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モーガン・メンジェル (アメリカ)
【1976 ~ 】




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スティーブン・シャッペル (アメリカ)
【1989 ~ 】



モーガンにはケビンという夫がいた。

1997年に出会った2人は、すぐにお互い惹かれ合い付き合う事となった。


交際してから1年後、モーガンはケビンの子供 (娘) を生む。

その後、夫婦で一緒に仕事がしたいと、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアで造園会社を設立する。

夫婦には2人目の子供 (息子) が生まれ、夫婦は幸せな生活を送っていた。


2010年6月、ケビンの父マイケルがモーガンに連絡するが、ケビンは電話に出なかっただけでなく、返信もなかった。

また、ケビンは毎日母親と最低1回は連絡を取っていたが、急に連絡が取れなくなった。

ケビンの兄弟や姉妹も連絡するが電話に出なく、メールを送っても返信がなかった。

不安に思った家族は警察に通報する。

通報を受けた警察がケビンの自宅を訪ね、妻のモーガンに話を聞いた。

すると、モーガンは警察にケビンは行方不明ではなく、自分から勝手に出て行ったと説明し、ケビンから送られて来たというメールを見せた。

モーガンは警察にケビンは自分や子供たちを捨てて出て行ったと強調した。

また、モーガンは最近仕事が上手くいっていなく、ストレスを抱えていたとも話した。

その後もケビンの家族は何度も連絡を取ったが、電話に出る事はなかったが、何故かメールの返信だけはあった。

それには「1人になりたいだけ」や「僕に構わないで欲しい」という内容が記されていたのたが、メールは返すのに電話に出ないのはおかしいと思っていた。

そこで、家族は実はケビンとモーガンは何年も前から結婚生活が上手くいっていなかった事を告げる。

数年前にはケーブルテレビの料金をモーガンが払わず、自分の為だけにお金を使っていた事があり、万引きで逮捕された事もあったと警察に話した。

ケビンはモーガンの素行の悪さに辟易し、家族に相談していたのだった。


そんな中、モーガンはケビンが失踪してわずか1週間足らずで、スティーブン・シャッペルという男性と同棲を始める。

実はスティーブンはケビンとモーガンが経営していた造園会社に勤務しているまだ21歳の青年であった。

モーガンは同棲を始めた理由を、ケビンがスティーブンに自分がいない間、子供たちの面倒をスティーブンに頼んだ為であったと説明した。


警察はスティーブンに事情聴取する。

すると、スティーブンはモーガンとの不倫関係を認め、モーガンから言い寄って来たと供述した。

警察はスティーブンとモーガンの共通の邪魔者であるケビンに何かしたのではないかと問いただすが、スティーブンは口を閉ざし黙秘した。

しかし、警察はこのスティーブンの取り調べでスティーブンとモーガンがケビン失踪に何らかの関係があると確信する。


警察はモーガンとスティーブンの住む家で張り込みを開始する。

すると、2人が荷物を車に積み、その後、車を発車させた為、警察は追い掛けた。

2人が乗った車はケビンが経営する造園店にやって来る。

そして、モーガンが車から降り、造園店の倉庫内に入ると、スティーブンは車を走らせその場を去った。

警察がモーガンに尋問すると、モーガンはスティーブンがケビンを襲ったと警察に話した。

警察署に連行されたモーガンは、

「スティーブンが私を自分のものにする為ならなんでもすると言った」

と警官に話し、更にモーガンは

「スティーブンがケビンの頭をシャベルで殴った」

と供述した。

警官が
「では今まで何故スティーブンをかばっていたのか?」
とモーガンに問うと、モーガンは黙秘した。

その後、警察は電話会社に連絡をとり、モーガンとスティーブンの通信記録を調べた。

すると、2人の赤裸々は不倫メールのやり取りが判明する。

モーガンがケビンを殺害すれば、子供たちはもちろん、造園店をスティーブンが手に入れられると、スティーブンを言葉巧みに誘惑し、ケビン殺害を促す。

そして、2人は液体ニコチンで毒殺する方法をサイトで見つけ、早速スティーブンは液体ニコチンを作った。

この凝縮された液体ニコチンは、数滴で人を死に至らしめる程の殺傷能力があった。

モーガンはその液体ニコチンをケビンの好きな『Snapple (アメリカの飲料) 』という飲み物に入れた。

早速、ケビンは液体ニコチン入りの飲料を飲むが、死ななかった。

焦ったスティーブンはモーガンに連絡する。

そして、スティーブンはシャベルで直接ケビンを何度も殴って撲殺した。

スティーブンはケビン殺害後、モーガンに連絡をとり、モーガンは殺害現場にやって来た。

モーガンとスティーブンは早速ケビンの死体の処理を実行し、ケビンの死体を布で巻き、紐で縛ると一旦、造園店に隠した。


ケビン殺害から4日後、死体を森に運び埋めた。

モーガンは警察の取り調べで、逃げ切れないと悟ると全ての罪をスティーブンに着せた。

スティーブンがケビンの死体を埋めている間、モーガンはケビンの携帯からケビンの家族にメールを送り、無事である事を偽装したのだった。


しかし、通信記録を突き付けられたモーガンは逮捕され、同年6月27日、スティーブンも逮捕される。


裁判でスティーブンには懲役40年が、モーガンには仮釈放なしの終身刑が言い渡された。


最後に逮捕されたスティーブンが取り調べで、ケビン殺害の様子を聞かれた際に語った言葉で終わりたいと思います。

「僕の中で何かが壊れたんです」



∽ 総評 ∽

13歳も年下の男性と不倫の末、邪魔な夫を不倫相手を利用して殺害したモーガン。

愛憎による殺人は女性に顕著に見られ、以前にも同様な殺人を犯した女性を何人も紹介してきた。

ただ、モーガンはまだ若いスティーブンを熟女の色香で虜にし、夫殺害に利用する残忍さを見せた。

いつも思うのだが、夫を殺すと決めた際、なぜ、もっと相手の事を知っておかないのだろうか?

夫が母親や家族とよく連絡を取っていたのは妻のモーガンが知らないはずはない。

夫を殺せば、当然家族と連絡が取れなくなるので、不審に思われるのは当たり前だ。

また、自分の日頃の素行の悪さにより、夫の失踪後、疑惑の目が自分に行くのも当然だ。

もし、緻密に殺害計画を考えるなら、嘘でも何ヶ月間は良い妻を演じきり、疑惑の目が少しでも自分に向かないよう努力するべきだ。

だが、所詮、その程度の人間なので、そんな計算を出来るわけがないが。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 1人

《犯行期間:2010年6月》