マキシム・ペトロフ (ロシア)
【1965 ~ 】
マキシム・ウラジーミロヴィッチ・ペトロフは、1965年、ロシアで生まれた。
ペトロフは1997年からサンクトペテルブルクにあるバシリエフスキー島に暮らし始める。
ペトロフはそこで医師として訪問医療を行った。
そして、ペトロフは医師という立場を利用し、犯罪を繰り返すようになる。
ペトロフは何の連絡もせずに突然家を訪ね、自分が医者だという事を説明する。
その後、無料で診断すると話し、血圧を計らせてもらえるよう頼んだ。
血圧を計った後、注射が必要だと話し、ペトロフは注射をする。
だが、もちろん相手は健康で注射など必要なく、ペトロフは注射器に麻酔薬を注入しており、それで相手を昏睡状態にした。
その間、ペトロフは家の中を物色し、現金や指輪、ピアスなどの貴金属を盗み逃走した。
被害者は麻酔が切れると目覚め、初めて物を盗まれた事に気づいた。
当初、ペトロフは相手を殺さず、ただ麻酔薬を注入していただけだった。
1999年2月2日、ペトロフは30件目の強盗に入った。
ペトロフはいつも通り年配の女性に麻酔をかけ、その間に家の中を物色していた。
しかし、女性の娘が帰って来てしまう。
焦ったペトロフは突発的に娘をドライバーで刺し殺した。
そして、昏睡状態の女性が目覚めてしまうと、犯行が発覚してしまうと判断し、女性をストッキングで首を絞めて殺害した。
これをきっかけにペトロフは犯行手口を変えるようになる。
ペトロフは異なる種類の致死量の薬物を混入し、それを注入する事で直接殺害するようになる。
そして、金品を盗んだ後、証拠隠滅の為に家に火を放って逃走した。
この手口でペトロフは2000年までに最低でも12人を殺害した。
しかし、この頃には警察も捜査を進めており、犠牲者の家から盗んだ盗品が、市場で他人が販売しているのを見つける。
そして、情報を集めた警察は犯人のモンタージュ写真を作成した。
警察は700人に及ぶ医療従事者の男性を徹底的に調査した。
2000年1月17日、警察はペトロフが地元の保健センターにいる所を逮捕した。
逮捕された際、ペトロフは結婚しており、子供も3人いた。
ペトロフはこれまでの殺人を認め、昏睡強盗は全部で47件に及んだ。
ペトロフが供述したのは全部で12人であったが、警察は少なくとも19人は殺害しているとみていた。
事件が公になると、メディアはペトロフを『Doctor Killer (殺人医師) 』または『Doctor Death (死の医師) 』と呼んだ。
しかし、ペトロフは数ヶ月後、供述を変え、ペトロフは拘留中に受けた激しい精神的な圧力を非難した。
2002年、裁判でペトロフは12人の殺害と6人の患者に対する傷害で有罪判決が下され、終身刑が言い渡された。
∽ 総評 ∽
『Doctor Killer』または『Doctor Death』と呼ばれ 、麻酔を注入して金品を盗んで殺害したペトロフ。
今まで医者や看護師などの医療従事者による連続殺人は、過去に何人も紹介している通り特に珍しくもない。
ただ、このペトロフは血圧を計って注射を促し、そして、殺害するという医療従事者の中でもかなり独特な殺害方法であった。
こういった犯罪を繰り返す場合、大抵が医師と偽り医師免許を持たない人間が行う事が多いが、ペトロフは実際に医師であり、そういう点では珍しい。
医師という立場を利用し、昏睡状態にして金品を奪って殺害するというのは卑劣極まりなく救いようがない。
ただ、致死量の薬物による殺害というのは、犠牲者は苦しまずに死んでいると思うので、残虐に殺されるよりはましかもしれない。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 12人 (警察は19人以上と見解)
《犯行期間:1999年2月2日~2000年1月》
コメント
コメント一覧 (9)
訪問医療などで「注射が必要だ」と言われれば大抵の人は信用してしまうのではないかと思います。訪問看護や介護の多い日本でもこのような事件が起こり得るかもしれませんね。
誰だって信じますよね。
医者の言う事なんか間違いないと思いますし。
私も何度か入院した事ありますが、医者に投与された薬なんか何の疑いも持たなかったですからね。
詳細は下記のリンク先を参照してください。今年6月1日放送の『奇跡体験!アンビリバボー』でも取り上げられています。
http://www.cool-susan.com/2015/11/05/%E8%85%8E%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6/
私も当時放送観ました。
恐ろしい話しですよね。
空想の話しではなく、実際にあった話しですからね。
日本だけ何もないという事はあり得ないので、まあそれほど不思議な事ではないんですけどね。
考えもしなかったんでしょうね。
自分の家庭は世間体的にちゃんとしている良きパパを演じているだけだの隠れ蓑に過ぎないのだと思います。
自分が楽しければ良いだけで、子供が知ったらとか子供の将来とかどうでもよかったんだと思います。
仰る通り一刻も早く処分して欲しいですね。
ソ連崩壊後なのにも関わらず、苦もなく貴金属を手に入れられるのが、不思議だったからね。医者と言ってもそれほど稼げない。社会主義体制と崩壊の煽りで経済が停滞してて、町医者程度では言うほど裕福ではなかったはず。殺人からが、やっぱり分岐点だね。心のタガが外れた。多少の良心は残ってたのだろう。
以外とロシアは医療の先端を行ったりしている。プラシーボ効果(偽薬)や低体温治療や臓器移植の先駆け。
さすがお詳しいですね。
確かにそう言われるとそれほど裕福ではなく、その為、昏睡強盗繰り返したんでしょうね。
仰る通り殺人が分岐点でしょうね。
それまではまだ医者としての良心が少しはあったように思われます。
ただ、そんな人間も少しのきっかけでこうなってしまうとは、恐ろしい限りですね。