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ヘンリー・ルーカス (アメリカ)
【1936 ~ 2001】



ルーベン・ムーアは、『祈りの家』というクリスチャンの信徒村を主宰しており、ルーカスとベッキーはそれに参加する事となる。

すると、次第にベッキーの考え方が変わっていく。

その事を心配していたルーカスだったが、再び『死の腕』からの依頼により、オーティスと共に殺人を繰り返していた。


だが、しばらくしてベッキーに会うと、ベッキーは今までの考え方は間違えており、神について真剣に考えるべきだとルーカスに訴えるようになっていた。

ベッキーは食事前に祈り、ルーカスを教会に連れて行こうとする。

そして、教会で今までの行いを懺悔するようルーカスを説き伏せた。

ルーカスはそんなベッキーを無理やり連れ出した。

車中でベッキーは両親に会いたいと言った為、フロリダへ向かい、途中でモーテルに泊まった。

そして、ベッキーはルーカスに再び神様について話し掛けた。

ルーカスが無視すると、怒ったベッキーは箒でルーカスに殴りかかった。

気付くとルーカスはベッキーの喉を切り裂いており、ベッキーは死んだ。

ルーカスは泣き崩れ、ベッキーの死体を車に積むと、オーティスの元へ向かった。


オーティスはベッキーの死体を見ても
「気にするな」
と言って笑った。

そして、オーティスはベッキーを死姦し、解体して食べた。

食べ切れないベッキーの死体は切り刻むと荒野に捨てた。

だがルーカスはベッキー殺害後、まるで別人よように殺人に対して精彩を欠くようになる。

『死の腕』で培った隠蔽技術を駆使する事もなく、まるで逮捕して欲しいかのように証拠を残すようになる。


1983年6月11日、ルーカスはケイト・リッチ (83歳) 殺害で逮捕された。

リッチはベッキーが改心するきっかけを作った老婆で、ベッキー殺害後にルーカスによって殺害されたのだった。

逮捕されたルーカスは今まで3000人を殺害したと自供する。

ただし、これはあくまで本人自供であり、実際には360人程度だと推測されている (ただし、ルーカスには虚言癖がある為、この数字も疑問が残る。ちなみに確実なのは11人) 。


後にルーカスはモンタギュー郡の刑務所に移送され、そこでキリスト教に目覚める。

そして、これまでの行いを懺悔するかのように、全ての罪を自白するようになる。

これにより、放火の罪で逮捕されていたオーティスは、殺人罪が訴追され、死刑判決が言い渡された。


ルーカスにはオーティス同様死刑が言い渡されており、1998年に執行される予定であった。

だが、当時のテキサス州知事であったジョージ・W・ブッシュが、証拠不十分を理由にルーカスの死刑を延期にした。

以前に何人かの死刑執行の項目で紹介してきた通り、ブッシュは死刑強硬派で、罪を悔い改めた死刑囚への助命嘆願を無視したり、冤罪の可能性のある死刑囚等も容赦なく死刑執行にサインしてきた (先日、掲載したカーラ・タッカーはまさにそうである) 。

それはブッシュが任期中に存在した153人の死刑執行に対し、152人への死刑執行を行うという凄まじさで、その唯一の1人がルーカスであった。

その為、ルーカスへの死刑延期は異例中の異例な出来事であった。


その後、ルーカスはあらゆる犯罪に精通している事から、未解決事件等の助言を行い、数々の事件解明に協力した。


2001年3月13日、ルーカスはテキサス州ウィリアムソン郡ジョージタウン刑務所で、心臓発作により死去。

享年64歳。

ルーカスの遺体を引き取りに来た家族は誰もいなかった為、刑務所で埋葬された。


⑥に続く