ヴィンセント・グティエレス (アメリカ)
【1978 ~ 2007】
ランディ・アローヨ (♂) はマツダ『RX―7』に類似した車を買った。
アローヨは本来、RX―7を買いたかったのだが、高くて買えなかった為、仕方なく類似した車にしたのだった。
そこで、アローヨはパーツを手に入れる為、RX―7を盗もうと考える。
アローヨはその願望を叶えるべく、友人のクリストファー・シュアスト (♂) の家に行き、ヴィンセント・グティエレス (1978年10月1日生まれ) を呼んで3人で話し合う事となった。
3人はホセ・コボ (40歳) という男性が所有する赤いRX―7を奪う事で話しが固まる。
コボはアメリカ空軍にキャプテンとして所属している軍人であった。
話し合った翌日の1997年3月11日、3人はコボのRX―7が停めてあるアパートの近くのビルまで車で向かった。
コボは仕事に向かう為、RX―7に乗り込もうとすると、グティエレスとアローヨが銃でコボを脅した。
コボは走って逃げようとしたが、グティエレスはコボの背中を銃で撃った。
コボの体は撃たれた反動で飛ばされ、グティエレスはコボのRX―7を奪って逃走した。
しかし、アローヨとシュアストは怖くなり、警察に行き、コボ殺害を自白した。
2人の自白により警察はグティエレスを逮捕した。
裁判でグティエレスが逮捕される前、友人にコボを殺した時の様子を笑って話した事がわかった。
アローヨには当初、死刑が言い渡されたが、事件当時18歳未満であった為、後に終身刑に変更となった。
シュアストは最も罪が軽いとされ、加重強盗で懲役35年が言い渡された。
コボ殺害の実行犯であるグティエレスには死刑が言い渡された。
アローヨと違い、グティエレスはコボを直接殺害している事と、年齢が2人と違って18歳であった為、死刑が確定した (シュアストも18歳未満であった) 。
2007年3月28日、グティエレスはテキサス州で致死量の注射による死刑が執行された。
享年29歳。
グティエレスのスペシャル・ミール (最後の特別な食事) は、5つのチーズ・エンチラーダ、玉ねぎ、トマト、2つのハラペーニョ、一房のブドウ、アイスクリームとバナナ・ミルクセーキであった。
また、処刑される直前の最後の言葉は
「起こった状況は残念だと思います。私は悪です。その為、私はここにいます」
であった。
∽ 総評 ∽
車のパーツを欲した友人の為に協力し、直接手を下したグティエレス。
グティエレスは車のパーツが欲しい本人ではなく、頼まれて協力したに過ぎないが、殺人という最も残忍な仕事を行った。
パーツを欲したアローヨともう1人の協力者シュアストは犯行後、怖くなり警察に駆け込んだが、グティエレスは友人に殺人を笑って話す異常振りであった。
3人の中でその凶悪性はグティエレスだけが群を抜いていたと言える。
アローヨは憧れの車を買えず、仕方なく類似した車を買い、その為、憧れの車のパーツを奪おうという考えは安直過ぎてまるで子供の発想である。
個人的に思うのだが、欲しい車そのものを盗まず、パーツを盗もうという発想がよくわからない。
盗んだ車を運転すると捕まると考えての事かもしれないが、どのみち動機としては短絡的で救いようがなく、3人もろとも死刑が良かったのではと思う。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 1人
《犯行期間:1997年3月11日》
コメント
コメント一覧 (4)
個人的には殺害したヴィンセントより発案者のアローヨに腹が立ちます。こいつが言い出さなかったら今回の事件はなかった訳ですし。年齢が達してなかったからって罪を軽くするのは納得できないです。
仰る通り「類は友を呼ぶ」の典型ですね。
確かに、計画は発案者が最も罪が重い事が多いですね。
私も年齢が18歳に満たないという理由で罪が軽くなるのは許せないですね。
満たないといっても17歳ですよ?
ほとんど一緒と言っても過言じゃないですよ。
ましてや、自動車を購入できるのならそれなりの生活をしているわけですから、少し考えれば分かりそうなものでしょうに。
とは言うものの、私たちが暮らす日本でも似たような事件が絶えません。遊ぶ金欲しさに強盗や殺人に手を染め、割に合わない刑罰を課せられて刑務所に入れられて人生を無駄にしてしまうくらいなら、もう少しましな生き方できるだろうと思ってしまう今日この頃です。
確かに子供ですね。
仰る通り我慢するのが普通です。
2本でも強盗や窃盗はもちろんありますが、これほど短絡的なものはそうはありません。
まあ思考が子供のまま止まってしまったのでしょう。