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アック・ヤーダヴ (インド)
【1972 ~ 2004】



アック・ヤーダヴ (別名バーラト・カーリーチャラン) は、10年以上、罰を受けずに地元の女性を強姦し、虐待していた。

長い間、ヤーダヴが逮捕されなかった理由はヤーダヴが賄賂を渡していたからだった。

地元の警察はヤーダヴから賄賂を受けとると、犠牲者を助けはするが、ヤーダヴを逮捕する事なく、しかも、犠牲者がヤーダヴを告訴しようとするとそれを取り下げさせた。

その為、被害者はどんどん増えていった。

それは地元の住民は全員周知の事実であり、犠牲者や地元の女性たちはやりきれない怒りで鬱憤が溜まっていた。

ヤーダヴは数多くの女性を強姦し、そのうち最低でも3人を殺害した。

そして、ヤーダヴは殺害すると死体を鉄道の線路に投げ捨てた。


2004年8月13日、ヤーダヴは女性を強姦した罪により、ナグプル地方裁判所に警官に付き添われ出廷する。

法廷にはヤーダヴを一目見物しようと多くの犠牲者や遺族が集まっていた。

そこで、ヤーダヴは傍聴人の中に、自身が以前、強姦した事のある女性を見つける。

そして、ヤーダヴはその女性に対して

「売春婦!」

と口汚く罵った。

すると、そのヤーダヴの暴言に怒りが頂点に達した女性はヤーダヴに殴り掛かった。

その女性の行動が口火をきり、次々と傍聴に来ていた女性達がヤーダヴに襲い掛かった。

ある者はヤーダヴに石を顔面に投げたり、チリパウダーをかけたり、また、数人の女性はナイフでヤーダヴを何度も突き刺した。

あまりの勢いに付き添っていた警官もなす術がなかった。

結局、ヤーダヴへの集団暴行に参加した女性は200人にも上った。

集団リンチを受けたヤーダヴはその場で絶命し、刺された回数は70回に及んだ。

この時、ヤーダヴ32歳であった。

最後に被害者の1人がヤーダヴの陰茎を切り取った。

この前代未聞の出来事に法廷は騒然となり、大理石で出来た法廷の床は血で真っ赤に染まった。

だが、ヤーダヴ殺害後、リンチに参加した女性の内、5人が逮捕された。

しかし、この逮捕を受けて、民衆が大規模の抗議運動を起こした為、その抗議を受けて女性たちは解放された。


2012年、ヤーダヴの甥アマン・ヤーダヴが刺し殺される。

アマンはヤーダヴの共犯者とも言われ、また、アマン自身も多くの女性を強姦していた。



∽ 総評 ∽

長年に渡り多くの女性を強姦し、賄賂で罪を逃れ最後はリンチにより殺されたヤーダヴ。

賄賂で罪を逃れる事がそもそも問題であるが、法廷で犠牲者を罵った事で、ヤーダヴは仕返しされてしまった。

法廷の警護レベルもどうなっているのかと疑ってしまうが、ヤーダヴは強姦を賄賂で見逃してもらっており、その悪行に天罰が下った。

『リンチ自体許せない。しっかり法廷で裁かれるべき』
と思う方も沢山いると思うが、私個人的にはヤーダヴの自業自得以外の何物でもなく、女性たちを責める気にはとてもなれない。

賄賂で罪を逃れられるというのはインドらしいと言えばそれまでたが、犠牲者や遺族が納得出来るわけがない。

もし、ヤーダヴが死刑ではなく、実刑で将来出所してきたならば、また、強姦する可能性すらある。

正直、ヤーダヴ本人も当然だが、賄賂を受け取り見逃した警官もリンチされても文句言えないだろう。

ただ、男性ではなく多くの女性にリンチを受けて死ぬというのは非常に珍しく、そういう意味ではヤーダヴは歴史にその名を刻んだ。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★★☆
・残虐度 ★★★★★★★☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★★★☆
・殺人数 3人以上
(他強姦多数)
《犯行期間:1994年?~2004年》