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カ・ヤング (アメリカ)
【1976 ~ 】



カ・ヤングはアメリカ・カリフォルニア州サクラメントで、子供4人と住んでいた。


2011年3月17日、警察に一報が入る。

ヤングの生後わずか2ヶ月の末娘ミラベル・タオ=ロが大火傷を負ったというのだった。

連絡をしたのはヤングの家族で、ミラベルは搬送された時、全身60%もの火傷を負っており、すでに意識がなかった。

そして、病院に搬送されてから間もなく死亡する。

警察がヤングに事情聴取すると、ヤングは元々てんかん持ちであり、自宅でヤングがミラベルを抱いたままパソコンに向かって仕事をしていた。

すると、突然の発作が起こり、気を失ってしまう。

しばらくして意識を取り戻すと、ストーブの側で寝ていたミラベルが大火傷を負っていたとヤングは警察に語った。

ヤングが実際にてんかん持ちという事も判明し、警察は当初はヤングの言う通り事故だと考えた。

だが、捜査を進めると、電子レンジの中にミラベルが使用していたおしゃぶりが見つかり、警察がヤングを問い詰める。

すると、ヤングはミラベルを電子レンジに入れて加熱して殺害した事を自供した。

そして、ヤングは

「自分の中にもう1人の人格が存在する。ミラベルを電子レンジに入れた時にてんかんの発作が起こってしまい、意識が朦朧としていた」

と供述した。

ミラベルの検死を行うと、全身60%の火傷以外にも電磁波による放射線火傷が内臓にも達している事がわかった。

また、全体の損傷状況から、ミラベルは最低でも2分半から5分間は電子レンジで加熱されていた事もわかった。


2015年11月13日、サクラメント最高裁判所で裁判が行われ、ヤングのてんかん歴が焦点となった。

ヤングの弁護士リンダ・パリシは
「ヤングには犯罪歴や児童虐待をした事がなく、てんかん発作後に意識障害を起こし、錯乱状態にあったと思われます。それらが要因でミラベルを傷つけたのであり、意図的に傷つけたわけではありません」
と法廷で供述した。

しかし、ヤングには終身刑が言い渡された。

てんかんとミラベル殺害は関連性がないという裁判所の判断であった。


実はこのヤングのように電子レンジに子供を入れるという虐待は、アメリカでは過去にも起きていた。

2005年8月、オハイオ州デイトンで、当時25歳の母親が生後わずか1ヶ月の娘を電子レンジに入れ、2分間加熱し、ミラベル同様放射線火傷による内臓損傷で殺害した (母親にはヤング同様終身刑が言い渡されている) 。

2007年5月、アーカンソー州では当時19歳の父親が2歳の娘を電子レンジに入れ、10秒程度加熱し、全身に火傷を負わせて逮捕された事件も発生している。


余談だが、残されたヤングの3人の子供たちはヤングの家族が引き取っている。



∽ 総評 ∽

生後間もない我が子を電子レンジに入れて殺害したヤング。

普通の殺人でも残酷だが、電子レンジに加熱して殺害するというのは更に酷くて残酷だ。

映画『グレムリン』で主人公の母親がグレムリンに襲われた際、グレムリンを電子レンジ (記憶違いでなければ) に入れて殺害するシーンがあるが、子供の時に見て衝撃を覚えた記憶がある。

その残酷な事を平然と実の母親が行ったのだ。

確かに、もし虐待や日頃から子供を殺そうと思っていたのなら、他の3人の子供を手にかけていてもおかしくないし、もっと前に殺していても不思議ではない。

計画的でなく突発的なのは合っていると思うが、かといっててんかんのせいにしてはいけないと思う。

てんかんの症状に精通しているわけではないが、弁護士が言っている「錯乱状態」だった為、ミラベルを殺害したというのはいくらなんでも無理があるだろう。

個人的にはまだ生後2ヶ月という事なので、仕事中に泣き止まない娘に対し苛立ちを募らせ、黙らせるつもりで電子レンジに入れたのではなかったのかと推測される。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★★★★☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 1人

《犯行期間:2011年3月17日》