image






















アリス・ウーデン (アメリカ)
【1939 ~ 】



2013年9月29日、1人の女性が逮捕される。

女性の名をアリス・ルイス・ウーデンといい、ミズーリ州出身の74歳の老女であった。


ウーデンは1974年後半 (一説では1975年前半) に、アメリカ・ワイオミング州シャイアンで、夫であるロナルド・ホルツを殺害した。

このホルツはウーデンにとって3番目の夫であったのだが、ウーデンには2歳の連れ子 (娘) がいた。

娘が泣き止まない事にホルツは腹を立て、娘に暴力を振るおうとした所、ウーデンが銃で撃って射殺したというのだった。

その為、裁判でウーデンは正当防衛を主張する。

しかし、ウーデンの息子の1人トッド・スコットは、母親ウーデンが撃ったのはホルツが寝ている時であり、自衛ではなかったと供述する。

また、ウーデンはホルツ殺害後、クリスマスの装飾が入ったボール紙の中にホルツの死体を入れたと証言した。

そして、トランクにホルツの死体を入れると、ワイオミング州シャイアンと同州ララミーの間にある牧場に死体を遺棄した。

そこには牛や他の動物の死骸が多数ある為、ホルツの死体も誤魔化せると考えたからであった。

しかし、万が一、死体がバレては困ると考え、後に現場に戻り、深く掘ってあらためてホルツの死体を埋めたのだった。

判事は
「被告は被害者を39年と半年の間、死体が見つからない方法で処分した。これはとても冷酷な計画的殺人である」
と発言し、ウーデンを批難した。

更に判事は、
「陪審は証拠の全てに耳を傾けました。その結果、弁護側が主張する自衛は拒否されました」
と続けた。

ウーデンは逮捕時、4番目の夫ジェラルド・ウーデン (72歳) とミズーリ州に住んでいた。

実はジェラルドは1980年に、元妻と息子2人を殺害しており、その後、ウーデンと再婚したのだった。

その為、ジェラルドも逮捕される事となった。

ウーデンは老齢だった為、法廷で支給された補聴器と青いスーツを身に付け、車椅子に座って事件について静かに供述した。

ホルツ殺害を供述しながら、ウーデンはすすり泣き、

「私は今までに、何度も罪を償おうと考えた」

と述べ、更に

「私は彼に出会わなければこんな事は起きなかった。彼は非常に暴力的で私は日頃から恐怖を感じていた」

と当時の心境を語った。


2014年8月26日、陪審はウーデンを計画的殺人と断定し、第一級殺人で死刑が言い渡される予定であったが、裁判当時、ウーデンの娘の1人エリカ・プランティが癌に侵され、余命半年という事も考慮され、終身刑という判決が下された。



∽ 総評 ∽

39年前の殺人を暴かれ裁かれたウーデン。

逮捕時、ウーデンは74歳であったが、本人もまさかこんなに経って逮捕されるとは思っていなかったであろう。

アメリカには時効という制度はないので (現在、殺人に関しては日本も時効がない) 、まさにコールド・ケース (未解決殺人事件) となっていた事件であった。

ウーデンは裁判で自衛による正当防衛を主張したが、子供によってその嘘を暴かれた。

ただ、ウーデンの殺害理由がよくわからない。

子供を守るためでないとしたら、女性殺人鬼ありがちな保険金殺人等の金品目的が考えられるが、ウーデンはそうではない。

また、ウーデンは次々と殺人を繰り返していない為、快楽殺人鬼とも言えない。

考えられるとしたら、これも女性にありがちな痴情のもつれだが、もし、ウーデンがジェラルドと一緒になりたいが為にホルツを殺害したのなら、理屈としては一番辻褄が合う。

いつも思うのだが、高齢なお年寄りにも普通に死刑や終身刑が下されるアメリカの制度にはいつも恐れ入る。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 1人

《犯行期間:1974年後半か1975年前半》