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ペドロ・ブラボー (アメリカ)
【1993 ~ 】



ペドロ・ブラボーにはクリスチャン・アーギュラー (♂) という中学校時代からの親友がいた。


2009年、2人は同じ高校に進学する。


ある日、ペドロが同じクラスのエリカ・フリーマンという名の女の子を好きになる。

奥手であったペドロに対してクリスチャンがペドロの為に協力し、そのおかけでペドロはフリーマンと友達になることができた。

その後、ペドロはフリーマンと交際する事となる。

学校からの帰宅の際は、ペドロとフリーマン、そして、クリスチャンの3人で帰るほど仲が良かった。


だが、2011年、高校卒業を間近に控え、受験勉強に追われるようになると、ペドロとフリーマンはすれ違いが多くなり、2人は別れる事となる。

その後、高校を卒業したペドロとクリスチャンは大学に進学し、ペドロは地元の大学に、クリスチャンはフロリダ州ゲインズビルにあるフロリダ大学に進学した。

離れ離れになってしまった2人であったが、友情はその後も続いた。


高校卒業から3ヶ月後、クリスチャンは偶然フリーマンと再会する。

フリーマンも地元を離れており、2人は高校以来の再会であった。

2人は昔話に花を咲かせ、その後、よく会うようになり、一緒の時間を過ごすようになる。

そして、2人は一緒に多くの時間を過ごしていく内に互いに惹かれ合い、交際する事となる。

クリスチャンは親友の元カノの付き合う事になったのだった。

しかし、交際してすぐフリーマンは
「ペドロには黙っていて欲しい」
とクリスチャンに頼む。

クリスチャンは理由を聞くと、実はフリーマンは最近、ペドロから

『もう1度会って話がしたい』

というメールが届いたというのだった。

ペドロからのメールは1度だけでなく、何度も送られてきたのだが、すでにペドロに気持ちがなかったフリーマンは返事を送らず、敬遠していた。

クリスチャンはフリーマンの話しを聞き、
「それならペドロに黙っていた方がいい」
という事になった。

しかし、そんな時、フリーマンにペドロから

『君のいる街に引っ越して来た』

というメールが届く。

更に

『もう1度会ってくれなければ自殺する』

というメールも届いていた。

このメールを受け、フリーマンは仕方なくペドロと会う事にする。


数日後、フリーマンはペドロと再会した。

フリーマンは高校以来ペドロとは会っていなかった。

すふと、ペドロはフリーマンに

「クリスチャンと付き合っているだろ?」

と切り出した。

フリーマンは高校卒業以来クリスチャンと会ってないと否定するが、ペドロは

「じゃこれはなんだ?」

とフリーマンとクリスチャンが会っている写真を差し出す。

実はペドロは2人が会っているのを隠し撮りしており、全て知っていたのだった。

その事をフリーマンはクリスチャンに相談すると、クリスチャンは
「あいつは親友だから、話せばわかってくれる」
と言い、クリスチャンはペドロと会う事となった。


数日後、クリスチャンはペドロと会った。

2人は高校卒業以来、初めての再会であった。

2人の姿をレコード店とスーパーマーケットの監視カメラが捉え、スーパーマーケットの駐車場にあったペドロの車が動いたのは2時間後であった。


2012年のある朝、警察にフリーマンとペドロが駆け込んだ。

フリーマンが警官に、
「クリスチャンがいなくなった」
と述べた。

フリーマンは昨夜からクリスチャンが帰らず、しかも、電話もまったく繋がらなくなったと話した。

実はフリーマンは戻らないクリスチャンを心配し、昼間会っていたはずのペドロに電話していた。

ペドロは

「知らない。スーパーの駐車場でクリスチャンと言い争いになって、クリスチャンは俺の車を降りてどこかへ行ったんだ」

とフリーマンに話していた。

警官は詳しい事情をペドロに聞くと、

「ちょっとした口論になったんです。そして、彼が『止めろ!』と言ったから車を停めると、降りて行ったんです。私は腹が立ったので彼の顔を殴りました」

と答え、警官が何回殴ったんだと聞くと

「1度だけです」

とペドロは答えた。

しかし、すぐに

「何度も殴ったら気絶したので、車から降ろして帰りました」

と話が二転三転していた。

警官はペドロが犯人ではないかと疑い始める。

そして、ペドロは自ら墓穴を掘る。

ペドロは

「クリスチャンは本当に良いヤツでした」

と述べたのだった。

この時点でクリスチャンの生死はわかっておらず、まるでクリスチャンがすでに死んでいると知っているかのような発言であった。

この発言により警察はクリスチャン殺害をペドロによるものだと断定し、徹底的に捜査する事となった。

すると、ペドロの車から血痕が見つかり、それがクリスチャンのものだと断定された。

更にペドロの家を家宅捜査すると、クローゼットの中からクリスチャンのリュックが発見された。

その事をペドロに突き詰めるが、ペドロはクリスチャン殺人を全面的に否定する。


同年9月28日、ペドロはクリスチャン殺害で逮捕される。

そして、クリスチャンが失踪してから22日後、クリスチャンの死体が発見される。

クリスチャンの死体は粘着テープでぐるぐる巻きにされていた。


2014年8月、ペドロの裁判が始まる。

しかし、ペドロは一貫してクリスチャン殺害を否定し続けた。

証人として呼ばれたフリーマンは、ペドロから送られたメールを法廷で公開する。

更に、検察側はペドロが書いていた日記も公開する。

日記にはフリーマンに対する歪んだ愛情の数々が記されていた。

だが、それでもペドロは犯行を否認した。

しかし、法廷にマイケル・アンジェロという名の男性が出廷する。

アンジェロはペドロからクリスチャン殺害の詳細を聞いていた。

ペドロがクリスチャンと全く同じ殺害方法で他に3、4人殺せば、他に真犯人がおり、自分の嫌疑が晴れると述べ、同様の手口で人を殺してくれとアンジェロに頼んだのだった。

アンジェロが言うには、ペドロがクリスチャンの首を紐で13分程絞めたら死んだと述べたという。

また、クリスチャン殺害当日、ペドロは何かを探すふりをしにクルマの後部座席に移動し、用意していたベルトでクリスチャンの首を絞めて殺害。

その後、本当に死んでいるか確認する為に、死体と2時間過ごしたのだった。

スーパーの駐車場に2時間いたのはその為で、監視カメラにしっかりとその様子が映し出されていた。

また、ペドロは殺害数日前にシャベルと粘着テープを購入していた事もわかり、シャベルを調べると、付着した土がクリスチャンの死体に着いていた土と同じだと判明した。


これらの証拠から、ペドロはクリスチャン殺害で有罪判決となり、終身刑が言い渡された。



∽ 総評 ∽

元カノと交際した親友に嫉妬し、殺害したペドロ。

痴情のもつれによる殺人というのは珍しくもないが、男性でしかも親友というのがこの事件にインパクトを与えている (親友というのが逆に怒りを増殖させたのかもしれない) 。

ペドロは元々陰湿で陰険な性格であり、クリスチャン殺害の犯行を隠蔽する為に、友人に同様の手口で他に3、4人殺してくれと頼む辺り、とてもまともな人間性とは言えない。

事件を見る限り、もちろん全ての非はペドロにあるが、クリスチャンとフリーマンにはもう少し配慮があっても良かったかもしれない。

なぜなら、本当の親友で未だに縁があるのなら、元カノと交際した事をペドロに言う必要があったであろう。

交際しているという事実はいずれわかる事だ。

ペドロはまだ気があるとアピールしているのにこっそり付き合っているとなれば、それは誰だって穏やかなはずがない。

それが性格に難のあるペドロはであれば尚更だ。

もちろん、ペドロの性格を考えると、最初から本当の事を言ったからといって何も起きなかったとは限らない。

ただ、嘘をつかれるというのはただでさえ陰湿な性格が、悪意が満ちた凶気に追い込む可能性が高い。

付き合う事になった時点で、2人でペドロを真摯に説得すれば、こんな悲劇にはならなかったかもしれない。

隠し事や嘘というのは後になればなるほど、こういった悲惨な結末を招く可能性があるのだと痛感した。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★★★☆☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★☆☆☆
・殺人数 1人

《犯行期間:2012年》