれませんね。
紛争とか内戦が続くとまともな精神状態でいるのはかなりたいへんだと思います。
震えるくらい異常な事件なのは間違いないですね。