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アンドレイ・チカチーロ (ロシア)
【1936 ~ 1994】



アンドレイ・ロマノヴィッチ・チカチーロは、1936年10月16日、現在のウクライナ共和国スムスカヤ州ヤブロチュノアで生まれた。

父をロマン、母をアンナといい、チカチーロには兄ステパンと妹タチアナという兄妹がいた。


1930年代に発生した『ウクライナ大飢饉』の時に突然、兄ステパンが姿を消してしまう。

その事を母アンナに尋ねると、
「食べられてしまった」
と答えた (詳細は不明だが、当時はあまりの食料不足により実際に子供を食べるという事は多々あった) 。

この母親の言葉が、幼いチカチーロに非常に大きな衝撃を与えた。

父ロマンがナチス・ドイツの収容所からの生き残りだった為、チカチーロの家族は地元の村ではよく思われていなかった。

ロマンが生き残ったのは、命乞いをしたからだと陰口を叩かれたのだった。

しかも、チカチーロは自身がインポテンツである事に悩んだ。

また、非常に小さい自身の陰茎を「存在がないもの」と思い込むようにし、「これは神の意思だ」と信じるようにした。

そんなチカチーロは自身の陰茎を無意識にいじる癖が身に付いていた。

しかも、チカチーロは非常に目が悪く、極度の近視であり、12歳になってもおねしょ (夜尿症) が治らなかった。

更にチカチーロは自身の乳首の異常な長さに悩んだ。

それが理由で小学校の時には同級生に
「おかま」
と呼ばれバカにされた。


チカチーロは高校生になると、一転して体格が良くなり、校内でも腕っぷしが強くて有名となった。

小学校の時に「おかま」と呼ばれていたチカチーロは、高校では「チカチーロ・シラ (シラは強靭という意味) 」と呼ばれるようになっていた。

思春期を迎えたチカチーロだったが、同級生の女の子に興味を示すが、自身の数々のコンプレックスの為に付き合う事は出来ず、自慰行為に耽るのが精一杯であった。


1954年、チカチーロ18歳の時、妹の同級生タニヤ・バラ (13歳♀) が家にやって来る。

大人びたバラを見たチカチーロは背後から襲いかかり強引に性交渉を試みるが、インポテンツだったチカチーロは勃たなかった。

勃たなかったが何とか射精に至ったチカチーロに対し、バラは
「なにこれ、バカみたい」
と罵声を浴びせた。

自身の不甲斐なさと、13歳の少女にバカにされた事で、チカチーロは大変なショックを受ける。


そんなチカチーロは大学に行く為にロシアの首都モスクワに向かうが、希望の大学を落第してしまう。

だが、別の大学に入学したチカチーロは、タチアナ・ナリツナド (17歳♀) と恋に落ちる。

そんなナリツナドにチカチーロは2度、性交渉を試みるがチカチーロは相変わらず勃たなかった。

このままではナリツナドに嫌われると思い焦ったチカチーロだったが、一生懸命なチカチーロに対してナリツナドは侮蔑の表情で蔑み、それ以降2度とチカチーロと会う事はなかった。


その後、チカチーロは軍に入隊し、ニツニ・タジリに配属される。

チカチーロの勤務態度は良好で、同僚からの評判は良かった。


軍を除隊したチカチーロは24歳の時、ロディオノホ・ネスタビィエフスキという町に住み、電話工として働き始めた。

この町でチカチーロは少女と出会い、その少女を想い自慰行為に耽った。

また、仕事の昼休みに自慰行為を行い、それを同僚に見られ笑われた事もあった。

この頃からチカチーロはか弱い女性や少女が自分の手によって抵抗出来ず意のままになるという妄想を抱くようになる。

そんな兄を心配した妹のタチアナは、チカチーロにフェーニャ・オドナチェバ (♀) という友人を紹介した。


1963年、チカチーロはフェーニャと結婚し、1965年にリュドミラ (♀) 、1969年にルーリー (♂) という子供が生まれた。

その後、チカチーロはノヴォシャフチンスクで小学校の先生となる。

しかし、チカチーロは教師としては無能であり、生徒から
「でくのぼう」
と呼ばれるようになる。

チカチーロが働き始めて半年くらい経つと、チカチーロは不用意に女子生徒を触るようになり、女子生徒の下着を盗んではそれに射精するという行為を繰り返した。


そして、1973年3月、校外授業でチカチーロはリューバ・テレンタイエバ (15歳♀) という生徒の胸を掴み、股間を揉み出した。

テレンタイエバが悲鳴を上げた為、生徒たちが駆けつけたが、チカチーロは離すのを止めなかった。

この時、チカチーロは性器を露出していた。

すぐにテレンタイエバの両親から学校に報告があり、チカチーロは呼び出されるが、

「溺れそうな所を助けようとしただけ」

と弁明し、学校側もこのチカチーロの意見を受け入れた為、チカチーロには何のお咎めもなかった。

更にチカチーロはアーニャ・ニコライエバ (14歳♀) という生徒も校内で襲いかかり、ニコライエバは窓から脱出して事なきを得た。

さすがに今回は言い訳は通らず、チカチーロはついに退職させられた。

そして、ロシアが誇る怪物は (当時はソ連) 、ついに暴走を始める。

②に続く



* 追伸 *

ブログ開設2周年を記念して『ロシア史上最悪のシリアルキラー』アンドレイ・チカチーロを数日間に渡って掲載していきたいと思います。

皆さんもよくご存知のシリアルキラーだと思い新鮮味がないかもしれませんが、読んでいただけると嬉しいです。