リー・マーティン (アメリカ)
【1937 ~ 1972】
1967年5月20日、アニー・ルシール・デドモンド (♀) が殺害される。
このデドモンド殺害は夫が誤認逮捕され、有罪判決を受けた。
この時、リー・ロイ・マーティン (当時30歳) は工場労働者として働いており、結婚し子供は3人いた。
典型的な家庭の父親として、このデドモンド殺害でマーティンが疑われる事はなかった。
1968年2月7日、ナンシー・キャロル・パリス (20歳♀) の死体が橋の横で発見される。
パリスの夫はパリスが行方不明になった時に警察に通報しており、検死の結果、パリスは強姦されており死因は絞殺だと判明した。
ナンシー・クリスティーン・ラインハート (14歳♀) が殺害される。
ラインハートの体はブラッシュ・パイル山の中で見つかり、発見された時、片足だけが地面から突き出ていた。
検死の結果、ラインハートは強姦され、死因は同じく絞殺であった。
同年2月8日、マーティンは『The Gaffney Ledger (ガフニー元帳) 』の編集者ビル・キボンズに電話する。
そして、これまで殺害した3人の女性の死体場所を教えた。
この時点ではまだ情報が世間に公表されていないにも関わらず、場所も名前も的確であった事にギボンズは驚き、すぐに警察に連絡する。
これにより、デドモンドの夫が無実だと判明し、後にデドモンドは釈放された。
4日後の2月12日、マーティンは再びギボンズを電話で呼び、
「今後、より多くの殺人が起こるだろう」
と警告する。
翌日の13日、オパール・ダイアン・バックソンが行方不明となる (バックソンはマーティンによる最後の犠牲者となるのだが、報道では14歳とも15歳と発表され、正式な年齢は不明) 。
バックソンは妹とスクールバスの停留所へ向かっている途中、マーティンに掴まれ、車のトランクに無理やり投げ込まれた。
警察がバックソンの死体を発見したのは数日後で、雑木林の中で見つかった。
しかし、バックソンが拉致された時、地元住民であるヘンリー・トランソーとレスター・スキナーが、近くの雑木林を徘徊するマーティンの姿を確認していた。
トランソーとスキナーがマーティンの姿を確認した近くでバックソンの死体が発見された。
同年2月15日、マーティンは逮捕された。
マーティンの殺害動機についてはよくわからなかったが、マーティンの母親は、マーティンが暴力的な性格でそれを制御出来ない二重人格であったと述べている。
1969年、マーティンには4つの終身刑が言い渡された。
1972年5月31日、刑務所に収容されていたマーティンは、別の刑務所の受刑者ケネス・ラムゼイに刺し殺された (マーティンを刺したラムゼイは、 後に自殺している) 。
享年35歳。
∽ 総評 ∽
『The Gaffney Strangler (ガフニーの絞殺魔) 』と呼ばれ、少女ばかり4人を殺害したマーティン。
マーティンがどのような幼少期を過ごして来たか詳細がない為わからないが、二重人格者だった事から虐待を受けていた可能性はある。
マーティンの母親は息子の事を二重人格者と供述したが、これは精神科医に正式に診断されたものかどうかはわからない。
ただ、普通に結婚して子供を3人持つ平和な家庭を築いていた事からその可能性は十分あるだろう。
マーティンは終身刑を言い渡され、服役している最中、囚人に刺されて殺害された。
マーティンは刑務所の中と言えど生き永らえる事が出来たので、マーティンを殺害した囚人に拍手を送りたい。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・殺人数 4人
《犯行期間:1967年5月20日~1968年2月13日》
コメント
コメント一覧 (4)
二重人格だとわかっていたのならカウンセリングを受けさせるなど然るべき処置をとるべきではなかったのでしょうか。
アメリカのシリアルキラーに多いパターンですね。
家庭では良い夫良い父親、陰では殺人を繰り返している。
私も信じられませんが、おそらく全くの別物なのでしょう。
奥さんに隠れてパチンコに行くようなもので、隠れて殺人を行うのでしょうね。
二重人格と思ってるのに放置というのは恐ろしいですよ。
何やらかすかわからない人間をほっといて何とも思わないとか凄いですよ。
誰しも多少はそういう部分はあると思いますが、流石にこれほどではないですからね。