image









ポンラニー・ナパドン (タイ)
【1967 ~ 】



2015年10月14日、タイ中部アーントーン県ウィセートチャイチャン郡で、兵庫県出身の吉岡和雄氏 (84歳) が自宅で殺害される。

殺害したのはサムパン・ジェムジェーン (46歳) というタイ人の男性であった。


同年10月16日、逮捕されたジェムジェーンだが、自分はある人物に依頼されて吉岡氏を殺害したと自供する。

それはポンラニー・ナパドンという名の48歳の女性で、事件当時、ナパドンは吉岡氏と同居していた。

ナパドンは事件の3日前の11日、吉岡氏殺害をジェムジェーンに依頼する。

ジェムジェーンは

「3日間かけて殺害を計画した。計画したのナパドンだ」

と供述する。

報酬は4万バーツ (約13万円) で、手付金として2万バーツを払った。

殺害を達成したあかつきには、残りの2万バーツを支払う予定であった。

ジェムジェーンは事件当時、吉岡氏の自宅隣家にナパドンの妹と同居していたのだった。


逮捕されたナパドンだったが、容疑を否認した。

また、吉岡氏殺害に関与したとして、他にサラウット・サアットシー (35歳) というタイ人男性も逮捕されたが、サアットシーも容疑を否認した。

吉岡氏とナパドンとの出会いは、タイの首都バンコクのカラオケ店であった。

そして、知り合って付き合う事となった。

殺害動機だが、ナパドンがチョンブリー県に新しい男性が出来た為、邪魔になった吉岡氏を殺害してその資産を奪おうと考えたのだった。

吉岡氏の弟が連絡が取れなくなった事を不審に思い、警察に通報したのだった。

ナパドンは殺人への関与を全面的に否認しているが、ジェムジェーンが家に侵入出来るよう手引きしたのはナパドンであった。

また、吉岡氏の自宅金庫には円や300万バーツ (約1000万円) 相当の大金があった。


2016年1月8日、タイ検察当局は、ナパドンとジェムジェーン、サアットシーの3人を殺人罪で起訴した。


同年8月9日、証拠不十分としてナパドンに無罪が言い渡された。


同年8月27日、ジェムジェーンも無罪が言い渡された。


2019年8月6日、ナパドンには死刑が言い渡され、ジェムジェーンには終身刑が言い渡された。



∽ 総評 ∽

新しい恋人とお金欲しさに殺害を依頼したナパドン。

女性がそのような動機で男性を殺害するのはよくある事で、珍しいという事はない。

そもそも84歳の老人と交際している所からみると、初めからお金目的で接近した可能性が高いと思われても仕方ない。

逮捕後、ナパドンはジェムジェーンが自分を陥れようとしていると話したが、そもそもジェムジェーンがナパドンをハメる理由がない。

ナパドンたちは1度無罪となったが、再び死刑と終身刑という判決が下された。

1度助かったと思ってからの死刑であり、その絶望は計り知れない。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・特異性 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
・殺人数 1人

《犯行期間:2015年10月14日》