フランシスコ・アセベド (アメリカ)
【1968 ~ 】
1968年、アセベドはアメリカ・コネチカット州で生まれた。
アセベドは12歳の時にはコカインやマリファナ、アルコールに手を出す荒んだ生活を送っていた。
アセベド14歳の時、両親は離婚し、アセベドは父親に引き取られた。
その後、アセベドはコネチカット州メリデン公立高校に通った。
アセベドは10代の頃にはすでに付き合った女性に対し暴力を振るうサディスティックな性格になっていた。
高校を卒業後、アセベドは建設労働者やピザ専門店のコック、パン屋や食器洗い機の販売等の仕事に就いた。
だが、アセベドは裏では性的暴行や窃盗罪、脅迫等、あらゆる犯罪を繰り返していた。
1986年7月3日、アセベドは会社のピックアップトラックで女性を迎えに行き、閑静な場所に向かった。
そして、そこで女性の手を背中に回して縛り、目隠しをして強姦した。
その後、女性をトラックに乗せ走らせるが、コネチカット州メリデンでトラックが止まってしまう。
そこで、再び女性を強姦した。
強姦して満足したアセベドは寝てしまい、その隙に女性は逃走して警察に駆け込んだ。
逮捕されたアセベドは、第一級性的暴行と第二級窃盗罪で有罪となり、懲役10年が言い渡された。
1988年6月にアセベドは仮釈放された。
1989年2月5日、ニューヨークのブロンクスに住む売春婦マリア・ラモス (26歳♀) が、暴行され、強姦された挙げ句、絞め殺された。
ラモスの死体はニューヨーク州ヨンカーズの通りで見つかったのだが、全裸で仰向きにされ、背中で両手を縛られた状態であった。
ラモスの死体からは体液が採取されたが、誰のかはわからなかった。
1991年3月28日、タワンダ・ホッジス (28歳♀) が同じく強姦され、絞め殺された。
ホッジスも売春婦で、ラモス同様ヨンカーズのラドロー通り橋の近くで発見され、全裸姿で仰向き、両手を背中で縛られていた。
ホッジスの死体からも体液が採取され、ラモスの死体から採取されたものと一致した。
1996年5月24日、キンバリー・ムーア (30歳♀) がヨンカーズのモーテルで全裸死体で発見される。
ムーアも強姦され絞殺されており、仰向きの全裸姿で、両手を背中で縛られていた。
警察は3件の殺人が同様の手口であった事から同一犯によるものだと断定し捜査を進めるが、犯人特定には至らなかった。
ムーアの死体からも体液が採取され、結局全ての体液のDNAが一致した。
アセベドは1997年11月11日までヨンカーズのサラトガ通りに妻リゼット・サンチァゴ (30歳) と住んでいた。
しかし、アセベドは妻に対する暴行容疑で逮捕され、第三級暴行容疑で訴えられた (後に退けられている) 。
1998年8月30日、ヨンカーズのカリル通りを歩く夫婦の妻の顔を殴った。
妻は鼻を怪我してしまい、この事でアセベドは逮捕される。
アセベドは9ヶ月間、刑務所で過ごす事となった。
釈放されたアセベドは、ニューヨーク州ベイ・ショアに移り住み、そこで2人の息子に恵まれた。
2009年1月、ニューヨークのブレントウッドを車で走行していると、飲酒運転で捕まってしまう。
2009年5月12日、飲酒運転容疑で逮捕されたアセベドは、更生施設に収容される事となったのだが、この頃には警察は連続殺人の犯人をアセベドだと確信していた。
そこで、警察はアセベドからDNAを採取する。
アセベドのDNAを調べた所、殺害された3人に残された体液のDNAと一致した。
これにより、2010年4月、アセベドはヨンカーズにおける3件の殺人容疑で逮捕された。
逮捕されたアセベドは無罪を主張する。
裁判でアセベドが住む家の隣人ヴィンセント・ダン (38歳) は、アセベドを
「静かで常に親しみ易い人でした」
と語り、更に
「とてもこのような凶悪な事件を起こすように見えなく、私に多大な衝撃を与えた」
と供述した。
実は当初、FBIのプロファイリングでは、犯人はテッド・バンディのようなIQの高い白人男性だと思われていた。
それが、蓋を開けてみると、眼鏡を掛けて太ったヒスパニック系の男だと分かり、FBIはプロファイリングとあまりにかけ離れた犯人を前に衝撃を隠し切れなかった。
裁判で判事は
「被告の犯行は容赦なく非人間的で、個人による恐ろしい犯罪である」
とアセベドを批難した。
また、ラモスの娘シャリシャ (26歳) は、母親が殺害された時、わずか3歳であったが、裁判で
「私は彼が永遠に人生を苦しむ事を望みます」
と発言した。
2012年1月17日、3件の殺人で有罪判決となったアセベドには、懲役75年と終身刑が言い渡された。
∽ 総評 ∽
長年に渡り間隔を空けて殺人を行ったアセベド。
アセベドは逮捕されるまで最後の殺害から14年経っており、アセベドの連続殺人はコールド・ケースとなっていた。
アセベドがなかなか捕まらなかった理由として1回1回の殺人の間隔が空いている事が挙げられる。
また、アセベドは他に微罪で何度も捕まっていた為、殺人事件とは関係ないと思われていたのだろう。
ただ、殺害された遺族からしてみれば、たまったものではない。
アセベドのようにアメリカのシリアルキラーには、普通の生活を送っているにもかかわらず、陰で殺人を行っている者も少なくない。
しかも、大抵の場合は隣人や近所の住民からは好印象をもたれている事が多い。
そんな裏の顔を持つ夫に気付かない妻は多いが、もともと疑ってもいないので気付かないという事なのだろうか?
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・殺人数 3人 (他犯罪多数)
《犯行期間:1989年2月5日、1991年3月28日、1996年5月24日》
コメント
コメント一覧 (10)
早速訂正させていただきました。
お知らせ頂いてありがとうございます。
変換でゴールドになってしまったと思われます。
また何かありましたら連絡お願い致します。
日本だと勝田清孝とか有名ですね。我が国の極めて猟奇的な未解決事件もまだまだありますし、実際のところ恐ろしいですね…。
そうですね。
犯行がバレないようにあえて間隔を空けたり広範囲で行っている人物もいると思いますが、そんな事全く気にしないで行う人物も沢山いるでしょうね。
このアセベドもどちからと言ったら後者だと思います。
ぼくもそう思います。
これは生粋のサディストによる行き当たりばったりの犯行ですね、制御不能な欲情が原因です。
FBIは知能犯だと思ったんでしょうが笑。
プロファイリングはもちろん当たる時もありますが、個人的にはあまりあてにしてはいけない印象ですね。
参考程度にするならいいですけど、それを全てだと思って捜査に取り組んでしまうと逮捕まで遅れてしまうと思います。
プロファイリング技術も、今よりもっと進歩しデータが蓄積されて行けば、きっと素晴らしいものになると思います。そうなることを願ってやみません。
あと、この事件とは関係ありませんが、地平線まで見渡せるような荒野や砂漠から、たった1つのピストルやナイフや、被害者の遺体等を見付けるというのも凄い話ですよね。実際にやってみろと言われてやり通せる人が、果たしてどれだけいるでしょうか?
本当は警察など必要ない平和な世の中になることが最も望ましいですが、犯罪者はどんどん捕まえて刑務所にぶち込んで欲しいですね。
ほとんど不可能でしょうね。
家の中にあるものですら、無くしても見つけられないですからね。
現在ではDNA鑑定は欠かせないものになってますからね。
確かに以前は精度の低さから誤認逮捕というのは多々ありましたが、現在ならほぼ間違いなく逮捕に繋がります。
プロファイリングも同様ですね。
このアセベドもそうですが、3人殺した人間が14年間も捕まらずにのうのうと生活しているってのは恐ろしいですよ。
ムーアは被害者では?
最初の記事からずっと読んでいます。
知らない事件が多く、楽しく読ませていただいてます。
ただ、犯人や被害者の名前がファーストネームで書かれていたかと思うと、ミドルネームになったりと少し混乱します。
早速訂正させて頂きました。
ずっと読んで頂いているという事で誠にありがとうございます。
基本的に全て名字での表記を心掛けているのですが、犯人がよくある名字で犠牲者と被ったり、犯人の家族も多く関与している場合は名前にしたりしてます。
同じ記事ではなるべく統一するようにしてますが、途中、前述した事があると変更したりしてます。
読み辛い点はご了承下さい。